風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

三浦哲郎

 最近に手許へ届いた4冊を紹介する。
 まず総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2021年8月号が、7月14日頃に届いた。
歌壇2021年8月号
本阿弥書店
2021-07-14

 数種類ある総合歌誌の内、僕はこれだけを購読している。

 次は三浦哲郎「完本 短編集モザイク」である。
完本 短篇集モザイク
三浦 哲郎
新潮社
2010-12-01

 新潮社、2010年12月・刊、2019年11月4刷、定価:3,080円。単行本として刊行された短編小説集(シリーズの意図あり)「みちづれ」「ふなうた」「わくらば」3冊に、若干の短編小説を加えた本である。僕は3冊を文庫本で読んだが、処分してしまった。作家の晩年の傑作として、手許に置きたく(もちろん読む積もり)、高価ながらAmazonで新本を購入した。

 三浦哲郎の文章を読みたい気持ちがしきりに湧くので、メルカリで以下の本を買った。

恩愛(おんない)
三浦 哲郎
世界文化社
2005-06T



母の肖像―短篇名作選
三浦 哲郎
構想社
1983-01-01



 随筆集の「恩愛」と、母物の短編小説を集めた「母の肖像」である。随筆集と銘打った本はこれまで読まなかった。「母の肖像」は新刊というより、これまでの母物を集めたアンソロジーである。2冊は、メルカリでdポイント(期限付き)を使って購入した。少しはみ出したので、ポイント共有者の妻に報告しておいた。





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写真ACより、鉢植えのイラスト1枚。
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 ネット上のフリーマーケット、メルカリで最近売れた本の2回めのを紹介する。
 同・1回めは、今月2日の記事にアップした。


 6月9日に、角川書店「増補 現代俳句大系」第12巻、第15巻が、それぞれ500円で同じ人に売れた。




 6月18日、青木祐子「これは経費で落ちません! 8」(集英社オレンジ文庫)が400円で売れた。




 同じく6月18日に、岩波文庫のヒポクラテス「古い医術について 他八篇」が、600円で売れた。


 6月25日に、三浦哲郎「盆土産と十七の短編」(中公文庫)が500円で売れた。
盆土産と十七の短篇 (中公文庫)
三浦 哲郎
中央公論新社
2020-06-24


 同じく6月25日に、原田マハ「たゆたえども沈まず」(幻冬舎文庫)が400円で売れた。
たゆたえども沈まず (幻冬舎文庫)
原田マハ
幻冬舎
2020-04-08


 同じく6月25日に、青木祐子「これは経費で落ちません 7」(集英社オレンジ文庫)が400円で売れた。


 いずれも利益はわずかである。メルカリで現代詩文庫「続・白石かずこ詩集」(800円)を注文して、無くなるくらいに。

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写真ACより、「建築」のアイコン1枚。







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 三浦哲郎の短編小説集「盆土産と十七の短編」を読み了える。
盆土産と十七の短篇 (中公文庫)
三浦 哲郎
中央公論新社
2020-06-24

 手許の実物には、帯がある。

 入手は、今月5日の記事、届いた4冊を紹介する(5)の末尾で報せた。

 その4冊の内、渡辺茂子「アネモネの風」以外は読んでいる。

 「盆土産と十七の短編」は、中公文庫、2020年・再版。
 「盆土産」は、父親(母親は亡くなっている)の出稼ぎの土産、海老フライを初めて食べる姉弟と、祖母の物語である。「金色の朝」は、少年が弟妹たちに気取って言う科白、「朝の雨と…女の腕まくりは、ちっともこわくねえ。」(差別があったら済みません)が印象的である。この2編は既読なので、文庫本が既読なのかと思ったが、国語教科書に載った短編小説を集めた、オリジナル・アンソロジーとの事。
 「私の木刀奇譚」(永井荷風の「墨東奇譚」に掛けてある)、「猫背の小指」「ジャスミンと恋文」「汁粉に酔うの記」「方言について」「春は夜汽車の窓から」7編は私小説風で、現在の安定した境地(三浦哲郎の若い時の家族の宿命を、ようやく克服した、重要な意味を持つ)を思わせる。
 「おおるり」(「石段」を除く)「睡蓮」「星夜」は、死の絡む話である。「ロボット」は少年が死に、「鳥寄せ」では出稼ぎがうまくゆかなかった父親が、郷里の裏山で枝に首を吊る。「メリー・ゴー・ラウンド」も、父娘の(母は亡くなっている)心中未遂を描く。未来ある中学生・高校生に、こういう暗い話を読ませたくない。PTA的になるのではないけれど、努力の物語、苦難を越える物語を、読んでほしい。
 「とんかつ」は禅寺の雲水になった少年の1年の成長を、「じねんじょ」は四十を越えた小桃が、初めて実父に会う物語を描く。父親が「怨みでもあらば、なんでも喋れや」の科白が良い。しかし少年少女に、積極的に薦めたいストーリーではない。作者の責任ではないけれども。
 久しぶりに三浦哲郎の短編小説集を読んで、僕は満足している。

沖の白帆
 「北潟湖畔花菖蒲園」より、「沖の白帆」の1枚。



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 最近に手許に届いた4冊を紹介する。
 僕はNumber誌の「藤井聡太と将棋の天才」Kindle版をダウンロードし、感想を昨年9月14日の記事にアップした。

