風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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エッセイ

 所属する結社歌誌「覇王樹」の2020年1月号を、ほぼ読み了える。
 到着は、今年元旦の記事、同・1月号が届く、にアップした。


 リンクには、昨年12月号の感想、結社のホームページ、僕の掲載短歌のブログ記事、3つへリンクを張ったので、ご参照ください。

覇王樹 1月号

 通常の記事の外、睦月10首詠は6名(これまではほとんど4名だった)、力詠15首2名の復活がある。
 またS・素子さんの評論「後水尾院時代の和歌63 ー正月御歌会始めー」も、狂歌の研究より、和歌の研究に戻って(全国大会でのお話通りだった)好ましい。
 「私のすきなこと・もの」のエッセイ欄2名1ページが新設され、I・謙三氏が「晩酌好き」、N・寿美子さんが「私のすきなこと」で写真好きを、開陳している。


 以下の3首に、寸感を付す。
 I・正太郎氏の「近郊逍遥」6首より。
若きらのリチウムの風の涼しかろ吾は手動の扇の風に
 先の夏に、1部の若者が使った、携帯扇風機を早くも詠んで新しい。
 A・良子さんの「スッポン述懐」6首より。
時期すぎて今年は一本の曼殊沙華小さき火傷のごとく枯れゆく
 「小さき火傷」の比喩が、心をも喩えて秀逸である。僕の短歌上の比喩嫌いを見直す程に。
 F・タケ子さんの「物干し竿」6首より。
補聴器の電池をかえる友待ちてただ四ったりの会始まれり
 少人数の和やかな、しかし盛んな歌会を思わせる。


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 思潮社・現代詩文庫242「続続・荒川洋治詩集」より、詩編を過ぎ、「散文」に入る。
 先の11月26日の記事、同「未刊詩篇<炭素>」を読む、に次ぐ。



 「散文」編には、短い批評とエッセイ、13編を24ページに収める。
 彼は恩賜賞・芸術院賞の推薦理由に、詩作品の他、批評の業績を多く挙げられた事を、喜んだようだ。しかし、評論はその時にも評価されにくく、後世に残らない業だと思う。小林秀雄を、中村光夫を、今は誰も語らない。創作しか、後世に残らないだろう。小説なら、今はややマイナーながら、色川武大、庄野潤三のファンはいる。
 彼の評論も、詩人の評論として、わかりやすい意外さで好評なのかも知れない。
 もう1つ、彼が「文学も出世の手段としか考えない」と詩で書いた事を補助線とすると、彼の詩人への評価がわかる気がする。ほとんど無名で没し、その後に超有名になった宮沢賢治を、許せないのだろう。詩「美代子、石を投げなさい」で、娘に石を投げるよう勧めている。また、「破滅的である事によって、自分の人間性を証明する」とした田村隆一を始め、多く無頼的だった戦後派詩人に、追随しなかった理由の1つだろう。


 彼は「文学は実学である。経済学のスパンが10年か多くて20年先までしか論じられないが、文学は人の一生を左右する」と、繰り返し述べる。批評「文学は実学である」から始まる主張である。僕は、全くそうだと思う。数学の厳密な進展や、医学の発展による救済に、驚きながら。
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写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。


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 11月16日の、第61回 覇王樹全国大会の席上で配られた、歌誌「覇王樹三重」No.125をほぼ読み了える。
 受贈は先の11月24日の記事、贈られた3冊にアップした。

 

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 「覇王樹三重」は、覇王樹の三重支社が発行する歌誌である。No.125は、2019年9月30日・刊。38ページ。
 故・N・志郎氏の巻頭言「牧水と山田など」、歌集未収の「橋田濤聲(東聲)の投稿歌十一首(「山鳩」所載)」に次ぎ、覇王樹賞受賞後作品として、K・恵美さんの「過ぎゆく日々」40首が置かれる。
 次いで橋本俊明氏の研究「坐忘居雑筆 「覇王樹」ゆかりの作家たち(32) 白瀧しほ―人と作品」が5ページに渉る。
 「作品」欄には、10名が数10首ずつ発表している。1ページ23首と、やや込み合っているのが惜しい。費用の面もあるだろうけれど、もう少し余裕がほしい。
 「サロン」と題するエッセイ欄には、9名が思い思いに綴っている。歌だけでなく、散文への欲求もあるのだろう。
 傍系誌のあるありがたさは、僕も季刊同人歌誌に父母の挽歌の連作を載せてもらって、よく知っている。
 「覇王樹三重」の編集発行人は、橋本俊明氏である。研究熱心な、爽やかな方との印象がある。


 以下に4首を引く。
 K・恵美さんの「過ぎゆく日々」より。
ときかけて一汁三菜の夕餉終う昨日もひとり明日もひとり
 O・孝一さんの「逆光」より。
逆光に車椅子押す介護士のシルエットを追ふわれは試歩行
 U・安世さんの「永らへて」より。
拳あげてオレンジ自由化反対を訴へたりしも遥かとなりぬ
 橋本俊明氏の「紅熟」より。
滝底を撃つ巌壁を水落ちて夏の那智滝男と思ふも


