風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

作家

わたくし率 イン歯ー、または世界 (2)
 今日2回目の記事更新です。
 先日にメルカリへ360ポイントで注文した、川上未映子「わたくし率 イン 歯ー、または世界」を、今日(4月29日)午後、ローソン某店で受け取った。
 ローソンでの受け取りにも慣れて、昨日記事の川上未映子「きみは赤ちゃん」の受け取り伝票は店員さんに代行で出してもらったが、今回はほぼ自力で伝票を機械から引き出せた。
 この講談社文庫(2010年・刊、定価:381円+税)には、小説「わたくし率 イン歯ー、または世界」と、短編「感じる専門家 採用試験」を収める。
 「感じる専門家 採用試験」は初出が「早稲田文学」2006年11月号である。「わたくし率 イン 歯ー、または世界」の初出が「早稲田文学0」2007年5月30日・刊である。この小説が第137回・芥川賞・候補になり、第1回・早稲田大学坪内逍遥大賞・奨励賞を受賞して、作家としてデビューした。
 僕は川上未映子の熱心な読者ではないが、メルカリ・ポイントが少し溜まると、無駄な本を買いそうで、ある程度の好みの本を注文した。


パヴェーゼ「流刑」
 パヴェーゼ(イタリアの作家、1908年~1950年)の小説、「流刑」(岩波文庫、2012年2月16日・刊)を読み了える。
 旧ブログ「サスケの本棚」で調べると(管理画面でのみ検索可能)、2012年2月22日の記事に購入を挙げてある。
 他に岩波文庫「故郷」(2003年6月13日・刊)と、集英社版・世界の文学14「パヴェーゼ」(1976年5月20日・刊、「流刑地」を含め、「美しい夏」、「月とかがり火」、他を収める)を持っている。
 2012年・当時、岩波書店書店より「パヴェーゼ文学集成」(全6巻)が刊行されていた。
 パヴェーゼの作品を読むのは、今回が初めてである。
概要
 「流刑」は、パヴェーゼの第1長編小説である。
 反ファシズム運動に関わり、イタリア南部の海岸の村に流刑(流謫)となった、現実には7ヶ月ほどの小屋暮らしを描いている。
 村人は警戒しつつ優しく、恋人を得る幸運もあった。
 戦後、パヴェーゼは詩人・作家として活躍したが、1950年、42歳の若さで自殺してしまった。僕は原因を知らない。
感想

 1970年前後、パヴェーゼは学生の間に人気があった。
 ある先輩は、「僕たちもパヴェーゼやポール・ニザンを読むようになるのか」と、嘆くように語ったものだ。
 訳者・河島英昭は、イタリア文学の名翻訳者で、「ウンガレッティ全詩集」、「クァジーモド全詩集」(いずれも筑摩書房・刊、未読)等の翻訳もある。
 関係詞につながる長文、詩的な表現もそのまま、翻訳されている。
 「流刑」を読み了えて、今の自分が流刑に遭っているような気がする。次男ながら、出身地の町に住み、軟禁されてはいない。しかし40年の囚役(ほとんど肉体労働だった)からは解放されたが、日中は一人でいる事が多く、毎日のように文学を語り合う友はいない。応接室を訪れる友も今はいない。
 会合で文学の友と語り、ネットで交流を続けるのみである。
 この流刑のような生活にも、職をリタイアした身は、慣れてきたようだ。




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 最近に入手した4冊を報せる。
 
同(1)は、今年8月10日の記事にアップした。
 まず服部真里子の第2歌集「遠くの敵や硝子を」。2018年10月19日、書肆侃侃房・刊。
 価格:2,268円。Amazonで予約募集中からほしかった本を、11月4日に注文し、5日に届いた。
 第1歌集「行け広野へと」に好感を持ち、前・ブログ「サスケの本棚」の2015年4月6日の記事(購入は3月31日)にアップしたが、名前を間違えるなど、ここにリンクしたくない。
國森春野 いちまいの羊歯

 國森晴野・歌集「いちまいの羊歯」。書肆侃侃房より。
 kindle版:2017年4月27日・刊、800円。

岡野大嗣 サイレンと犀
 岡野大嗣・歌集「サイレンと犀」。
 単行本:2014年12月15日・刊、1、836円。
 kindle版:2016年6月4日・刊、800円。
 上記2冊の歌集は、書肆侃侃房「新鋭短歌シリーズ」の内で、kindle unlimited版を、11月4日にタブレットへダウンロードした。

幸田玲 再会
 大山賢太郎氏が配信の「本の棚」に、幸田玲の小説「再会」のkindle本が0円で出ていたので、11月5日にダウンロードした。35ページ。
 幸田玲のkinndle本
「月曜日の夜に」の感想を、先の9月4日の記事にアップした。
 彼女はインディーズ作家として活躍していて、僕も応援したい。




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 カレル・チャペックの戯曲「ロボット」を読み了える。
 同じ作者の小説「山椒魚戦争」(岩波文庫)、童話集「長い長いお医者さんの話」(岩波少年文庫)が蔵書にあるので、それらを楽しみとしたい。
概要
 カレル・チャペック(1890年~1938年)はチェコスロバキア(現・チェコ)のジャーナリスト、作家である。
 岩波文庫、2005年・14刷。千野栄一・訳。
 原著は、1920年・刊。
 人間より優秀で強力なロボットを作り出し、社長夫人の願いで博士がロボットに心を与える。当然のようにロボットは団結して人類に反抗し、わずかな人類を残して抹殺する。しかしロボットは約20年間で駄目になるため、ロボットは(また社長夫人が、発明者の手稿を燃やしてしまったので)製造会社で唯一の残った人間、建築士・アルクビストにロボット製造法を再現させようとするが成功しない。
感想
 人間より強力な機械はあり、人間より早く正確に計算するコンピューターはあった。しかしコンピューターがチェス、将棋、囲碁で人間より強くなり、プロ棋士でさえコンピューターに学ぶようになると、価値観が変化する。囲碁ソフト同士が対戦を繰り返し、更に学習して強くなる現在である。
 今より100年近く前、今に近い状態(電子機器の発達によって)のロボットを想定し得た事は、作家の頭脳が優れていたのだ。
 人間を補助するための電子機器なら良いが、連結して反抗を始める時が来るかと、怖れる者の僕は一人である。
 この戯曲は長編で、上演に適しているかどうか判らない。僕の読むところ、人類が滅びロボットも滅ぶ、暗黒物語である。



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