風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

デリカシー

 D・H・ロレンスの「愛と死の詩集」Kindle Unlmited版を、タブレットで読み了える。
 Amazonよりのダウンロードは、今年3月15日の記事、歌集3冊と詩集1冊をダウンロード、で紹介した。




D・H・ロレンス 愛と死の詩集
 安東一郎・訳。(有)グーテンベルク21・刊。Kindle版は、2014年7月4日・刊。432円。
 訳者がD・H・ロレンスの全詩業から、59編を選んで訳出した詩集である。
 読んだ小説「息子と恋人」、「チャタレイ夫人の恋人」(旧訳)が合わなかったとリンクに書いたけれども、結局、この詩集も僕を満足させるものでなかった。読了に月日が掛かったのは、そのせいである。
 ホイットマンの影響を受けたという、説教臭さ、デリカシーの無さだと思う。僕は北原白秋や、戦後「荒地」派の詩を好んで読んだ。
 D・H・ロレンスは生涯、性愛の哲学を叫び続けたと翻訳者は書くけれども、性愛は人生の最大部分ではないと、僕は考える。
 旧いイギリスで、炭鉱夫の息子に生まれた彼が、抑圧と貧困から脱出するために、世に反抗した事は、わかる気がする。



このエントリーをはてなブックマークに追加

 角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、7番目の句集、川崎展宏「葛の葉」を読み了える。
 今月25日の記事、
広瀬直人・句集「帰路」に次ぐ。
概要
 原著は、1973年、杉発行所・刊。自序句1句、301句(1955年~1972年)、自跋、あとがきを収める。
 川崎展宏(かわさき・てんこう、1927年~2009年)は、加藤楸邨「寒雷」に参加。1970年、森澄雄「杉」創刊に参加。1980年、同人誌「貂」創刊、代表となる。
感想
 自跋で「俳句は遊びだと思っている」と述べて、人間探求派の「寒雷」と決別した。
 高浜虚子の花鳥諷詠を再評価し、拠り所とする。
 戦前育ちながら、嫌味がない。デリカシーに満ちていると評された。
 戦後昭和の生活を、微細に捉えている。
引用
 以下に5句を引く。
暑し暑し昼餉の瓜と醤油差し
松の花瀬戸物市を開かんと
西瓜食うて声変りをり中学生
海鼠食ひし男まぎれぬ街の燈に
ゴルファーらヘアピンのごと枯芝に
0-92
写真ACより、「フード&ドリンク」のイラスト1枚。



このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