風の庫

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娘さん

 吉本ばななの短編小説集「デッドエンドの思い出」を読み了える。
 到着は今月20日の記事、届いた2冊を紹介する(18)で報せた。




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 リンクでは、ブログ開始の2016年9月より載っていないと書いたけれども、2007年4月開始の旧ブログ「サスケの本棚」にも載っていないので、13年以上ぶりの吉本ばななの本である。

 「デッドエンドの思い出」は、文春文庫、2007年4刷。「幽霊の家」「『おかあさーん』」「あったかくなんかない」「ともちゃんのしあわせ」「デッドエンドの思い出」、5編を収める。
 娘さんが障害を越えて、恋人と結ばれるストーリーが多い。恋人の8年間のフランス留学、毒物カレー事件、好きな中年男性に恋人がいた、などをクリアして結ばれる。
 「あったかくなんかない」では、幼い仲良しの男児が無理心中に巻き込まれて亡くなるけれども、幸せだった時を回想して結末となる。表題作「デッドエンドの思い出」は失恋物語だけれど、周囲に親切にされて、爽やかな光景で括られている。
 発表後の反響は良く、大きな展開があったと、文庫版あとがきに書かれている。


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 今月1日の記事、届いた3誌で報せた内、初めに置いた結社歌誌「覇王樹」2019年7月号を、短歌作品中心に読み了える。リンク記事には、先月号の感想など、3つへのリンクが張ってあるので、ご覧ください。
概要
 来年の100周年記念事業について、来年8月・刊の記念号の内容など、詰めが始まっている。
 「文月10首詠」4名は揃ったが、「力詠15首」2名分は、予定通りお休みである。
感想

 3首に寸感を付して、感想としたい。
 M・理加さんの「けもの」6首より。
平成のゴミと失意を少しだけ令和の朝に一人捨てゆく
 平成から令和へ元号が移っても、生活と心情は続いている、むしろ負を捨てると、否定的な歌のようにも受け取れる。
 O・孝一さんの「花の回廊」6首より。
この峠越えれば汽車の走る街胸弾ませし尋三の春(昭和6年頃の回想)
 「尋三」とは、尋常〇〇三年生の事らしい。尋常と付く学校は4種程あり、高等学校尋常科三年生というのもあり得る。ネット検索にも限界があって、事実はご当人をよく知る者にしかわからない。
 S・公子さんの「防虫剤」6首より。
大丈夫 わが両肩に止まりをるおんぶお化けは夫と息子
 昨年に息子さんと夫君を亡くされたS・編集人である。角川「短歌」3月号より転載された、「下弦の月」7首に拠れば、娘さんがおありのようで、天涯孤独ではないと、僕はやや安堵した。


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