これまでここで書かなかったが、短歌の仲間3名で、月2回の研究会を持って来た。
 僕と、年上の女性、Tさん、Mさんの3名である。誰がリーダーという事もない。
 月1回は、岩波文庫「宮柊二歌集」の読み込み。
 もう1回は、詠草を持ち寄っての勉強会である。
 それで今朝9時半、ある所に集まって、「宮柊二歌集」をテキストとしての、第8回を始めた。
 歌集「山西省」の昭和16年の項を読んだ。第二次大戦において、中国大陸での戦の間に詠まれた、374首よりの抄出である。
 初首を初め、激戦において冷静であると、Mさんが語った。短歌を詠んでいた所為もあるだろう。
 「新年(にひどし)の障子に貼りし魚花の図に夜ふけて赤き麻油の燈ともす」は、春聯の1種だろうと、僕が指摘した。
 「自爆せし敵のむくろの若かるを哀れみつつは振り返り見ず」の「哀れみつつ」が、戦地にあって人間性を保っていたことを示している。
 青滹沱河(せいこだが)が、次回の分の歌より、青い滹沱河の意と判った。
 「はるばると君送り来し折鶴を」等で「君」と呼ばれているのは、後の夫人、滝口英子と推測した。
 また昭和16年分末の「幾たびかあやぶみ思ふことひとつ清らに待ちて老いつつかゆかむ」の下句を、自分の事を詠んだと僕は思っていたが、Tさんより、母国で待つ滝口英子を詠んだ作と指摘され、僕も納得した。
 次回は昭和17年分を読む事にして、10時半過ぎに散会した。
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フリー素材サイト「Pixabay」より、リンゴの1枚。