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 カレル・チャペックの戯曲「ロボット」を読み了える。
 同じ作者の小説「山椒魚戦争」(岩波文庫)、童話集「長い長いお医者さんの話」(岩波少年文庫)が蔵書にあるので、それらを楽しみとしたい。
概要
 カレル・チャペック(1890年~1938年)はチェコスロバキア(現・チェコ)のジャーナリスト、作家である。
 岩波文庫、2005年・14刷。千野栄一・訳。
 原著は、1920年・刊。
 人間より優秀で強力なロボットを作り出し、社長夫人の願いで博士がロボットに心を与える。当然のようにロボットは団結して人類に反抗し、わずかな人類を残して抹殺する。しかしロボットは約20年間で駄目になるため、ロボットは(また社長夫人が、発明者の手稿を燃やしてしまったので)製造会社で唯一の残った人間、建築士・アルクビストにロボット製造法を再現させようとするが成功しない。
感想
 人間より強力な機械はあり、人間より早く正確に計算するコンピューターはあった。しかしコンピューターがチェス、将棋、囲碁で人間より強くなり、プロ棋士でさえコンピューターに学ぶようになると、価値観が変化する。囲碁ソフト同士が対戦を繰り返し、更に学習して強くなる現在である。
 今より100年近く前、今に近い状態(電子機器の発達によって)のロボットを想定し得た事は、作家の頭脳が優れていたのだ。
 人間を補助するための電子機器なら良いが、連結して反抗を始める時が来るかと、怖れる者の僕は一人である。
 この戯曲は長編で、上演に適しているかどうか判らない。僕の読むところ、人類が滅びロボットも滅ぶ、暗黒物語である。