風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

家庭

 三浦哲郎の短編小説集「冬の雁(がん)」を読み了える。
 三浦哲郎の作品では、昨年12月8日の記事にアップした、エッセイ集「おふくろの夜回り」以来である。



IMG_20200604_0001
 居間の文庫本棚より、読む本を探しているといると、三浦哲郎の「百日紅の咲かない夏」も目に留まったが、テーマが重く長編小説なので、後の機会に譲った。
 「冬の雁」を見てみると、短編小説集なので読むことにした。全17編。
 文春文庫、1989年1刷。古ぼけて、150円のブックオフの値札が貼ってある。本文までヤケていて、僕が喫煙時代(58歳まで)に買った本だろうか。

 初めの「花いちもんめ」は、養女と父親の、相愛的感情が描かれる。
 出身の青森県の方言が行き交う、逞しく生きる人々の物語がある。
 そして現在の、作家と家族の幸せな家庭も描かれる。
 故郷で、脳血栓で倒れ、病院に寝たきりの母親を、何度も見舞うストーリーもある。母親の死の物語は、どこかで読んだ記憶があるが、長い療養中の話は、この本が初めてではないだろうか。
 1族の暗い宿命のストーリーの1つとして「紺の角帯」は、40余年前、兄が失踪する前、恋人に残した一本の角帯を、その女性から贈られるストーリーである。

 エロス、ユーモア、シリアスと、読者をほろりと楽しませてくれる、名短編ばかりである。





このエントリーをはてなブックマークに追加

 山田詠美の短編小説集「風味絶佳」を読み了える。
 今月12日の記事、届いた3冊(5)で到着を報せた。

IMG_20190811_0001
概要
 単行本:2005年5月、文芸春秋社・刊。
 文春文庫:2008年5月・初刷。
 6編の短編小説を収める。「4U」の9編に比べて、1編が長めである。
感想
 「4U」などと共に、名短編集とWikipediaにあったから、取り寄せて読んだ。
 「4U」に比べて、暗いアンハッピーエンドな小説が多いようだ。
 「アトリエ」では、ゆんちゃん(裕二)あーちゃん(麻子)と睦み合う夫婦が、妊娠と共に妻の神経症に夫も巻き込まれてゆく。
 「風味絶佳」では、アメリカかぶれの祖母に見守られながら、青年が見事に恋人に振られる。
 「間食」では、年上の加代に世話される雄太が、恋人の花の妊娠を知った途端、花との連絡を切る、後味の悪さが残る。
 「春眠」では、想いを寄せた女性を実父に奪われる。
 男性主人公は、肉体労働者からみばかりだ。現場出身の僕として、本質を衝いていると言えない。
 作家は2006年に離婚していて、家庭の危機の反映と読むのは、あまりに俗だろうか。



このエントリーをはてなブックマークに追加

光る波
 このブログの運営者・新サスケ(ペンネームは柴田哲夫)の第5詩集「改訂版 ソネット詩集 光る波」kindle版の無料キャンペーンが、12月3日の予告の通り、12月5日17時より始まっています。
 定価540円(税込み)のところ、kindle unlimited会員でなくとも、kindle本を読める状態であれば、無料でお読みいただけます。
 17時には本を読んでいて見過ごしましたが、18時15分には開始を確認致しました。
 Amazonのkindle本コーナーで「ソネット 光る波」で検索してくださるか、右サイドバーの(スマホ版ではメッセージボード下の)詩集表紙のバナーをクリックしてくだされば、即で購入ページへ着けます。
 定年前後の生活を描いたkindle版詩集「日々のソネット」に先立つ、厳しい職場と、夫婦二人暮らしの家庭を描いた作品がおもの、「光る波」です。43編のソネット(おもに4連、14行の詩)を収めています。
 苦しんで勤めている方、ささやかな家庭を保っている方、それらに関心をお持ちの方に、お薦めです。
 無料キャンペーンの終了は、12月10日(月曜日)午後16時59分頃となっています。是非お求めください。


このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