短歌結社「覇王樹社」代表・編集発行人の佐田公子さんが、同人になって間もない僕に、第5歌集「夢さへ蒼し」を贈ってくださった。入院中のベッドの上で読み了える。
受贈は、今月17日の記事、届いた3冊を紹介する(9)にアップした。
上リンクには、第4歌集「さくら逆巻く」へのリンクが貼ってある。

2020年12月28日、いりの舎・刊。2011年3月~2016年末までの458首、著者・あとがきを収める。2017年に亡くされた長男さん、2018年に亡くされたご夫君・佐田毅氏(前代表)の思い出は表されても、挽歌を含まない。次歌集に収められるだろう。
2011年3月11日の東北大震災を詠み(自身も1部被災した)、深夜の執筆に菩薩めく自身を、激務だった娘さんの恋、結婚を詠む。入院中の息子さんとの面会、病臥のご夫君を詠む。医大の動物慰霊祭の珍しい歌、人の深傷に思いを寄せる歌がある。
題名は「いづこからくる哀しみか やまとうた 二上山の夢さへ蒼し」より採られた。
昨年の全国大会で、皆さんとお会いしたが、佐田公子さんは小柄ながら豊頬で優しく、芯のある方だった。入会する時より、優しいメールを頂いてもいた。
以下に7首を引く。
「覇王樹」の再校ゲラを握り締め机に潜り生き抜かんとす
地下五階のボタンを押せばマイナスをプラスに換ふるごとき錯覚
カレーパン食してもよしと許可下りぬ恥ぢらひ食ぶる面会の吾子
いつもより饒舌となる母と子らさくら弁当にさくらが舞へり
さみどりの橡の葉擦れにわたくしを探してといふ声の聞こゆる
会ひたしと思ふ心の募りくる入院の君に二日会はねば
傷深く秘め持つらんか桜木は冬の闇夜にただ黙すのみ


受贈は、今月17日の記事、届いた3冊を紹介する(9)にアップした。
上リンクには、第4歌集「さくら逆巻く」へのリンクが貼ってある。

2020年12月28日、いりの舎・刊。2011年3月~2016年末までの458首、著者・あとがきを収める。2017年に亡くされた長男さん、2018年に亡くされたご夫君・佐田毅氏(前代表)の思い出は表されても、挽歌を含まない。次歌集に収められるだろう。
2011年3月11日の東北大震災を詠み(自身も1部被災した)、深夜の執筆に菩薩めく自身を、激務だった娘さんの恋、結婚を詠む。入院中の息子さんとの面会、病臥のご夫君を詠む。医大の動物慰霊祭の珍しい歌、人の深傷に思いを寄せる歌がある。
題名は「いづこからくる哀しみか やまとうた 二上山の夢さへ蒼し」より採られた。
昨年の全国大会で、皆さんとお会いしたが、佐田公子さんは小柄ながら豊頬で優しく、芯のある方だった。入会する時より、優しいメールを頂いてもいた。
以下に7首を引く。
「覇王樹」の再校ゲラを握り締め机に潜り生き抜かんとす
地下五階のボタンを押せばマイナスをプラスに換ふるごとき錯覚
カレーパン食してもよしと許可下りぬ恥ぢらひ食ぶる面会の吾子
いつもより饒舌となる母と子らさくら弁当にさくらが舞へり
さみどりの橡の葉擦れにわたくしを探してといふ声の聞こゆる
会ひたしと思ふ心の募りくる入院の君に二日会はねば
傷深く秘め持つらんか桜木は冬の闇夜にただ黙すのみ