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 第61回 覇王樹全国大会に参加の記事を、今月17日付けでアップした。
 

 大会の各席ごと、大会資料と共に、1冊の歌誌が置かれていた。
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 「覇王樹三重」No.125である。2019年9月30日・刊。38ページ。発行間隔はわからない。
 短歌欄だけでなく、「サロン」と題するエッセイ欄があって、楽しそうだ。
 編集発行人・橋本俊明氏。

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 また夕食懇談会で、僕の右側が橋本俊明・顧問だった。僕のこのブログを読んで下さっていて、恐縮だった。僕が沖積舎「梅崎春生全集」(全8巻)をコツコツ読んでいる事をご存知で、友人の梅崎春生論の本を送ろうと、約束して下さった。Kindle版の僕の2詩集も購入して、読んで下さっていた。
 その約束の梅崎春生論が、橋本氏の資料と共に、11月23日に届いた。中井正義・著「梅崎春生論」である。函入り、322ページの大冊である。虎見書房、1969年・刊。


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 詩誌「水脈」66号が届いた。2019年11月6日、水脈の会・刊。
 詩人会議の県内誌である。詩の外に、評論、小説を収めて、67ページと詩誌として豊富である。




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 まだ購入を報せていなかったけれども、文春文庫「羽生善治 闘う頭脳」(2017年・6刷)を読み了える。
 8月27日に、メルカリの380ポイントで注文した。

闘う頭脳
 今月2日の記事、羽生善治「決断力」を読む、で僕は疑問を感じるようになったと書いた。
 それなのになぜ読んだかといえば、この本は音楽のリスペクト盤CDみたいなもので、ゴーストライターの入る余地は少なく、インタビュー、他棋士の寄稿、対談、エッセイなどを集めた本だからである。
 谷川浩司を目指し、森内俊之、佐藤康光、藤井猛、郷田真隆、深浦康市ら、ライバルと共に、盤上で闘い続け、様々な要点を掴む様が描かれる。
 対局は、勝負というより、棋力の向上、棋理の究明につながる事として指される。
 対談で、引退要因などを訊かれるが、どのような時と明言していない。同世代が盛りを過ぎるなか、彼の孤独な闘いは続くだろう。


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 最近に入手した、文庫本4冊、新書1冊、結社歌誌1誌を紹介する。
 上の岩波現代文庫・荒川洋治「詩とことば」(2016年6月・4刷)は、今月20日の記事、荒川洋治さん芸術院賞・恩賜賞祝賀会のおり、荒川さんの記念として配られた本である。
 2017年7月21日の記事、荒川洋治「詩とことば」で1度、感想を述べている。再読したい。

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 今村夏子の小説、「こちらあみ子」と「あひる」を、メルカリより買った。「こちらあみ子」で太宰治賞・三島由紀夫賞をW受賞し、4年11ヶ月の沈黙の後、「あひる」と「森の兄妹」を収めて2番めの文庫本が刊行され、今も新刊の出版は続いている。
 ブクログだったか読書メーターだったか、とても評価されていた。

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 久しぶりにリアル書店「KaBoSワッセ店」へ行き、未読の村上春樹・エッセイ集「村上ラヂオ3 サラダ好きのライオン」(新潮文庫)を買った。彼のエッセイは、滋養豊かなサラダのような、味わいがある。ドコモのdポイントを使える店だが、カードを忘れた。
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 NHK出版新書、松本博文「藤井聡太 天才はいかに生まれたか」を、メルカリで買った。将棋の藤井聡太は、卓球の張本智和と共に、天才少年として、注目している。藤井聡太・本は他にもあるので読みたい。
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 結社歌誌「覇王樹」2019年6月号が、5月25日に届いた。
 今年の全国大会、来年の100周年大会へ向けて、詳細が動き出している。
 僕の6首(8首より選)他は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、5月26日・記事より少しずつ、順次アップしてゆくので、横書きながらご覧ください。

 タブレットにダウンロードした、kindle unlimited本・他、最近に入手した本は既に多く、古くからの蔵書も待っているが、機会を作り1冊ずつ読み進みたい。




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 今日2回めの記事更新です。
 僕が関わった同人詩誌「群青」の第5号(2006年2月20日・刊)より、エッセイ「ビブリオマニア」を、僕のホームページ「新サスケ’s Ownd」の、5月16日付けの記事に転載しました。
 古いエッセイですが、よろしければお読みください。

masakyf-diary.amebaownd.com/posts/6245134

 上のアドレスからも、記事へ飛べます。フィッシング防止等のため、2、3日でリンクが切れますので、その場合は、上のエッセイ「ビブリオマニア」に貼ったリンクよりお越しください。
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写真ACより、「恐竜」CGの1枚です。ホームページ記事と共通です。





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