風の庫

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小詩集

 筑摩書房の「ウンガレッティ全詩集」(河島英昭・訳、1988年・刊)より、詩集「散逸詩篇」を読み了える。
 先行する詩集「最後の日々」は、先の11月27日日の記事にアップした。




ウンガレッティ全詩集
 全詩集の函の表を再掲する。

 「散逸詩篇」は、1915年~1927年までに書かれながら、当時(1945年)までに詩集未収録の詩編を、デ・ロベルティスが纏め解説・異稿を付して、モンダドーリ社から刊行された。イタリアで最初の詩を発表してから、従軍、除隊、公務に就き、結婚、37歳に至るまでの小詩集(全詩集で25ページ)である。

 出身地・エジプトや若年時代の回想、レトリックを用い始めた習作詩編などである。年代と執筆場所を付記した詩も多い。

 このあと22ページに渉って晩年の詩論「詩の必要」が収められるが、自己弁護を出ないようなので、精読をしない。この後は訳注・年譜・解説である。これで全詩集1冊の仕舞いとしたい。


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 結社歌誌「覇王樹」の同人でもある古城いつもさんが贈ってくださった、季刊文学誌「コールサック」の95号、96号より、古城さんの短歌と詩、他少々を読む。
 受贈は、先の12月27日の記事
「届いた5冊」に報せた。その5冊の内、「富永太郎詩集」はしばらくお蔵入りの予定なので、感想を述べられる4冊は今回で了いとしたい。
95号より。
 圧倒的に詩の掲載が多い。384ページの内、短歌連作は6編、9ページを占めるのみである。
 表紙裏の「詩人のギャラリー」にCG画像と、詩を載せている。CGを扱える彼女だとは知らなかった。
 古城さんは、短歌では「ハロウィン・リース」20首を寄せている。女性の性をテーマとするようだ。しかし「ミスティ・アイ」の語意がわからない。広辞苑にもWikipedeiaにもない。「ミスティック」のネイティブ発音だろうか。
 IT関係、コミック関係の言葉が進み、僕にはわからない語が短歌にも出て来るようだ。辞書にある言葉だけで詩歌を書けとは言わない。先駆けであった、と言われる自信は持ってほしい。
 詩では小詩集「ビジネス・セッティング」の5編を寄せている。母親に愛されなかったという思いがあるのか、生活への異和感があるようだ。
96号より。
 古城さんは、短歌連作「3分セクレタリー」20首を載せている。2018年「覇王樹賞」受賞作である。キーワードの「セクレタリー」がよく判らない。カタカナ語辞典では「秘書、官庁の事務官」等とある。「郵便局職員は3分セクレタリー我の封書を通し微笑む」では、3分間だけの秘書だという比喩だろうか。1語ずつ理解して、連作、歌集を理解しようとする僕が、すでに古いのだろうか。悩ましい事である。

 付け加えるなら、希望にも終末観にも、慎重になってほしい。希望を持つ事は良いが、果されない場合があり、果されるとして1山も2山も越えなければならないのだ。
 終末による救済はない。個人でも、100歳前後まで生きねばならないのだ。


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