風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

同人詩誌

 5月末となり、5月の人気記事を振り返る。人気記事は、ブログのマイページのアクセス解析より、すぐにわかる。

 第3位は、16日の記事、結社歌誌「覇王樹」5月号を読む、だった。

 他の結社にはないと思われる、「覇王樹」の特徴を明かした事が良かったのだろうか。代表の佐田氏もメールで、指摘された。

 2位は、11日の記事、総合歌誌「歌壇」5月号を読む、だった。

 歌壇の閉鎖性を示した点が、良かったのだろうか。読者のターゲットを歌人に絞ってもいないのだが。

 1位は2位と同点で、17日の記事、届いた2冊を紹介する(22)だった。

 同人詩誌「果実」84号と、総合歌誌「歌壇」6月号の、到着を報せた記事だった。
 詩と短歌の関係者が多かったのだろうか。

 なおこの人気記事ランキングは、日毎のpv数とは別である。
6 (4)
 写真ACより、「ビジネス」のイラスト1枚。





このエントリーをはてなブックマークに追加

 T・篤朗さんが贈ってくださった、同人詩誌「果実」84号を読み了える。
 到着は、今月17日の記事にアップした。


 先行する同・83号の感想は、昨年11月9日の記事にアップした。

 リンクより、旧号の感想へ遡り得る。

「果実」84号
 84号は、60周年記念号である。まずは詩誌の長命を寿ぐ。県内の詩誌として、先日の福井新聞で大きく取り上げられた。同人詩誌「木立ち」の代表だった故・広部英一さんは、同人誌が長く続けば良いものではない、と強く仰っていたけれども。

 「果実」84号には、9名10編の詩と、巻頭言を含め10名12編の記念号の感慨が載る。
 K・不二夫さんの「空虚を抱きしめる」では、「眼光の鋭さが失われ/顔に浮かぶしわが増えている」、また「伴侶が傍らにいないとなると/…」と、妻の居ない生活で、「切に心の底から淋しい」と老境を綴る。
 F・則行さんの「結婚」では結婚の実相の機微を描いて、機知がある。
 O・雅彦さんは、東京在住の詩人だけれども、「ゆき」を「ゆきの時間が/うつくしく/流れている」と、福井県を何度も訪れてのイメージで締めている。
 T・篤朗さんの「竹田の絵が手に入った」は、無名画家の秀作に誰かが竹田の偽名を入れた偽物と知りながら、無名画家の境地を楽しんでいる。
 同・83号の感想が同人のお目に入ったか(T・篤朗さんはこのブログを読んでくださり、声を掛けてくださる)、84号の詩は正当である。
 散文は、「果実の会」内外に向けての寿ぎであり、論ずる事はない。





このエントリーをはてなブックマークに追加

 今日2回めの記事更新です。
 昨日に続き、同人詩誌「青魚」より、僕のソネットの4番め、仕舞いの作を載せます。


  
バナーが消えた
    新サスケ

ブログ記事にアップするため
海河童さんの写真集Kindle版を
観ようと頼りのタブレットを開くと
Amazon Kindleのバナーがない

これは困った
何かでアプリを削除したかと
Amazonから ダウンロードを
試みるがうまくゆかない

アプリはタブレットにあるのに
表示されないかと
「追加」を調べるとアプリはあり

追加するとAmazon Kindleのバナーが
元の位置に示された
保存していたKindle本も健在だった

タブレット
 写真ACより、「タブレット端末」のイラスト1枚。




このエントリーをはてなブックマークに追加

 今日2回めの記事更新です。
 昨日に続き、同人詩誌「青魚」No.94より、僕のソネットの3編めを紹介します。


  
ぼける
    新サスケ

秋に入って 毎夜の風呂湯は
僕が溜める 先に入る
さて体を洗いおえて
髪を洗った覚えがない

いつも洗髪は 浴槽につかって
頭をつき出して洗うのだが
今夜はそれを済ませたか
覚えていない

髪に手をやって
洗ったことにする
もう一度 湯に浸る

髪をタオルで拭いて
濡れ方は洗ったらしい
こほこほと妻が咳をしている

バスルーム
 写真ACより、「バスルーム」のイラスト1枚。





このエントリーをはてなブックマークに追加

 先の4月28日に受け取りを報告した、同人詩誌「青魚」No.94を、ほぼ読み了える。

 リンクより、旧号の感想へ遡り得る。

「青魚」No.94
 僕やT・幸男さんには、詩を書き続けて来た悲しみ(有名になれなかった事を含めて)がある。
 それにして、年齢的には先輩のM・幸雄さんの「夜のカフェ・テラス」には、迫力がある。ゴッホの同題の絵の感想だが、その描き方の特色を、縷々述べていて、感動の様が伝わる。
 僕のソネットは、短歌に似て、連の割れ方跨り方の違和感、ボケぶり、老いてのネットのミスを描くばかりである。
 T・幸男さんの「腐葉土」「款冬花」「東盛庵」の3編は、老いての(居残り鴨)の心境を表す。
 年を重ねてから詩作を始めた同人がいる。少年少女の詩も、成年の詩とは乖離があると考える。老年で初めても、園芸や手芸と違うから、詩作を軽く考えないでほしい。生活の孫や家事や庭を、ただ描いてもそれだけである。事実とは違う真実(平穏の裏の悲しみ、など)を、むしろ事実と真実の間を潜り抜ける(いわゆる虚実皮膜論とも違う)境地を、僕も目指したい。
 巻末の2編の長文は、回想と自己弁護に思われる。





このエントリーをはてなブックマークに追加

 今日2回めの記事更新です。
 昨日に続き、同人詩誌「青魚」No.94より、ソネット「殺虫剤撒き」をアップします。


  
殺虫剤撒き
    新サスケ


午後一時四十分 クーラーの効いた部屋を出て
殺虫剤オルトランを撒くことにする
計画実行症である
算段は組んである

予備の眼鏡をかけ
腕時計は外しておく
おぞい方の長靴を履き
使い捨てのビニール手袋をはめる

封を切り 殺虫剤を撒く
庭の木槿の株を中心に
鉢植えの百合にも少し

十分くらいしか経っていない
シャワーを浴びていると雨の音がする
薬剤が地に沁みて すぐ効くだろう

黄ユリ
 写真ACより、黄百合のイラスト1枚。




    

このエントリーをはてなブックマークに追加

 今日2回めの記事更新です。
 先の4月28日に到着を報せた同人詩誌、「青魚」No.94の僕のソネット4編より、「落ち葉と除草剤」をアップする。


  
落ち葉と除草剤
    新サスケ

広い庭がある
花木の落葉樹が多いが
落ち葉はいっさい掃かない
敷き道の落葉は

傍らの株元へ寄せる
庭は虫の天国
蛇もカナヘビもいた
除草剤を撒くと

地中の虫、菌がほとんど滅ぶ
土が荒れてゆく
草の相は変わるが

虫は戻ってこない
蚯蚓、土竜が消えた
団子虫、螻蛄も消えた

モグラ

写真ACより、「モグラ」のイラスト1枚。





このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