 今度、同誌の「藤井聡太と将棋の冒険。」(2021年1月・刊)をメルカリで見つけ、300円(送料・込み)で購入した。


 所属する短歌結社「覇王樹」の顧問・渡辺茂子さんが、第3歌集「アネモネの風」を贈って下さった。
 第2歌集「湖と青花」を贈られた時の感想は、2019年10月5日の記事にアップした。

 「アネモネの風」は、2021年5月31日、不識書院・刊。427首、183ページ。画像が間に合わないので、失礼します。

 ぶんか社のマンガ誌「ご近所の怖い噂」vol.167を、Amazonより購入した。ブログの先輩、暁龍さんの「40歳の夜明け」モノクロ32ページが載るからである。430ページ、730円。

 暁龍さんの活躍ぶりは、今月1日の記事、「6月のカレンダー、2種を紹介します」をご参照ください。


 メルカリの「保存した検索条件」で「三浦哲郎」を検索すると、新刊部門で「盆土産と十七の短編」(中公文庫)があり、ポイントで購入した。
 その前の三浦哲郎・作品・読了は、先の5月5日の記事にアップした長編小説「素顔」である。


盆土産と十七の短篇 (中公文庫)
三浦 哲郎
中央公論新社
2020-06-24

 「盆土産と十七の短編」は、中公文庫、2020年9月・再版。946円(税込み、送料無料)。
 初めの2編は既読の記憶があるので、既読本かと思ったが、教科書に載った短編小説ばかりを集めた、オリジナル・アンソロジーらしい。僕の未読の短編小説も載っているようだ。
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 写真ACより、「建築」のアイコン1枚。





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 三浦哲郎の長編小説「素顔」(講談社文庫、1980年・刊、346ページ)を読み了える。
 三浦哲郎の小説を読むのは、今年1月24日に記事アップした、「夜の哀しみ」(上下巻)以来である。


三浦哲郎「素顔」
 「素顔」は1度、読んだ事がある気がしたが、このブログでも、前のブログ「サスケの本棚」でも検索に引っ掛からないので、初めてだろう。冒頭部を何度も読んで、記憶に残ったのかも知れない。
 長編小説といっても、連作短編集に似て、12章より成っている。作家の馬淵、妻の菊枝、長女の珠子、次女の志穂、3女の七重、ブルドッグのカポネ、の1家に湧く騒動(いずれもハッピーエンドでおわる)を描く。長女が痴漢に遭いそうになったり、馬淵に助力を得たい文学青年に家の周りを徘徊されたり、郷里の同級生が亡くなって弔辞を読んだり、様々な事件が現れる。
 しかしこの中にも書かれているが、作家の2人の姉の自死、2人の兄の失踪は、背景にあり、それらの小事件が解決されてみれば、家族は(郷里の母を含め)平穏で幸福な生活と見える。
 三浦哲郎が最後まで、原稿用紙に万年筆で執筆したのかと思うと、僕にも感慨がある。


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 三浦哲郎の小説「夜の哀しみ」(新潮文庫、上下巻)を読み了える。
 三浦哲郎の本では、昨年6月5日の記事に、短編小説集「冬の雁」をアップしている。


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 初出は、日本経済新聞・1991年9月14日~1992年9月13日である。新聞小説に文学を呼び戻す意気込みで始められた。
 出稼ぎの夫を持つ35歳の登世が、親友の夫・聖次と不倫関係になり、家での密会を息子に見られ、(堕胎、別れ、結核らしい病気を経て)、息子と娘にたかられるようになり、息子との取っ組み合いの末、首を絞めて失神か死亡かわからないまま、海に入水自殺をする結末を迎える。
 2、3年前、1度読みかけて、止めた本である。ぼくは不倫もの、愛人ものが苦手だった。パール・バックの「大地」も、主人公が富んで、愛人を住まわせるようになった所で、読書が中断した。
 35歳で1年の空閨は、耐えがたいものがあったかも知れない。三浦哲郎は、愛情と共感をもって登世を描いている。これまでと異質な世界である。


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 三浦哲郎の短編小説集「冬の雁(がん)」を読み了える。
 三浦哲郎の作品では、昨年12月8日の記事にアップした、エッセイ集「おふくろの夜回り」以来である。



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 居間の文庫本棚より、読む本を探しているといると、三浦哲郎の「百日紅の咲かない夏」も目に留まったが、テーマが重く長編小説なので、後の機会に譲った。
 「冬の雁」を見てみると、短編小説集なので読むことにした。全17編。
 文春文庫、1989年1刷。古ぼけて、150円のブックオフの値札が貼ってある。本文までヤケていて、僕が喫煙時代(58歳まで)に買った本だろうか。

 初めの「花いちもんめ」は、養女と父親の、相愛的感情が描かれる。
 出身の青森県の方言が行き交う、逞しく生きる人々の物語がある。
 そして現在の、作家と家族の幸せな家庭も描かれる。
 故郷で、脳血栓で倒れ、病院に寝たきりの母親を、何度も見舞うストーリーもある。母親の死の物語は、どこかで読んだ記憶があるが、長い療養中の話は、この本が初めてではないだろうか。
 1族の暗い宿命のストーリーの1つとして「紺の角帯」は、40余年前、兄が失踪する前、恋人に残した一本の角帯を、その女性から贈られるストーリーである。

 エロス、ユーモア、シリアスと、読者をほろりと楽しませてくれる、名短編ばかりである。





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