岩波文庫の一茶「七番日記」(下)より、2回めの紹介をする。
 同(1)は、先の10月29日の記事にアップした。


 

 今回は、文化11年7月~12月、63ページ~109ページ、47ページを読んだ。ただし文化12年7月分の書き込み、22句が12月分の後に入れられている。

 田畑を持った故だろう、畠の句や案山子を吟じた連作がある。有力者・素封家の招きが多かったか、河豚を食べる句も多い。
 年尾976句と記され多産である。凡354日、在庵77日とも記され、多忙だった事が知られる。

 以下に5句を引く。
痩畠
(やせはた)もそれ相応に秋の露
膝節
(ひざぶし)の古びも行(ゆく)か秋の風
(あり)たけの力出してや秋の蟬
浄ルリの兵
(つはもの)どもや鰒汁(ふくとじる)
我程は寒さまけせぬ菜畠(なばた)
案山子
写真ACより、「カカシ」のイラスト1枚。