風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

主語

 8月6日(第1木曜)午前10時より橘曙覧記念館の会議室で、短歌研究会C・8月歌会が持たれた。
 同・7月歌会は、7月9日の記事にアップした。



 1番に着いた僕は、長椅子の位置調整をし、窓を開け放ち、空調の調節をした。
 参加者は、女性4名、男性2名の、計6名。事務局が用意したプリントには、9名9首。

 参加者の歌のみより。YYさんの3句以下「肩傷め何かと障りし右腕惜しむ」は、自身の意見と助言で、「痛む肩何かと障る右腕愛しむ」となった。いじくり過ぎの気もする。
 TTさんの1首は、途中に主語の転換があるも、そのまま。
 僕の歌は、3句「成功だ」など言い尽くしていると、自分で気づく。芭蕉の「言ひおほせて何かある」(去来抄)の言葉を思い、反省する。
 YNさんの下句「厨覗くがに身じろぎもせず」は、「身じろぎもせず厨を覗く」にする案が出たが、本人もその案は検討したという事で、原案通りとなった。
 MKさんの初句「たはむれに」を変える考えが出たが、亡夫恋につながる哀切が表れると、原案通りとなった。
 TFさんの1首は、そのまま通った。

 欠席者の歌も批評し、次回の日程を決め、11時半過ぎに散会した。
シークワーサー2
 写真ACより、「シークワーサー」のイラスト1枚。


 7月17日(第3金曜日)の朝10時より、メンバー3人が橘曙覧記念館の1室に集まって、短歌研究会A第69回を持った。
 同・第68回は、先の6月18日の記事にアップした。



 Mさんが都合で、やや遅れた。
 歌誌の貸し借り、返却等のあと、研究会A、相互の詠草の検討に入った。
Tさんの8首より。
 1首めの4句「青田の向う」は、Tさんが電子辞書を見て「向かう」に直した。
 8首めの結句「梅雨空うごく」は、空が動くみたいなので、「梅雨空移る」を僕が奨めたが、採るかどうかは、本人に任せた。あと幾ヶ所か。
僕の10首より。
 6首めの4句「憐れまれたか」を「詫びのつもりか」に直すよう、二人は奨めたが、参考としてメモするのみだった。
 9首めの下句「奇跡を待つが今朝も起きない」で「起きない」の主語は「奇跡」で、「待つ」の主語「私は」と入れ違っているので分かりにくく、ボツとした。あと幾ヶ所か。
Mさんの11首より。
 1首めの3句「実をこぼし」を「実をこぼす」と一旦区切り、主語の違う下句へ繋げるよう、僕が奨めた。
 8首めの下句「笹の葉群れを朝光
(あさかげ)射せり」を「笹の葉群に朝光が射す」とするよう、僕が奨めた。あと幾ヶ所か。

 お互いの歌稿の検討を了え、僕の今期1ヶ月の120首余のプリントを渡した。またタブレットを持って行ったので、僕のKDP本、小説「底流」のお披露目をした。
 次回の日程を決め、11時半頃に散会した。
0-01
写真ACより、「カーメンテナンス」のイラスト1枚。


わたくし率 イン歯ー、または世界 (2)
 川上未映子の講談社文庫より、「わたくし率 イン 歯ー、または世界」、「感じる専門家 採用試験」を読み了える。
 同・本の入手は、今年4月29日の記事、(同)をローソン店で受け取るにアップした。
概要
 2編の初出など、リンク記事に書いたので、ご参照ください。
 川上未映子(かわかみ・みえこ、1976年・生)が、大阪の高校卒業後、弟の大学資金を稼ぐため、本屋のアルバイトとクラブのホステスをしながら、なぜ「早稲田文学」に伝手ができたのか、わからない。のちに上京して、歌手活動をしたから、優れた才能はどこかで見出だされ開花するのかも知れない。
「わたくし率 イン 歯ー、または世界」

 自分の本質は脳でなく、奥歯にあると信じる女性が、歯科助手に就職し、お腹の子や同僚に宛てて手紙を書く。子の父親の「青木」の部屋を久しぶりに訪うと、別の女がおり、放り出されてしまう。
 本質が奥歯にあると信じたのは、少女時代に苛めを受ける苦しさから考え出されたらしい。川端康成「雪国」の冒頭に主語がないテーマも、その時の自己抹消の方法からである。
 結局「青木」の部屋の玄関から追い出され、過去も妊娠もあやふやとなって結末する。
「感じる専門家 採用試験」
 前作よりも約半年、早く発表された。
 ずいぶん詩的な表現が多いことと、大阪弁の文体が、印象に残る。「徹底的な後悔も、徹底的であるなんて、あれはそれで美しかったね」の1語が刺さる。
 彼女は詩の才能があり、詩集で第14回・中原中也賞を受賞している。最近でも詩から小説に移って成功する、それも女性がいるんだ、と驚く。


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