風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

小説

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 最近に入手した、文庫本4冊、新書1冊、結社歌誌1誌を紹介する。
 上の岩波現代文庫・荒川洋治「詩とことば」(2016年6月・4刷)は、今月20日の記事、荒川洋治さん芸術院賞・恩賜賞祝賀会のおり、荒川さんの記念として配られた本である。
 2017年7月21日の記事、荒川洋治「詩とことば」で1度、感想を述べている。再読したい。

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 今村夏子の小説、「こちらあみ子」と「あひる」を、メルカリより買った。「こちらあみ子」で太宰治賞・三島由紀夫賞をW受賞し、4年11ヶ月の沈黙の後、「あひる」と「森の兄妹」を収めて2番めの文庫本が刊行され、今も新刊の出版は続いている。
 ブクログだったか読書メーターだったか、とても評価されていた。

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 久しぶりにリアル書店「KaBoSワッセ店」へ行き、未読の村上春樹・エッセイ集「村上ラヂオ3 サラダ好きのライオン」(新潮文庫)を買った。彼のエッセイは、滋養豊かなサラダのような、味わいがある。ドコモのdポイントを使える店だが、カードを忘れた。
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 NHK出版新書、松本博文「藤井聡太 天才はいかに生まれたか」を、メルカリで買った。将棋の藤井聡太は、卓球の張本智和と共に、天才少年として、注目している。藤井聡太・本は他にもあるので読みたい。
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 結社歌誌「覇王樹」2019年6月号が、5月25日に届いた。
 今年の全国大会、来年の100周年大会へ向けて、詳細が動き出している。
 僕の6首(8首より選)他は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の、5月26日・記事より少しずつ、順次アップしてゆくので、横書きながらご覧ください。

 タブレットにダウンロードした、kindle unlimited本・他、最近に入手した本は既に多く、古くからの蔵書も待っているが、機会を作り1冊ずつ読み進みたい。




パヴェーゼ「流刑」
 パヴェーゼ(イタリアの作家、1908年~1950年)の小説、「流刑」(岩波文庫、2012年2月16日・刊)を読み了える。
 旧ブログ「サスケの本棚」で調べると(管理画面でのみ検索可能)、2012年2月22日の記事に購入を挙げてある。
 他に岩波文庫「故郷」(2003年6月13日・刊)と、集英社版・世界の文学14「パヴェーゼ」(1976年5月20日・刊、「流刑地」を含め、「美しい夏」、「月とかがり火」、他を収める)を持っている。
 2012年・当時、岩波書店書店より「パヴェーゼ文学集成」(全6巻)が刊行されていた。
 パヴェーゼの作品を読むのは、今回が初めてである。
概要
 「流刑」は、パヴェーゼの第1長編小説である。
 反ファシズム運動に関わり、イタリア南部の海岸の村に流刑(流謫)となった、現実には7ヶ月ほどの小屋暮らしを描いている。
 村人は警戒しつつ優しく、恋人を得る幸運もあった。
 戦後、パヴェーゼは詩人・作家として活躍したが、1950年、42歳の若さで自殺してしまった。僕は原因を知らない。
感想

 1970年前後、パヴェーゼは学生の間に人気があった。
 ある先輩は、「僕たちもパヴェーゼやポール・ニザンを読むようになるのか」と、嘆くように語ったものだ。
 訳者・河島英昭は、イタリア文学の名翻訳者で、「ウンガレッティ全詩集」、「クァジーモド全詩集」(いずれも筑摩書房・刊、未読)等の翻訳もある。
 関係詞につながる長文、詩的な表現もそのまま、翻訳されている。
 「流刑」を読み了えて、今の自分が流刑に遭っているような気がする。次男ながら、出身地の町に住み、軟禁されてはいない。しかし40年の囚役(ほとんど肉体労働だった)からは解放されたが、日中は一人でいる事が多く、毎日のように文学を語り合う友はいない。応接室を訪れる友も今はいない。
 会合で文学の友と語り、ネットで交流を続けるのみである。
 この流刑のような生活にも、職をリタイアした身は、慣れてきたようだ。




堀江貴文 拝金
 堀江貴文の小説デビュー作、「拝金」kindle unlimited版を、タブレットで読み了える。
 今月7日の記事、同「成金」の先行作にあたる。
 「成金」の主人公・堀井健史が、今作の主人公・藤田優作のパトロン役らしいが、その繋がりはあまり意識しないで読んだ。
概要
 紙本版:2010年6月30日、徳間書店・刊。1,500円。159ページ。
 電子版:2013年6月1日・刊。463円。
感想

 フリーターの青年、藤田優作が、チーフディレクターこと堀井健史の指導によって、ゲーム制作から巨大IT企業、ネクサスドアの社長にまで登り詰める。隠れ家の銘店の味や、ヒルズ族のパーティーなども描かれる。
 しかしプロ野球球団のオーナーになろうとして失敗、ラジオ局を買収しようとして失敗。
 東京地検特捜部の強制捜査が会社に入って、主人公は入獄する羽目になる。
 この小説を作者は、「欲の世界を突き抜ける」感覚を共感してほしくて、書いたとする。
 作者が著作料で得るお金は、企業経営に比べてわずかだろう。
 投資した宇宙産業のロケット打ち上げも、2度失敗している。堀江貴文がライブドア時代のように、再び活躍できるかは不明だ。
 僕のような無名歌人兼詩人は、「清貧」とうそぶいている方が良さそうだ。




