風の庫

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個人詩誌

 A・幸代さんの年刊個人詩誌「野ゆき」vol.11を読み了える。
 到着は今月2日の記事、2冊と1紙が届く、にアップした。


 リンクより、過去号の記事へ遡れる。

「野ゆき」vol.11
 「野ゆき」vol.11の表紙である。発行者名は、ブランクにしてある。
 「返事して」、「満月」、「亀」、「焼き芋」、「友よ」の5編の短詩を収める。
 「返事して」は、見失ったメガネ、ケイタイ、鍵などが、呼んだら返事してくれる機能を備えるよう、願う内容である。ITの進歩で、実現しそうである。
 「友よ」は、10数年前に亡くなった、異性の友を偲ぶ。「私のほうが憎まれっ子だったか」ほか自省的である。優しく、清潔で、かつ行動力のある彼女の、1面が知られる。
 了解は得ていないけれど、「満月」という、全6行の作品を引く。

  満月
   A・幸代

あれまあ満月は
過ぎちまったのかえ
あんなに待ってたのに
しばらく雨続きだったから
仕方ないけど

空は薄情だよねえ

 満月は、人生の盛りを表すのだろうか。盛りの時期を、煙って過ぎた人を、憐れむのだろうか。僕の場合は大丈夫である。紙の詩集を最近出版していないが、ネットで活動し、Kindle本を何冊か出版し、次の目標も次の次の目標もある。
 11号に至る、着実な歩みを続ける年刊個人詩誌「野ゆき」の、次の号を待ちたい。

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 最近に手許に届いた、2冊と1紙を紹介する。
 3月29日(月曜日)に、結社歌誌「覇王樹」2021年4月号が届いた。
 同・3月号の感想は、先の3月27日にアップしたばかりである。


「覇王樹」4月号
 結社のホームページ「短歌の会 覇王樹」は、既に4月号仕様である。


 僕の歌「柚子シロップ」6首(無選)は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、3月31日の記事より、2回に分載した。横書きながら、ご覧ください。


 同日に、福井県詩人懇話会の会報104号が届いた。同・102号が、昨年3月28日に記事アップされている。103号は、アップを忘れたらしい。

会報
 104号の1ページめである。今さらながら、プライバシーと著作権の保護のため、1部を除いてモザイクを掛けてある。
 「ふくい詩祭2020」及び「第42回 会員の詩書を祝う会」の記事の、写真12枚はすべて(モノクロ化されているが)、新サスケこと僕の撮ったものである。

 詩人懇話会の仲間のA・幸代さんが、年刊個人詩誌「野ゆき」vol.11を送ってくださり、4月1日(木曜日)に届いた。
「野ゆき」vol.11

 同・vol.10は、1昨年12月19日の記事にアップした。

 いつも年末の発行なので、昨年末も待ったのだが届かなく、今年4月になって届いた。例年通り、短詩5編を収める。いつか感想をアップしたい。






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 A・幸代さんの個人詩誌「野ゆき」vol.10を読み了える。
 入手は、今月15日の記事、入手した4冊を紹介する(6)にアップした。リンクより、当ブログを開始した2016年の、同・vol.7まで遡り得る。




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 詩誌「野ゆき」は年刊を守って、10年になる。粘り強い着実な歩みである。その間に詩集の発行を挟んでいる。

 「野ゆき」は毎号、5編の短めの詩を載せるようだ。今号には、「でんわ」「ある時」「ひきだし」「空から」「尻尾」を収める。
 職業上の児童との関わりから生まれた、「でんわ」「ある時」は、児童の心を思い遣り、自省している。
 「ひきだし」は、終活?でひきだし1つの整理も進まない様を、「思い出の海におぼれて沈みそうだ」と嘆く。
 「尻尾」では、人間に尻尾があったなら、心を装っていても尻尾が正直に示すだろうかと、内省的である。
 「空から」では、50数年前の旧友を思い遣っている。僕も二十歳頃までの旧友や恩師を偲ぶ時がある。以下に全編を引く。作者のご諒解を得てある。


  空から

空からくるもの
みんな好き
そう豪語する友がいた
雨が降り出すと
傘も持たずにとびだしてゆく
あたりを歩き回って
濡れた制服で戻ってくる
みんなの呆れ顔など気にもしない
雪も大好き
雷も窓辺で空を見上げる

私も空はよく見上げるが
彼女の真似はしなかった
あれから五十数年
今どうしているのだろう




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 最近に入手した、4冊の本を紹介する。
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 12月10日(記事は12月11日付け)の、和田たんぽぽ読書会の12月例会のおり、TRさんより、文集「えがりて」第33号を頂いた。別の読書会の、年刊文集のようだ。内容はわりあい硬派である。

