風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

女性

 今月1日の記事、届いた3誌で紹介した3冊の内、古城いつもさんより贈られた分厚い季刊文学誌「コールサック」97号、98号から、彼女の短歌連作のみを読む。
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 97号に「山嶺」20首を寄せる。
 「イエスの立ち位置」、「日曜のミサ」等の語句が現れ、幼い時かのキリスト教経験があるようだ。
 それだけの影響ではないだろうが、「分身できた」「もひとつの人格あらば迎えんよ」など、心理的危機を感じさせる。
 98号には、「少年シリウス」20首を寄せる。
 大人の女性の少年愛を詠むようだ。初めの1首と、しまいの1首によって、全体が仮構であることを示す。97号にも1部、そのような歌があった。
 僕も季刊同人歌誌「棧橋」に参加した時期があって、12首あるいは24首の連作を載せてもらったが、1番の恩恵は、父と母への挽歌の連作をまとめて発表できたことだ。
 最近に義母(妻の母)を亡くし、幾首かの挽歌を詠んだが、まとめて発表する場がなく、残念である。
 古城いつもさんの贈呈に添えた手紙には、ご療養中とある。早いご快復を願っている。



 福井県俳句作家協会の年刊句集「福井県 第55集」より、2回目の紹介をする。
 
同・(1)は、先の4月22日の記事にアップした。
 今回は、32ページより61ページまで30ページ、60名の600句を読み了えた。
 役員と名誉会員・参与を除く一般会員の句欄は、福井地区(福井市・吉田郡)、坂井地区(坂井市・あわら市)など、8つの地区に分け、地区内でほぼ所属ごとに分けて、氏名のアイウエオ順に並ぶ。表記などに混乱がなくて、読みやすいようだ。
 このアンソロジー句集への400余名の参加は、県の詩の「詩集ふくい」、短歌の「福井短歌」の参加者の数を、遥かに越えている。
 俳句の国際化を背景に、俳壇の競争・団結があるのだろう。勢いのある所、量の増大とともに、質の向上がある。
 今回に、僕が付箋を貼ったのは、次の3句。
 N・陽子さんの「卆業」10句より。
黒板に卒業までの日数入れ
 O・紀子さんの「吾亦紅」10句より。
昼休み群れて何処かへ新社員
 O・友江さんの「天気占ひ」10句より。
炎昼に豆腐屋得意先回る
 3名とも、女性の俳人となってしまった。
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写真ACより、フラワーアレンジメントの1枚。


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 集英社オレンジ文庫の、青木祐子の小説「これは経費で落ちません!」を読みおえる。
 購入は、昨年11月3日の記事、
「文庫本2冊」にアップした。
 2016年5月・1刷、同・9月・5刷。他に「風呂ソムリエ」、「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」シリーズ、「幸せ戦争」他がある。
 主人公・森若沙名子は、天天コーポレーション(石鹸や化粧品を作る所から発展し、入浴剤等も作る)に入社5年めの経理部員である。
 周囲で意図的に、天然で、様々策動するのに、「イーブンという言葉が好きである。…差し引きゼロ。すべてにおいてどちらの負担にもならないこと。」を信条とする、仕事にも人間関係にもクールな女性である。
 それなのに1部の人たちから、とても好かれる。営業部の山田太陽に押しきられるように、交際が始まりそうなところで、ほぼ終わる。
 発行された2016年5月、イギリスのEU離脱はないだろう、さらにアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントン氏が圧倒的に優勢と、国の女性首長がリードして、進歩主義が続き得るだろう、という期待の中にあった。
 その成り行きの中で、この小説は書かれ、読まれたのだろう。今、そういう幻想はない。
 一旦お蔵入りさせて本を読むと、このような感興を得る事もある。


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