1昨日のブログ記事にアップした、ムスカリの花をInstagramにアップしました。
パソコンよりアップできました。





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パソコンよりの再投稿です。

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堀江貴文 成金
 今月2日に、Amazonよりタブレットにダウンロードした、堀江貴文の小説「成金」kindle unlimited版を読み了える。実は先行する小説「拝金」もダウンロードしたのだが、名前に気が引けた。
概要
 堀江貴文の本は、初めてである。たまたま小説がkindle unlimited版で出ていたので、読んでみた。
 紙本版:2011年2月28日、徳間書店・刊。1,210円。
 kindle unlimited版:2013年6月1日・刊。
 245ページと長編の小説である。
感想

 堀井健史が仲間と共にガレージ企業グループ「AKKA」を有望IT企業に育てるが、大企業LIGHT通信に乗っ取られる。その復讐として、堀井たちはLIGHT通信の影山を引退寸前にまで追い詰める。ハードバンクの朴が間に入り、3者和解が成立する。
 数百億円の資金を動かすとか、数兆円の資産とか、僕には驚く世界である。また富を集めるための、駆け引きも面白い。悪と憎悪にまみれる世界である。
 堀江貴文は小説においても才能を見せている。
 僕には才も年もなく、関わる世界ではない。
 僕はこれまで、生活ができて、アマチュア文学(ネットを含めて)を続けられれば、それ以上の富は要らない、と書いて来た。これまでの世界に籠っていたい。


 4回目のInstagramである。

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サザンカの赤花も咲いています。

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 山田詠美の小説「ラビット病」を読み了える。
 このブログ「風の庫」でも、それ以前のブログ「サスケの本棚」(2007年4月~2016年9月)でも、「山田詠美」で検索して、引っ掛かる記事がない。山田詠美の小説を、何冊か読んだのは、2007年4月以前か。
 この「ラビット病」をちら読みし、幸福ふわふわ感の小説に失望して、読むのを止めたのだった。
概要
 単行本は、1991年、新潮社・刊。
 新潮文庫は、1994年・刊。
 米軍在留軍人:ロバートと、遺産で裕福な娘:ゆりの、恋から結婚へ至る物語である。
 山田詠美は、1987年、在留軍人:ダグラスと結婚し、2006年に離婚した(Wikipediaより)。
 作者はあとがきで、「共通点は山程ある。…あくまでフィクションである。」と述べている。
感想
 幸せな結婚のおのろけのようで、僕は当時、あまり読みたくなかった。文庫本棚から抜き出して、軽めの本を読み通した。本は読めなくても処分しない方が良い。10余年後に読む事もあるのだから。
 性の修羅場を、幾つも通り抜けて来た作者だから、代償として幸せな結婚も好かろう、と今は思える。
 性と性格が合い、財政的に困らなくても、現実は甘くなく、約20年後に離婚している。国際結婚等に金属疲労が出たのだろうか。2011年、日本人と再婚した。
 これから、山田詠美の小説が手に入ったなら、読んでみたい。


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 蔵書の中の岩波文庫、室生犀星「或る少女の死まで 他二編」より、初めの作品「幼年時代」を読み了える。
 小説の読了は、先の7月16日の記事、
ドストエフスキー・短編「鰐」を読む以来である。
概要
 里子に出された少年だが、しばしば実家へ遊びに来ている。少年は乱暴者になるが、寺の子になって素行が収まる。慕っていた姉は、再婚してゆく。
 終行は「私の十三の冬はもう暮れかかっていた。」である。(岩波書店編集部において現代表記に改められた)。
感想
 この小説は、幼年時代の自伝のように見せながら、多くのフィクションを含む。
 室生犀星は私生児で、生まれてすぐ寺に引き取られた。実母の顔を知らないらしい。また同じように引き取られた姉(「私」はとても慕っていた)も再婚したのではなく、遊郭に売られたのだという。
 教師への恨みなど、私怨を晴らしているような面もある。
 これらを知ると、美しい文章ながら、同情心の感興はあまり湧かない。
 詩人として名を上げながら、小説家へ転換して成功する事は、島崎藤村の例もあるが、とても困難な道を成し遂げたものだ。


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 又吉直樹のベストセラー小説「火花」を読み了える。
 文庫本の小説として、今月10日の記事にアップした、
原田マハ「生きるぼくら」に次ぐ。
概要
 文春文庫、2017年3刷。
 メルカリでポイント300円分(送料込み)で購入した。表紙写真ではわからないかも知れないが、カバーはかなり痛み、本文の三角折れも何ヶ所かあった。
 でも「ブックオフ」で108円で売っているとしても、時間とガソリン代を考えたら、こちらが便利だろう。
感想
 僕は流行にあまり乗らない方で、様々な流行商品やベストセラー本を買わない(村上春樹を除く)。本なら文庫本になって、ブックオフで100円で売られるようになったら、買いましょうという意地悪い姿勢である。急いては事を仕損ずる。
 文庫本の古本は、安ければ(今回も高い値を付けた本が多かった)、状態はそんなに気にしない。全集類は別だが、Amazonのkindle本で極端に安く出たりして、その価値も変わっている。
 視点の「僕」はコンビ「スパークス」の「徳永」で、師匠にしたコンビ「あほんだら」の「神谷」の生き方を描く。
 「徳永」が芸人には居なさそうな良識派で白けるのと、「神谷」のように借金で破綻する男はかつて僕の周りにも何人もいた事で同情し得ない事が、興を盛り上げない。
 僕が感動したのは、「スパークス」の解散ライブの場面だけである。
 作者が、これからも小説を書き続ける事を、願っている。


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