岩波文庫の一茶「七番日記」(上)より、6回めの紹介をする。
 同(5)は、今月5日の記事にアップした。




 今回は、文化10年正月~6月まで、320ページ~386ページ、67ページを読んだ。
 この正月、継母弟との遺産分割の和解成立、田畑・山林・家屋敷を得て、北信に定住した。その安住を窺わせる句がある。これまでにも、帰郷の折に巡回し、門人を得ており、江戸仕込みの宗匠として活躍できた。門人には有力者や素封家が多く、生活できた。
 岩波文庫では、見開き2ページの左端に語注欄があり、読み進めやすい。

 以下に5句を引く。
かすむ日や飴屋がうらのばせを
(芭蕉)
(わが)蒔いた種をやれやれけさの露
笠き
(着)るや桜さく日を吉日(きちにち)
赤犬の欠
(あくび)の先やかきつばた
青空はいく日ぶりぞ蟬の鳴
(なく)

ヒグラシ
写真ACより、「ヒグラシ」の写真1枚。