北斎漫画
 先の3月12日の記事、dポイントで2冊を買う、で紹介した内、「北斎漫画[肉筆未刊行版]」を見了える。
概要
 2017年9月30日、初版。河出書房新社・刊。
 価格:3,900円+税。単色版画・178枚。セーラ・E・トンプソンの解題、図版解説、53ページまで。
 通常はボストン美術館・蔵の「ボストン画帖」と呼ばれ、「北斎漫画」の続編として企画されたが出版されず、版下絵・3帖が残ったらしい。貴重な出版である。
感想

 図版の番号と、解説の番号の、並べ方がよく判らなかったが、しまい近くになって判った。図版は右側(裏表紙側)から、一、二と始まり、対応する横書き解説は、左側(表紙側)より順に進むのである。解説が横書きで、この体裁になったのだろう。
 「富嶽三十六景」の元のアイデアとなったらしい図がある。様々な職業の図があり、当時の仕事ぶりがわかりそうだ。神仏・鬼神は、デフォルメされて、素描とはいえ、信仰篤くはなかったようである。
 人々の表情・体格も今とは違って、実際多少は違っても、デフォルメされていると思う。
 魚類、草花類の図も多く、精細に描かれて、実際的と思われる。
 北斎の「富嶽三十六景」を頂点とする、多くの浮世絵も、こうしたデッサン力を溜めての画業だろう。