先の6月28日の記事「入手した3冊を紹介」で報せた内、早坂類・歌集「ヘヴンリー・ブルー」を読み了える。
概要
2002年7月29日、オンデマンド版・刊。
2014年12月20日、kindle版・刊。1,177円。
早坂類(はやさか・るい)は、1959年・生。
この前に歌集「まぼろしの庭」があり、小説「ルピナス」「睡蓮」、詩集7冊がある。
歌集「ヘヴンリー・ブルー」は入交佐妃(いりまじり・さき)の写真とのコラボレーションである。
引用と感想
行分かち書きなどの試みは良いのだが、どうも破壊的なのと反りが合わず、苦情っぽくなった。16年も前の歌集に、説教ぽくなっても、仕方がないのだが。
ハイライトとメモの機能が利いたので、その記録に拠る。
三月の三日月なにもなしえない道のはたてのそらの切り傷
挫折後の痛み、閉塞感だろうか。
満ちてくる光の中で口ごもるなにかさびしいきみのひとこと
良いシーンだが、「さびしい」と書いてしまっては惜しい。
均されてしまった土の中に尖った小石が混じっている すこし輝く
尖っていたい年齢、世代なのだろう。
まっすぐにまっすぐにゆけ/この夏の終わりの道を/たったひとつの
青春の一途さは、挫折した時が怖い。
そのままに/そのままに/ただそのままに/僕らの生をいまそのままに
現状保持の感情だろうか。繰り返しは試みだろうが、成功していると言いがたい。
壊れてよ もっと壊れて どこまでも壊れ果ててよ 解体屋です
破壊ではなく、形成する事が大事と、僕は思っている。
此の中に在るものはただ単に愛といいます それ以外無い
愛を口実に、壊してはいけない。