風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

女優

 吉田篤弘・月舟町三部作より、第1作「つむじ風食堂の夜」を読み了える。
 入手は今月15日の記事、入手した5冊を紹介する(7)で報せた。


 リンクより、連作第2作の「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の感想へ、遡れる。

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)
吉田 篤弘
筑摩書房
2005-11-01



 月舟町の食堂(店主はフランスで修行した事があるが、今は安食堂を営んでいる)、つむじ風食堂(元は名無しだが、客が自然にそう呼ぶようになった)の常連客、先生と呼ばれる私(降雨の研究を目指すが、今は売文に追われている)、帽子屋の桜田さん、果物屋の青年、古本屋の親方、売れない女優・奈々津たちの物語である。侘しい街の住人ながら、サラリーマンは一人も現れない。
 善良な人々だが、悪意ある人々に追いやられたような、生活を送っている。私は昔、戯曲を書いた事があるから、女優・奈々津に台本を書くよう頼まれ、「ね?わたしを助けてやってください。女優・奈々津を女にしてください」とまで言わせながら、煮えきらない程である。
 ノスタルジックな、ファンタジーめいた小説である。村上春樹もファンタジックな小説を描くけれども、彼には社会性があり、悪への反撃を含む。読み了えて、ああ良い小説だったなあ、で済んでしまっては、読み捨てられる可能性が大である。



01 (2)
 写真ACより、鉢植えのイラスト1枚。
このエントリーをはてなブックマークに追加

 今日2回めの記事更新です。
 1997年のNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」を、もう1度観たいと、長く念願して来た。ノベライズの本も、脚本の文庫本も入手したが、映像には敵わない。
 全体編が、DVDで刊行された事は知っている。しかし今は廃盤であり、中古品にはプレミアムが付いて、手を出せない。
 あるブログで、「おしん」全編をNHKオンデマンド配信で観たとの記事があり、そこで「ふたりっ子」も観られるかと、ログインしてみた。総集編しか配信していなかった。DVDを発売しており、その客に損をした思いをさせられない、等の理由があるのだろう。
 「ふたりっ子」は当時、大ヒットし、主人公の香子役に倣って、将棋道場(教室)には子供たちがあふれたと読んだ。藤井聡太7段ブームに先立って、マンガ・ブームもあったかと思うが、将棋ブームの波は起こっている。


 4回各1時間の総集編を観たけれども、多く僕の記憶にない場面だった。記憶の場面も多く省かれていた。しかしストーリーは分かり、当時よくわからなった場面を意味深く見られる所もあった。なにしろ当時、テレビの通常放送では観られず、土曜日に喫茶店の小さなテレビで、1週まとめ編にかじりついていたのだから。
 初め双子の子役が、ピンクレディーを真似て歌い踊る場面が可愛かった。子役から大人役に移るシーンも観られた。
 しまい、飛龍のタイトルを取った香子が、元・夫(棋士)と語り合う場面も、詳しく聞き取れた。再婚はしないが、寄り添って生きると決意する場面は爽やかである。脚本家の大石静が、サルトル・ボーヴォワール夫妻に憧れた世代だったかも知れない。
 香子役の女優さんが、すっかり綺麗になっている事も驚きだった。


 なお僕は、NHKオンデマンドの特選見放題パックで観たのだが、手違いで見逃し見放題パックも注文してしまった。キャンセルを申し込んだが、返答は、クリックの前に断り書きがある事、他の客との公平性から、キャンセルは出来ない、との事だった。NHKに神対応を求めても無理である。
 990円の2契約となったが、更に個別に観ると220円×4回で観られるのだった。割り損だが、懐かしいドラマを観られて良かった。5日くらいに渉った。
 僕はこの記事のアップ後、まだ余裕はあるが、見放題パックの契約を切る予定である。
0-95
写真ACより、「キッチン・グッズ」のイラスト1枚。



このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