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 市内にお住まいの詩人、A・幸代さんが、年末恒例の個人詩誌「野ゆき」のvol.10を送ってくださった。2019年冬・刊。発行を始めて10年と、感慨がある。
 同・vol.9を読む、は昨年12月17日の記事にアップした。

 
 vol.10は短詩5編を収める。年末になると、彼女の「野ゆき」が届くのを待つ僕である。

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 本阿弥書店より、定期購読の総合歌誌「歌壇」2020年1月号が届いた。2020年表記の最初の本である。ただし手帳は、2020年版の2019年12月欄を使っているけれども。
家庭サスペンス vol.20
 マンガ誌「家庭サスペンス」vol.20を、Amazonよりタブレットにダウンロードした。特集は「職場のヤバい女」である。全8編を収める。2019年12月11日・刊。Kindle価格:550円。
 ブログなどでお世話になっている暁龍さんの作品、「うちの職場にはお局様がいる」を含む。
 既に記事アップしたvol.17に比べて高価なので、他の作品も読んでみようと思う。


 
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野ゆきNo.9

 昨日に到着を報せた2冊の内、A・幸代さんの個人詩誌「野ゆき」vol.9を読み了える。
 同・vol.8の感想は、昨年12月20日の記事にアップした。
 県内には他に、個人詩誌を知らない。1年に1冊のペースだから、9年目になり、息の長い活動を続けている。
 誠実で、実務にもたけた方である。

 12行までの短い詩を、1ページ1編ずつ、5編を載せている。
 表情は明るく見せているが、口調は暗い。「三枚目」では「娘なのにとんだ三枚目だと」、「山道」では「山道はたのしい」と書く。
 しかし「まだ生きている」では「長い鎌を持った黒い影の/気配はいつもするが」と書き、「身代わり」では「身代わりになってくれたのは蛾」と書き、「髪」では「髪を切ると少し不安になる」と始まる。
 この口調の暗さは、彼女の老いや個人事情のみに因る事ではないと思う。
 戦後民主主義教育を受けた者は、今の社会情勢に、心苦しさを共有するだろう。

 冒頭の詩「まだ生きている」より、初めの2連を引用する。
  まだ生きている
    A・幸代


つらいときにはつらいと
うんとじたばたしたから
いま生きている

愚痴を聞いてくれる友がいて
うなずきあって
いま生きている
  (後略)


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野ゆきNo.9

 最近に届いた2冊を紹介する。
 先日、県内の詩人、A・幸代さんが個人詩誌「野ゆき vol.9」を贈ってくださった。年1回の発行のようだ。
 vol.8は昨年12月19日の記事、
「届いた2冊とUSBメモリ」にアップしている。なおその時のもう1冊は、綜合歌誌「歌壇」2018年1月号である。
 年末のプレゼントはお歳暮みたいだが、お歳暮など貰った事のない僕は、早いクリスマス・プレゼントと(信仰はないが)受け取っておこう。短詩を1ページに1編で、5編を収める。

歌壇1月号
 綜合歌誌「歌壇」2019年1月号が12月14日に届いた。抱き合わせ販売にしたAmazonを諦め、出版社の本阿弥書店より、直接送って貰うようにした。送料無料。
 2019年と打ち込んで、急に心が慌しい。

 なお記事題の(4)は、(2)~(4)は順番付いているが、単に「届いた2冊」と題した記事がその前に6編あるので、このブログの正式な順次を表わしていない。
 2冊とも、読み了えたなら、ここで紹介したい。


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 昨日に紹介した2冊の内、A・幸代さんの個人詩誌、「野ゆき」vol.8を読み了える。
 
同・vol.7は、昨年10月21日の記事にアップした。
概要
 自身が年1回くらいの発行、と話していた。他に福井県詩人懇話会・刊の年刊アンソロジー「詩集ふくい」に発表の場がある。
 この詩誌は、2017年冬・と記されて発行されている。
 「ありがとう」、「ひっくり返る」、「雀」、「落ち葉」、「遠い約束」の短い詩5編が、横長1ページに1編ずつ収められている。
感想
 彼女は僕より少し年上な、芯のしっかりした、誠実な方である。僕のように、いつまでもあちこち跳び回ってはいない。誠実さを表わそうとすると、自分の中の歪みを意識して、ためらったり、疑念を持ったりしてしまう。
 それを表わせるのは、彼女が大人なのだろう。その誠実さは、娘さんにも継がれて、詩「ありがとう」になっている。
 時事を思わせる「雀」、生を思う「落ち葉」、艶のある「遠い約束」、いずれも佳品である。
引用

 ユーモラスで、幸せそうな、「ひっくり返る」全編を引く。

  ひっくり返る

やんちゃなくせに
むくれてひっくり返る
取扱説明書が欲しいものだと
娘と話していた
敵もさるものひっかくもの
予約までして借りた本を
珍しく熱心に読んでいた
「かあちゃんトリセツ」
ひっくり返るのはこちらの方だ




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