風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

ハッピーエンド

 山田詠美の小編小説集「タイニー ストーリーズ」より、3回めの紹介をする。
 同・(2)は、先の1月27日の記事にアップした。


 文春文庫、2013年・刊。21編のタイニー ストーリー(小編小説)を収める。

 今回に僕が読んだのは、「LOVE 4 SALE」、「紙魚的一生」、「GIと遊んだ話(三)」、「ブーランジェリー」、「にゃんにゃじじい」の、5編である。
 苦労して貯めたお金を、自殺未遂詐欺の常習者に貢いでしまう話「LOVE 4 SALE」、知性に憧れて一緒になった男性に、読書ばかりで構われない話「紙魚的一生」、友人と一緒にGIと遊ぶ、僕には趣のよくわからない話「GIと遊んだ話(三)」、パン屋兄弟の兄と交際して「体の相性が良い」けれども、弟に譲られてしまう女性「ブーランジェリー」(フランス語でパン屋の意味)、いわくありげなお爺さんが、「猫みたいな女はいない、そう振舞おうとする女は多々いたけれども」と親しくなった少女に教える「にゃんにゃじじい」、の5編である。
 いずれも、山田詠美の経歴を含めて、ハッピーエンドではない事が気になる。ハッピーな作家という人物も、相応しくない気がするけれども。作家は精神労働者なので、苦労する者だろう。
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。



 昨日の記事、入手した4冊を紹介する(6)にアップしたうち、タブレットにダウンロードした、家庭サスペンス vol.20より、暁龍さんのマンガ「うちの職場にはお局様がいる」を読み了える。
家庭サスペンス vol.20
 家庭サスペンス vol.20は、2019年12月11日・刊。Kindle価格:550円(税込み)。
 特集は、職場のヤバい女、である。

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 ブログ、インスタグラム等で楽しませてもらっている、プロ・マンガ家・暁龍さんは、「うちの職場にはお局様がいる」を載せている。モノクロ、32ページ。
 今月12日の記事、同・vol.17より、暁龍さんのマンガ「誰かに聞いてもらいたい」を読む、に次ぐ。

 

 「うちの職場にはお局様がいる」は、職場のお局様45歳にさんざん圧迫されたが、お局様は外国に住む人との結婚を理由に去る。残った女子職員たちは、涙を流して喜ぶ。
 しかし女子最年長の主人公が、いつかお局様になってしまう、という組織と個人の不条理をも暴く。
 僕の職場では現場でも上下関係があったし、歌会では男ということで上座に座る事もあり、高圧的にならないよう注意したが、いささかはあったかも知れない。
 無理なハッピーエンドのストーリーより、バッドエンドの物語が、問いかけて来るものは多い。
 小説やドラマでは、ハッピーエンドを望んでしまう僕である。マンガや歌謡では、バッドエンドを望む所もある。
 もっとも人生のハッピーエンドを望んでいる。





 ブログ、インスタグラムなどで楽しませてもらっている、プロ・マンガ家、暁龍(あかつき・りゅう)さんのマンガ誌掲載のマンガ作品、「誰かに聞いてもらいたい」を読み了える。
 先行する作品読後感は、先の10月26日の記事、暁龍さんのマンガ2作品を読む、にアップした。



 今回もあかつきさんのブログ「あんこと麦と」の、メニューバー「配信・掲載情報のページです」より、あかつきさんの一般マンガを探した。


家庭サスペンス vol.17
 「家庭サスペンス vol.17」がヒットした。今は同・vol.20も発売されているかも知れない。
 特集は「本当にあった詐欺の話」である。Amzonより、275円でタブレットにダウンロードした。

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 暁龍さんは、「誰かに聞いてもらいたい」を掲載した。32ページ、モノクロ。
 夫とは会話が成り立たず、一人娘は文句ばっかり、という主婦が、写真SNSで国際ロマンス詐欺に引っ掛かり、10万円を振り込み、更に200万円を求められた所で、娘さんの危難があって、思いとどまる。夫の無言は、突発性難聴で、言い出せなかったのが原因だったが、薬で良くなっている、と家庭の和が戻ってハッピーエンドである。
 前の2作品のように、胸がチクリと刺される事はなかった。以前、僕は妻に腹を立てると、無言作戦を取った事があるが、2、3時間の1時的なものだった。今はそれはなく、癇癪を立てる事もない。
 でも家庭で、夫と子に無視される主婦の悲しみは、わかる気がする。


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 石田衣良(いしだ・いら)の短編小説集「スローグッドバイ」を読み了える。
 彼の小説を読んだのは、今年6月30日の記事にアップした、
「東京DOLL」以来である。
概要
 集英社文庫、2005年6月・3刷。
 彼の初めての短編集で、初めての恋愛作品集と、「あとがき」にある。
 「東京DOLL」が2007年刊だから、長編恋愛小説と捉えると(その間にも作品はあるだろうけれど)、2年の間の筆力の成長は凄まじい。
感想
 脛の傷、心の闇、隠したい過去を抱きながら生き抜く男女を描く10編。性を交す作品が多いけれども、そうでない作品もある。
 サクセス・ストーリーへの執着が見られ、シナリオ・ライターとして成功してゆく「曜子」とそれを見守る「史郎」の「夢のキャッチャー」、イラストレーターとして「山口高作」を発掘するPR誌の「サツキ」の「線のよろこび」などがある。
 憶測を交す男女が、結末でどんでん返し的に和解するストーリーを含めて、最後の表題作「スローグッドバイ」を除けば、ハッピーエンドの物語である。
 「スローグッドバイ」では、2年間の同棲をしていたフミヒロとワカコが別れる事になり、さよならデートをした後、ワカコの見抜いた通り、フミヒロの「心のなかにたくさんの物語があふれていたからだ」と作家的才能の発現を描く。これまでの9編をフミヒロの作品であるかのように、この作品集を2重にフィクション化している。


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