風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケは、2017年10月17日付けでのAmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)の発行に続き、第5詩集「改訂版 ソネット詩集 光る波」(縦書き)を、2018年5月31日、Kindleストアにて発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 2011年10月1日・刊の紙本「ソネット詩集 光る波」に、数十ヶ所の加筆をし、編集しました。
 販売ページは、Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 ソネット 光る波」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。右サイドバーのバナーよりも着けます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。

小説

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 蔵書の中の岩波文庫、室生犀星「或る少女の死まで 他二編」より、初めの作品「幼年時代」を読み了える。
 小説の読了は、先の7月16日の記事、
ドストエフスキー・短編「鰐」を読む以来である。
概要
 里子に出された少年だが、しばしば実家へ遊びに来ている。少年は乱暴者になるが、寺の子になって素行が収まる。慕っていた姉は、再婚してゆく。
 終行は「私の十三の冬はもう暮れかかっていた。」である。(岩波書店編集部において現代表記に改められた)。
感想
 この小説は、幼年時代の自伝のように見せながら、多くのフィクションを含む。
 室生犀星は私生児で、生まれてすぐ寺に引き取られた。実母の顔を知らないらしい。また同じように引き取られた姉(「私」はとても慕っていた)も再婚したのではなく、遊郭に売られたのだという。
 教師への恨みなど、私怨を晴らしているような面もある。
 これらを知ると、美しい文章ながら、同情心の感興はあまり湧かない。
 詩人として名を上げながら、小説家へ転換して成功する事は、島崎藤村の例もあるが、とても困難な道を成し遂げたものだ。


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 又吉直樹のベストセラー小説「火花」を読み了える。
 文庫本の小説として、今月10日の記事にアップした、
原田マハ「生きるぼくら」に次ぐ。
概要
 文春文庫、2017年3刷。
 メルカリでポイント300円分(送料込み)で購入した。表紙写真ではわからないかも知れないが、カバーはかなり痛み、本文の三角折れも何ヶ所かあった。
 でも「ブックオフ」で108円で売っているとしても、時間とガソリン代を考えたら、こちらが便利だろう。
感想
 僕は流行にあまり乗らない方で、様々な流行商品やベストセラー本を買わない(村上春樹を除く)。本なら文庫本になって、ブックオフで100円で売られるようになったら、買いましょうという意地悪い姿勢である。急いては事を仕損ずる。
 文庫本の古本は、安ければ(今回も高い値を付けた本が多かった)、状態はそんなに気にしない。全集類は別だが、Amazonのkindle本で極端に安く出たりして、その価値も変わっている。
 視点の「僕」はコンビ「スパークス」の「徳永」で、師匠にしたコンビ「あほんだら」の「神谷」の生き方を描く。
 「徳永」が芸人には居なさそうな良識派で白けるのと、「神谷」のように借金で破綻する男はかつて僕の周りにも何人もいた事で同情し得ない事が、興を盛り上げない。
 僕が感動したのは、「スパークス」の解散ライブの場面だけである。
 作者が、これからも小説を書き続ける事を、願っている。


生きるぼくら
 先の6月28日の記事、「入手した3冊を紹介」で報せた内、原田マハの小説「生きるぼくら」を読み了える。
概要
 徳間文庫、2016年6刷。423ページとやや長編である。
 単行本は、2012年9月、同社・刊。
 引き籠りになった「人生(じんせい、24歳)」が蓼科の「おばあちゃん(少し痴呆気味)」を訪ね、血の繋がらないもう一人の孫「つぼみ(21歳)」と共に3人で、周囲の応援をうけながら、米作り体験から、人生を回復する物語である。
 無農薬、無肥料、雑草も選んで抜く、自然農法で10アール(1反)のみの稲作である。
感想
 多くの苦節と回復を得、希望を持って生きる姿は感動的である。
 しかしこれに類した方法が、引き籠りより解放される、最善の方法かは判らない。
 500キロの米と、人生の派遣社員収入と、おばあちゃんの年金で、3人が生きてゆけるだろうか。人生の母を呼び寄せる方へ結末は向かっているが。
 1種のファンタジーとして読めば、感動的な小説である。




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 最近に入手した3冊を紹介する。

 まず6月25日、所属する結社の歌誌、「覇王樹」2018年7月号が届いた。
 7月1日付け、覇王樹社・刊。40ページ。

 僕の掲載6首(8首より選)他は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の
6月26日の記事より、順次掲載しているので、横書きながら是非ご覧ください。
早坂類 ヘブンリーブルー
 6月26日、AmazonのKindleストアより、早坂類・歌集「ヘヴンリー・ブルー」kindle unlimited版を、タブレットにダウンロードした。写真とのコラボらしい。

