風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

ユーモア

「COCOON」Issue11
 季刊同人歌誌「COCOON」Issue11を、ほぼ読み了える。
 到着は、先の3月25日の記事、「1冊と1枚」にアップした。
 また同・Issue10の感想は、今年1月2日の記事にアップした。
概要
 概要の1部は、「1冊と1枚」に述べたので、リンクをご参照ください。
 85ページ。通常・短歌は1段組み、1ページ6首。
 巻頭24首4名、12首23名、時評、評論各種、イラスト短歌「うた画廊」2枚、歌合2題、エッセイ等、連載コラム、批評会記、全員アンケート等、賑やかである。
感想

 以下、引用に添いつつ、感想を述べたい。
 H・みささんの「日々はあたらし」24首より。
チューニング合わせきれずに平成を生きておりしが平成終わる
 平成に馴染めなかったのだろうか。初句2句の暗喩表現は、ぴったり言い当てている。
 O・達知さんの「mumble bumble」12首より。
鶏ももの三百グラム買うときの、ちょっと出ちゃっていいですか?好き
 会話体をまじえ、完全口語体短歌へ傾く。ヒューマニティに通じる、ユーモアがある。
 S・ユウコさんの「はなとゆめ」12首より。
お別れの理由をもしも訊かれたら音楽性の違いと言おう
 「音楽性の違い」は、生のリズム、メロディの違い、生き方の違いだろうか。超越的な比喩と呼ぶべきだろう。
 S・なおさんの「蜂とはちみつ」12首より。
朝が来て夜が来てまた朝になる 大きなカブはまだ抜けません
 「大きなカブ」は、明るい童話である(表記は知らない)。カブは、心に大きくなった、悲嘆、怨恨かと思い至る。


 

 思潮社「関根弘詩集」(1968年・刊)より、当時・既刊のしまいの詩集「約束したひと」を読み了える。
 先の1月22日の記事、
同「イカとハンカチ」を読む、に次ぐ。
概要
 原著は、1963年(日本共産党・除名後)、思潮社・刊。このコレクション詩集には、年譜がなく、Wikipediaにも載っていない。
 後に買った土曜美術社出版販売・日本現代詩文庫「関根弘詩集」の年譜と、三省堂「現代詩大事典」(2008年・刊)の書誌には、詩集「約束したひと」が載っている。
感想
 冒頭の「寓話」は、4編の昔話のパロディである。童話類のパロディでは、複雑苛烈な現代は解明できないように思える。
 「ケッコン行進曲」では、「カキクケッコン/サシスセンソウ」のフレーズが繰り返されるが、スローガンでもなくユーモアもない。
 「コンサート」の1節「寝床の中で/雨をきいている幸福もある」には、読書とネットに籠もりがちな僕は、同感する。
 「部屋を出てゆく」の、「大型トラックを頼んでも/運べない思い出を/いっぱい残してゆくからだ」には、引っ越しの悲しみが、よく表わされている。
 掉尾の「約束したひと」は、待てども現れない革命への未練だろうか。
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写真ACより、「キッチングッズ」のイラスト1枚。




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 今月25日の記事で到着を報せた、矢部太郎のマンガ本「大家さんと僕」を読み了える。
概要
 2017年10月20日、新潮社・刊。2018年1月20日・9刷。公称・15万部(当時)。
 作者・矢部太郎(やべ・たろう)は、作中・39歳、お笑いコンビ「カラテカ」のボケ役、他に喜劇役者など。
感想
 僕はマンガの評し方がよく判らない。笑いあり、涙あり、ペーソスありと書いておこう。
 大家の87歳のおばあさんが、戦前などの記憶がはっきりしていて、リアル感を与える。ユーモアにも強い。
 早く記事を上げなくて良かった。読みなおしてみると、4ページ程を飛ばしていた。それも主人公が女優を好きになって振られる、重要なストーリーだった。
この後
 作者は1発当てたのだから、マンガの続編なり、芸能人としてなり、大活躍を続けてほしい。
 僕はこの本をメルカリで、さて幾らで売ろうか。


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