風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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家族

 三浦哲郎の長編小説「素顔」(講談社文庫、1980年・刊、346ページ)を読み了える。
 三浦哲郎の小説を読むのは、今年1月24日に記事アップした、「夜の哀しみ」(上下巻)以来である。


三浦哲郎「素顔」
 「素顔」は1度、読んだ事がある気がしたが、このブログでも、前のブログ「サスケの本棚」でも検索に引っ掛からないので、初めてだろう。冒頭部を何度も読んで、記憶に残ったのかも知れない。
 長編小説といっても、連作短編集に似て、12章より成っている。作家の馬淵、妻の菊枝、長女の珠子、次女の志穂、3女の七重、ブルドッグのカポネ、の1家に湧く騒動(いずれもハッピーエンドでおわる)を描く。長女が痴漢に遭いそうになったり、馬淵に助力を得たい文学青年に家の周りを徘徊されたり、郷里の同級生が亡くなって弔辞を読んだり、様々な事件が現れる。
 しかしこの中にも書かれているが、作家の2人の姉の自死、2人の兄の失踪は、背景にあり、それらの小事件が解決されてみれば、家族は(郷里の母を含め)平穏で幸福な生活と見える。
 三浦哲郎が最後まで、原稿用紙に万年筆で執筆したのかと思うと、僕にも感慨がある。


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a・一の鳥居c・二の鳥居
 5月2日の好天の朝、帰省の息子夫婦と共に、家族4人で地元観光に出掛けた。
 まず妻のみ行ったことのある、白山平泉寺へ、エクストレイルで。
 初めの写真は一の鳥居、次の写真は二の鳥居である。

b・参道を上る家族
 参道を上る、左より妻、息子、その妻である。
d・拝殿f・本社拝み所
 初めの写真は拝殿、次の写真は本社の参拝所。
h・三ノ宮e・斑ら陽の苔
 初めの写真は1番奥の、三の宮。次は、戻り道で撮った、はだれ日の苔原である。
i・永平寺・入口
 その後、永平寺へ向かう。沿道名物の団子を食べ、永平寺の入り口に行くが、中に入らず。
 昼食に、沿道の店で越前蕎麦を食べ、帰途へ。
 途中、アイスクリーム屋さんに寄ってそれぞれ食べ、羽二重餅の生産所と直売所を巡り、帰宅した。
 明日からまた、読書日記中心の記事に戻ります。



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 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第11巻(1982年・刊)より、8番めの句集、石川桂郎「含羞」を読みおえる。
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百合山羽公「故園」は、先の1月28日の記事にアップした。
 石川桂郎(いしかわ・けいろう、1909年~1975年)は、石田波郷「鶴」創刊号(1937年)より投句、1948年の波郷「馬酔木」復帰に伴って「馬酔木」同人。「俳句研究」「俳句」の編集長を経て、1964年より俳誌「風土」主宰。
 散文では横光利一に師事し、短編集「剃刀日記」他、俳人評伝「俳人風狂列伝」他がある。
 「含羞」は、1956年、琅玕洞・刊。1938年~1956年の、453句を収める。石田波郷・序、中村草田男・跋。
 貧困の中の家族を描いて、温かみのある秀作が多い、と思われる。
 以下にすべて戦後の作より、5句を引く。
栗飯を子が食ひ散らす散らさせよ
あまり寒く笑へば妻もわらふなり(一片の炭無し)
毛虫這ふごとき寡き銭(ぜに)渡す
芹摘む母もの濯ぐ妻晴れわたり
葛野萩薬餌提げ来て通ひ妻
040
写真ACより、チョコレートの1枚。多くの男性の意を表して。




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