 紙本版:2002年・刊。
 kindle版:2014年12月20日・刊。1,177円。

生きるぼくら
 原田マハの小説「生きるぼくら」が、6月27日に届いた。
 徳間文庫、2016年5月10日・6刷。定価:690円+税。

 あるブログにこの本が紹介されて、すぐAmazonのマーケットプレイスへ注文した。
 後に注文がキャンセルされたが、別の店に再度注文して、入手した。
 予想より分厚く、423ページである。

 原田マハの作品は、印象の悪い1冊を読んでから、敬遠していた。この本は、感動的な小説のようだ。

 以上3冊、共に読み了えたなら、ここで紹介したい。


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 村松友視の小説、「時代屋の女房 怪談篇」を読み了える。
 先の5月17日の記事、
同・「海猫屋の客」を読む、に次ぐ。その記事の内に、「怪談篇」が文庫棚にある、と明記した。
 その事もあって、昭和の、大長編ではない、この小説を選んだ。
概要
 角川文庫、1989年・刊。
 初出は、「野性時代」1986年7月号。単行本は、1986年10月、角川書店・刊。
感想
 「時代屋」店主の安さんと事実婚の真弓が、島根県の出雲へ行くと告げて何度目かの家出をする。安さんと、喫茶店のマスターと、クリーニング屋の今井さんと3人で、真弓を追って出雲へ出掛け、ついには安さんと真弓が出会う。
 それまでに真弓が、正体不明の「男」(出て来るたびに「寂しさが…」云々と描かれる)と出会い、しばらく付き添う。
 安さんたち3人と、真弓たち2人が、出雲各地を巡るストーリーが続くのだが、観光地案内風な場面もある。観光地案内の文章を、そのまま引いた所もある。
 安さんと真弓が再会する所、「男」が実は真弓と出会う以前の日付で亡くなっていた事、ドラマ仕立ての定番的大団円である。
 村松友視も、編集者から、(好評だった)「時代屋の女房」シリーズの、続編を書くよう頼まれて、渋々書いたような気もする。
 僕が特に感心したのは、会話の中に、気象変化、原子炉火災、テロ続発、が取り上げられている部分である。30年以上前に、現在を予測したかのようだ。


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 稀にはバイオレンス物も良いだろう、と石田衣良(いしだ・いら)の小説集「少年計数機」を読む。
 文春文庫、2004年・13刷。
 僕はこれまで、5冊の石田衣良の文庫本を読んでおり、直近では旧ブログ「サスケの本棚」2016年8月7日の記事、
「池袋ウエストゲートパーク」がある。
 「少年計数機」は、「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ(10冊以上)の、2冊目である。
 「妖精の庭」、「少年計数機」、「銀十字」、「水のなかの目」の4作を収めるが、「水のなかの目」は終いを先に読んで、読む事を止めにした。
 「妖精の庭」は、ネット覗きシステムより、モデル「アスミ」のストーカーとなった32歳の男を、やっつける話である。
 「少年計数機」は、すべてを両手の計数機で数えずにいられない、10歳足らずの少年が、父の違う兄に誘拐される話である。二人の母親に頼まれた主人公マコトが、仲間と共に少年を救い出し、兄とその仲間を逃亡させる。
 「銀十字」では、70歳過ぎの男二人(ホーム住まい)が大活躍して、引ったくり二人組を捕まえ、更に更生させる。読者ターゲットに、老人を入れる狙いか。
 「水のなかの目」は、これまでと違って、主人公マコトが殺人を犯すようで、ストーリーも合わず、2、3ページで止しにした。

 解説の北上次郎が書いているが、脇役たちも鮮やかに描かれている。



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 2月1日に、2冊の本が届いた。
 まずAmazonより、高野公彦氏の歌集「無縫の海」(2016年5月、ふらんす堂・刊)。
 出版社「ふらんす堂」のホームページで、2015年、「歌日記」として毎日連載された。その記事を楽しみに毎日読むようにしたけれど、僕が忘れた歌があり、推敲された歌があるかも知れない。
 今になって購入したには、複雑な事情があるけれど、今は述べない。
 なお同・連載の2016年は栗木京子氏であり、今年は伊藤一彦氏である。
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 福井県・在住の詩人・小説家・評論家の定道明(さだ・みちあき)さんが、小説「風を入れる」を送って下さった。
 2017年2月1日、編集工房ノア・刊。
 同社よりの小説「杉堂通信」を、ブログ「サスケの本棚」で取り上げた事がある。
 いずれも読みおえたなら、ここで感想を述べたい。


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