風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

個人詩誌

 A・幸代さんの個人詩誌「野ゆき」vol.10を読み了える。
 入手は、今月15日の記事、入手した4冊を紹介する(6)にアップした。リンクより、当ブログを開始した2016年の、同・vol.7まで遡り得る。




IMG_20191214_0002
 詩誌「野ゆき」は年刊を守って、10年になる。粘り強い着実な歩みである。その間に詩集の発行を挟んでいる。

 「野ゆき」は毎号、5編の短めの詩を載せるようだ。今号には、「でんわ」「ある時」「ひきだし」「空から」「尻尾」を収める。
 職業上の児童との関わりから生まれた、「でんわ」「ある時」は、児童の心を思い遣り、自省している。
 「ひきだし」は、終活?でひきだし1つの整理も進まない様を、「思い出の海におぼれて沈みそうだ」と嘆く。
 「尻尾」では、人間に尻尾があったなら、心を装っていても尻尾が正直に示すだろうかと、内省的である。
 「空から」では、50数年前の旧友を思い遣っている。僕も二十歳頃までの旧友や恩師を偲ぶ時がある。以下に全編を引く。作者のご諒解を得てある。


  空から

空からくるもの
みんな好き
そう豪語する友がいた
雨が降り出すと
傘も持たずにとびだしてゆく
あたりを歩き回って
濡れた制服で戻ってくる
みんなの呆れ顔など気にもしない
雪も大好き
雷も窓辺で空を見上げる

私も空はよく見上げるが
彼女の真似はしなかった
あれから五十数年
今どうしているのだろう




 最近に入手した、4冊の本を紹介する。
IMG_20191214_0001
 12月10日(記事は12月11日付け)の、和田たんぽぽ読書会の12月例会のおり、TRさんより、文集「えがりて」第33号を頂いた。別の読書会の、年刊文集のようだ。内容はわりあい硬派である。

IMG_20191214_0002
 市内にお住まいの詩人、A・幸代さんが、年末恒例の個人詩誌「野ゆき」のvol.10を送ってくださった。2019年冬・刊。発行を始めて10年と、感慨がある。
 同・vol.9を読む、は昨年12月17日の記事にアップした。

 
 vol.10は短詩5編を収める。年末になると、彼女の「野ゆき」が届くのを待つ僕である。

IMG_20191214_0003
 本阿弥書店より、定期購読の総合歌誌「歌壇」2020年1月号が届いた。2020年表記の最初の本である。ただし手帳は、2020年版の2019年12月欄を使っているけれども。
家庭サスペンス vol.20
 マンガ誌「家庭サスペンス」vol.20を、Amazonよりタブレットにダウンロードした。特集は「職場のヤバい女」である。全8編を収める。2019年12月11日・刊。Kindle価格:550円。
 ブログなどでお世話になっている暁龍さんの作品、「うちの職場にはお局様がいる」を含む。
 既に記事アップしたvol.17に比べて高価なので、他の作品も読んでみようと思う。


 

野ゆきNo.9

 昨日に到着を報せた2冊の内、A・幸代さんの個人詩誌「野ゆき」vol.9を読み了える。
 同・vol.8の感想は、昨年12月20日の記事にアップした。
 県内には他に、個人詩誌を知らない。1年に1冊のペースだから、9年目になり、息の長い活動を続けている。
 誠実で、実務にもたけた方である。

 12行までの短い詩を、1ページ1編ずつ、5編を載せている。
 表情は明るく見せているが、口調は暗い。「三枚目」では「娘なのにとんだ三枚目だと」、「山道」では「山道はたのしい」と書く。
 しかし「まだ生きている」では「長い鎌を持った黒い影の/気配はいつもするが」と書き、「身代わり」では「身代わりになってくれたのは蛾」と書き、「髪」では「髪を切ると少し不安になる」と始まる。
 この口調の暗さは、彼女の老いや個人事情のみに因る事ではないと思う。
 戦後民主主義教育を受けた者は、今の社会情勢に、心苦しさを共有するだろう。

 冒頭の詩「まだ生きている」より、初めの2連を引用する。
  まだ生きている
    A・幸代


つらいときにはつらいと
うんとじたばたしたから
いま生きている

愚痴を聞いてくれる友がいて
うなずきあって
いま生きている
  (後略)


野ゆきNo.9

 最近に届いた2冊を紹介する。
 先日、県内の詩人、A・幸代さんが個人詩誌「野ゆき vol.9」を贈ってくださった。年1回の発行のようだ。
 vol.8は昨年12月19日の記事、
「届いた2冊とUSBメモリ」にアップしている。なおその時のもう1冊は、綜合歌誌「歌壇」2018年1月号である。
 年末のプレゼントはお歳暮みたいだが、お歳暮など貰った事のない僕は、早いクリスマス・プレゼントと(信仰はないが)受け取っておこう。短詩を1ページに1編で、5編を収める。

