「歌壇」8月号
 今月14日の記事、届いた2冊(8)で紹介した内、綜合歌誌「歌壇」2019年8月号を、短歌作品中心に読み了える。
 同・7月号の感想は、今月5日の記事にアップした。リンクより、関連過去記事へ遡れる。
概要
 2019年8月1日付け、本阿弥書店・刊。169ページ。定価:800円(税込み)。定価の維持には感服する。
 短歌は1ページ1段、散文は1ページ2段となっている。
感想

 特集は、「第一歌集の批評会の思い出」である。当時は、とても厳しい批評が出たと読んでいる。
 僕は歌集を持っていないけれども、5冊の詩集を出しており、福井県詩人懇話会の合同批評会を設けてもらった事がある。そのおり、内容と関わりなく酷評する詩人がいて、険悪な関係となった。詩人懇話会でも「詩集批評会」から「詩集を祝う会」と名前を替え、著者へのインタビュアーのインタビューが主となって、酷評は収まっているかの感がある。酷評は、何らかのコンプレックスを背後に持つようだ。
 「作品7首」の中に、僕が属する「覇王樹」の金澤憲仁さんの「令和元年の相双にて」7首が載っている。小歌誌に拠る歌人の歌を取り上げることは、歌壇のまた「歌壇」誌の希望である。
引用
 その「令和元年の相双にて」7首より、1首を引く。
バリケードに塞がるる家つらなるを帰還困難区域へ見過ぐ
 福島原発事故の現状を、弛みなく、リアルに詠んでいる。