角川書店「増補 現代俳句大系」第15巻(1981年・刊)より、7番めの句集、永井龍男「永井龍男句集」を読み了える。
今月1日の記事、和知喜八・句集「同齢」を読む、に次ぐ。
原著は、1976年、五月書房・刊。444句、著者・あとがきを収める。
この句集は、「文壇句会今昔・東門居句手帖」(1972年、文芸春秋社・刊)の約千句より、石川桂郎らの手を経て、自選した句集である。山羊総革装、特染布貼夫婦函入の豪華本である。
1927年~1965年前後の句より成り、戦中の中国・吟を含む。著者にはこの後、句集「雲に鳥」(1977年、五月書房・刊)がある。
永井龍男(ながい・たつお、1904年~1990年)は、小説家であり、僕はデビュー短編「黒い御飯」、戦後の長編「風ふたたび」を読んだ記憶が残る。「石版東京図絵」を読んでみたい。
戦前より俳句を始め、戦後は久米正雄の三汀居句会、文壇句会等で作句した。
住み続けた鎌倉のあちこちでの風俗、生活を題材としたようだ。
以下に5句を引く。
厨女が唱歌うたふや花木槿
立冬の母子に午砲(ドン)の鳴れるかな
北風や独楽買ふ銭を固く掌に
寒鮒を茶で煮る鍋のあるばかり
数へ日の三時は日向四時の影
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。
今月1日の記事、和知喜八・句集「同齢」を読む、に次ぐ。
原著は、1976年、五月書房・刊。444句、著者・あとがきを収める。
この句集は、「文壇句会今昔・東門居句手帖」(1972年、文芸春秋社・刊)の約千句より、石川桂郎らの手を経て、自選した句集である。山羊総革装、特染布貼夫婦函入の豪華本である。
1927年~1965年前後の句より成り、戦中の中国・吟を含む。著者にはこの後、句集「雲に鳥」(1977年、五月書房・刊)がある。
永井龍男(ながい・たつお、1904年~1990年)は、小説家であり、僕はデビュー短編「黒い御飯」、戦後の長編「風ふたたび」を読んだ記憶が残る。「石版東京図絵」を読んでみたい。
戦前より俳句を始め、戦後は久米正雄の三汀居句会、文壇句会等で作句した。
住み続けた鎌倉のあちこちでの風俗、生活を題材としたようだ。
以下に5句を引く。
厨女が唱歌うたふや花木槿
立冬の母子に午砲(ドン)の鳴れるかな
北風や独楽買ふ銭を固く掌に
寒鮒を茶で煮る鍋のあるばかり
数へ日の三時は日向四時の影
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。