北斎漫画 3 (2)
 青幻舎の文庫版「北斎漫画」(全3巻)の、第3巻「奇想天外」に入り、「序 北斎先生に学ぶ」を経て、第1章「狂態百出」を見了える。
 先行する第2巻第4章「天地造化」は、今月10日の記事にアップした。リンクより、過去記事へ遡り得る。

 
 初めの写真は、第3巻の表紙だが、第1、2巻と共に、好みが良くないようだ。

 「狂態百出」は、81ページに渉る。招福、奇譚、逸話、お伽話を画題とする。
 読み取れた画題では、「笑門に福来る」(正字、変体仮名を用いるので、読み取りにくい題がある)の福神、浦島太郎、祝言の能「翁」に現れる三玉の亀と翁・媼(見開き2ページ)などから始まる。
 龍、鳳凰の想像の図、僧・道鏡に逆らった和気清麻呂の図(知らない事は、ネットでググると、たいてい判る)、力持ちたちの図、義経・弁慶・富樫の勧進帳の図、樊噲などの古代中国の人物、戯れる僧たち、金太郎、桃太郎、源頼朝・頼家に仕えた仁田四郎の猪に跨った逸話、達磨・寒山拾得・鍾馗の図、孟宗たち古代中国の人物24図(1ページ6人)などが描かれる。芦屋道満・安倍晴明の「易術を競ふ」は、迫力がある。
 孫悟空、千人切り、怪力の女性2図、柿本貴僧正(ググると、弘法大師の10大弟子の1人らしい)2図、神農、清玄法師堕落、等が読み取れる。
 92ページに、「豊年」と題して、笠と蓑をまとった女性に小判が乱れ降る図で、めでたく仕舞っている。
 描き継がれた題に創意を加えて、漫画群を成している。