風の庫

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否定

 「日本詩人会議」の県内詩誌「水脈」60号を読む。
 到着は先の6月17日の記事にアップした。


 リンクより、旧号の感想へ遡れる。


水脈70号
 30周年記念号であり、70号の節目でもある。前・代表のI・信夫さんの巻頭詩「胎動」より始まる。県詩人懇話会・代表の祝辞、招待詩3編と続く。
 会員の詩、歴史を辿る「水脈三〇周年を迎えて」4編、随筆4編、N・えりさんの小説2編、記録の「窓」3編へと繋がって行く。
 N・としこさんの回想に依ると、1991年1月30日、4人でスタート(全17ページ)したという。今は亡くなられた方を含めて、関わった人は多く、ページ数も70号で93ページに及ぶ。
 彼らは自分たちの主義主張が、なぜ世に容れられないか、考えるだろう。思想は生き方となり、思想の否定は生涯の否定となり、それこそ容れられないだろうが。
 メンバーは、不幸な幼少期から、現役時代は教師や小出版社社主、ある会社の取締役など、小市民として成功した人が多い。グループは、同好会を越え、外に発信するなら、今のグループ状態に安定してはいけないだろう。


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 岩波文庫のヒポクラテス「古い医術について 他八篇」より、5回めの紹介をする。
 同(4)は、今月2日の記事にアップした。リンクより、過去記事へ遡れる。


 今回は、「人間の自然性について」全15節、99ページ~114ページの16ページを読んだ。
 第1節では、哲学者の観念論で「人間は空気である」、あるいは「人間は火、水、土、他・明白でないところのものである」との論を一蹴した。第2節では、医者の1部の抽象論「人間は血液である、胆汁である、粘液である」との論を否定し、「身体には多くのものがある」と正論を書きながら、それら相互の加熱・冷却、乾湿が諸々の病気を生む、と誤謬に陥る。
 第4節では、人間は血液、粘液、黄および黒の胆汁を持っており、それらが調和すれば健康で、それらが本性のままでないならば病苦を病むと、怪しげな見解である。
 第9節で、伝染病の空気感染(新型コロナなど、飛沫感染である)と、飲食(飲用水を含む)による伝染を、細菌・ウィルスを知らないながら、指摘している。
 第11節で、人体に四対の脉管がある、との正確でない論を展開する。
 第15節では、発熱はたいてい胆汁からおこる、と誤りから論じている。

 机上の論より、病人の病状の観察より治療法を選ぶべきだ、としたのは画期的な事だった。
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写真ACより、「ガーデニング」のイラスト1枚。


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