歌壇1月号
 綜合歌誌「歌壇」2019年1月号が12月14日に届いた。抱き合わせ販売にしたAmazonを諦め、出版社の本阿弥書店より、直接送って貰うようにした。送料無料。
 2019年と打ち込んで、急に心が慌しい。

 なお記事題の(4)は、(2)~(4)は順番付いているが、単に「届いた2冊」と題した記事がその前に6編あるので、このブログの正式な順次を表わしていない。
 2冊とも、読み了えたなら、ここで紹介したい。


IMG
 昨日に紹介した2冊の内、A・幸代さんの個人詩誌、「野ゆき」vol.8を読み了える。
 
同・vol.7は、昨年10月21日の記事にアップした。
概要
 自身が年1回くらいの発行、と話していた。他に福井県詩人懇話会・刊の年刊アンソロジー「詩集ふくい」に発表の場がある。
 この詩誌は、2017年冬・と記されて発行されている。
 「ありがとう」、「ひっくり返る」、「雀」、「落ち葉」、「遠い約束」の短い詩5編が、横長1ページに1編ずつ収められている。
感想
 彼女は僕より少し年上な、芯のしっかりした、誠実な方である。僕のように、いつまでもあちこち跳び回ってはいない。誠実さを表わそうとすると、自分の中の歪みを意識して、ためらったり、疑念を持ったりしてしまう。
 それを表わせるのは、彼女が大人なのだろう。その誠実さは、娘さんにも継がれて、詩「ありがとう」になっている。
 時事を思わせる「雀」、生を思う「落ち葉」、艶のある「遠い約束」、いずれも佳品である。
引用

 ユーモラスで、幸せそうな、「ひっくり返る」全編を引く。

  ひっくり返る

やんちゃなくせに
むくれてひっくり返る
取扱説明書が欲しいものだと
娘と話していた
敵もさるものひっかくもの
予約までして借りた本を
珍しく熱心に読んでいた
「かあちゃんトリセツ」
ひっくり返るのはこちらの方だ




IMG
 県内に在住の詩人、A・幸代さんが、個人詩誌「野ゆき」vol.8を、贈って下さった。
 昨年は、10月21日の記事で、
同・vol.7を紹介している。
 前言通り、年1回くらいの発行である。
 vol.8には、14行までの短詩、5編を収める。改めて紹介したい。

IMG_0001
 Amazonに予約注文してあった、綜合歌誌「歌壇」2018年1月号が届いた。「新春巻頭作品」8氏など、すでにおめでたい気分である。
 読み了えたなら、ここで紹介したい。

IMGIMG_0001
 Amazonに注文した、32GBのUSBメモリ、東芝3・0 SuperSpeedが届いた。
 上の写真の左が台紙(スキャンのため、本体を抜いてある)、右が本体である。
 パソコンの簡単なバックアップのために買い、すでに今月16日に操作し了えた。
 マイドキュメントはほぼ、題目別にUSBメモリに保存してある(ひんぱんに更新する)ので、「覇王樹」事務局とのメールの遣り取りのみ保存した。
 マイピクチュアは、ダウンロードしたイラスト多数など、枚数は記録し忘れたけれど、666MBを占めた。
 サイトの「お気に入り」と、メールの「アドレス帳」は、マニュアル本に従って、エクスポートした。
 総727MBで、もっと容量の小さなUSBメモリで良かったかも知れない。重要な記録(もう1本のバックアップ用USBメモリと、交互に使って行こうと思っている)なので、余裕のある方が良い。



 

IMG
 仙台市にお住まいの詩人・秋亜綺羅さんが、季刊個人詩誌「ココア共和国」vol.21を贈って下さった。
 先行する
同・vol.20は、昨年10月20日の記事にアップした。
 今号の表紙は、また多機能プリンタより、スキャンして取り込んだ。
 冒頭の招待作品、佐々木貴子の小詩集「学校の人」は、暗喩というより1つの象徴の世界を心の内に持って、外界と対峙している。
 形式は、1行34字で底を揃えた、20行ないし20数行の、散文詩である。生徒の「僕」や「わたし」が鬼を飼ったり、影がないので死んだ子の影を借りたり、人柱になったり、11編でシュールな世界を展開する。展開は悲劇的だが、それによってようやく外の世界から自分を守っている。
 橋本シオンの散文詩「わたしの国家」は「みんなが吐き出す死にたいという言葉で、とうきょうの空は真っ黒だ。」と始まり、藤川みちる「きみをさす」は「転がり落ちる心/きみは壊れてしまったんだ」と始まる。共に1990年前後生まれの作者で、現代の若者の生き辛さを描いているようだ。
 秋亜綺羅「黄色いバス」は「きみを待っているあいだに/核戦争がありまして」と始まり、核戦争後の世界を状況とともに心理の側から描いて、大震災後の世界をも捉えているようだ。
 秋亜綺羅の16編のエッセイ(副題「1200字のひとりごと」)は、政治や社会に対して大胆な提案をしている。


↑このページのトップヘ