先の4月15日の記事、入手した3冊を紹介する(8)で報せた内、Kindle版「室生犀星作品集」より、「抒情小曲集」を読み了える。

この作品集の作品の順番は、分類別でなく、題名のあいうえお順なので、独特である。室生犀星の詩集は、古い岩波文庫(1965年・12刷、自選)しか持っていないので、新しく多くの詩に出会える。
「抒情小曲集」は、「愛の詩集」に次ぐ第2詩集(同年に刊行された)である。
94編の短詩を集めている。白秋、朔太郎、自分、他の序文が長い。
「特つた」(持った?)、「青さ波」(青き波?)、「葱はおとろゆ」(衰ふ?)等の、誤りと見られる箇所がある。
「みやこへ」(7行)には、「けさから飯も食べずに/青い顔してわがうたふ」のフレーズがあり、生死を賭けた、飯よりも詩が好きな例の、詩である。
3部の内の第2部に移ると、5音句・7音句が多くなり、「時無草」のような冷たい抒情が見られる。
第3部の「街にて」では、「…服は泥をもて汚され/…/れいらくの汚なき姿をうつす/…/血みどろに惨としてわれ歩む」と困窮の様を描いた。
小説家へ移行して成功するまで、当時の多くの若者詩人の一人だったのだろう。



この作品集の作品の順番は、分類別でなく、題名のあいうえお順なので、独特である。室生犀星の詩集は、古い岩波文庫(1965年・12刷、自選)しか持っていないので、新しく多くの詩に出会える。
「抒情小曲集」は、「愛の詩集」に次ぐ第2詩集(同年に刊行された)である。
94編の短詩を集めている。白秋、朔太郎、自分、他の序文が長い。
「特つた」(持った?)、「青さ波」(青き波?)、「葱はおとろゆ」(衰ふ?)等の、誤りと見られる箇所がある。
「みやこへ」(7行)には、「けさから飯も食べずに/青い顔してわがうたふ」のフレーズがあり、生死を賭けた、飯よりも詩が好きな例の、詩である。
3部の内の第2部に移ると、5音句・7音句が多くなり、「時無草」のような冷たい抒情が見られる。
第3部の「街にて」では、「…服は泥をもて汚され/…/れいらくの汚なき姿をうつす/…/血みどろに惨としてわれ歩む」と困窮の様を描いた。
小説家へ移行して成功するまで、当時の多くの若者詩人の一人だったのだろう。

