風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケは、2017年10月17日付けでのAmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)の発行に続き、第5詩集「改訂版 ソネット詩集 光る波」(縦書き)を、2018年5月31日、Kindleストアにて発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 2011年10月1日・刊の紙本「ソネット詩集 光る波」に、数十ヶ所の加筆をし、編集しました。
 販売ページは、Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 ソネット 光る波」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。右サイドバーのバナーよりも着けます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。
 次回の無料キャンペーンを、9月初め頃に予定しています。

小説集

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 先の2月2日(金曜日)に、2冊の本が届いた。
 1冊は、郷土の文学者(詩、小説、評論を執筆)の定道明さんがご恵贈くださった、小説集「外出」である。
 2018年2月1日、編集工房ノア・刊。
 その前の
小説集「風を入れる」は、昨年2月12日の記事で紹介した。
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 もう1冊は、藤野早苗・歌集「王の夢」である。
 Amazonのマーケットプレイスで、ネットオフに注文していた本。
 娘さんが中学校で不登校になった(現在は大学で学んでいる)事からの回復を含めて、歌集に収載との事をブログかフェイスブックで知り、早速求めた。
 新本(2014年11月20日、本阿弥書店・刊)を求めるべき所を、Amazonに新本の在庫はなく、マーケットプレイスで古本を買うよりなかった。状態段階は「非常に良い」表示だったけれど、帯にイタミがあった。本文はきれいである。
 いずれも読み了えたなら、ここで紹介したい。




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 県内にお住まいの詩人・作家・評論家の定道明(さだ・みちあき)さんが送って下さった、小説集「風を入れる」を読みおえる。
 本の到着は、今月2日の記事、
「届いた2冊」で報せた。
 2017年2月1日、編集工房ノア・刊。
 定さんは、高校教師時代より、旺んな創作活動を続け、詩集「薄目」「糸切歯」「朝倉螢」他、小説集「立ち日」「鴨の話」「杉堂通信」他、中野重治・論「中野重治私記」「中野重治伝説」「中野重治近景」他を、上梓した。
 この本は、定さんが中心となる文学同人誌「青磁」に初出の、5編の短編小説集である。
 主人公は、三人称が多いながら心境小説に近く、定年後の余裕も鬱屈もある生活が描かれる。
 「黒壁夜色」は、車で夫婦が従兄の葬儀のため滋賀県長浜を訪い、前日に妻は娘と孫に逢い(「佐伯」は娘と義絶している)、佐伯は古物商を尋ねるが閉店しており、焼鳥屋で飲む羽目となる。
 「羽昨まで」は、羽昨を訪う話だが、ストーリーは50年以上前の60年安保の敗北とその後をいかに潜ったか、犠牲者の話も交えつつ語り、能登上布の制作展を観る現在に戻る。
 「風を入れる」は、「加納」が田舎にある先祖代々の家に、風を入れるために戻り、出会う人や過去を自在に語る。
 「和食堂柘植(つげ)」は、「私」が軽井沢の和食堂「柘植」のソムリエ・熊澤君と知り合い、何度めかの訪問と談話を果たす話である。小さな中古物件を欲しがって、タクシー運転手にまで窘められるサイドストーリーもある。
 「柿谷の場合」は、「柿谷」が定年後にキャンピングカーを買って旅に出たいとする話を初めと終わりに置き、同級生たちと焼鳥屋で飲む例会など、生活の陰翳が描かれる。
 大きな破綻のない生活を送って定年後を迎え、老いに入る男性の、心境が描かれている。


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 先の11月21日の記事(←リンクしてあり)で紹介した、「2016ふくい詩祭」(11月20日開催)のおり、前川幸雄さんより、このブログで紹介してくれるなら、という事で、彼と鄭建さんの翻訳した田恵剛・小説集「孤独なバラ」を、送って頂く約束をした。
 前川さんは、おもに漢文学を研究し、上越教育大学教授、福井大学教授等を、歴任した。
 また現代詩を創作・発表する傍ら、中国現代詩の邦訳の先駆けとなり、5冊の訳詩集(田恵剛・詩集「大地への恋」を含む)を発行した。現代中国の小説の翻訳・出版は、これが初めてである。
 共訳の鄭建さんは、1953年、上海生まれ、日本語を学んで日本語講師の資格を得、1991年~1993年、前川さんの指導を受けた。
 著者の田恵剛さんは、1944年・生、詩より始め、小説をも書いた。
 前川幸雄さんを中心とする出版が、商業ベースに乗らないで、続けられた事は貴重である。
 この小説集は、短編6編を収めており、今回僕が読んだのは、初めから2編、「除名された新鋭」「鳩笛は青空に響き渡る」である。
 「除名された新鋭」は、有望な女子水泳選手(17歳)が、上層部の不正に反発してチームを辞めさせられるが、希望の持てる結末を迎える。
 「鳩笛は青空に響き渡る」は、軍隊の療養所に配属された娘さん二人が、幹部指導員と対立しながら、やがて理解が始まる。
 内部対立を描きつつ、読者に希望を持たせるのは、公式的な終わらせ方故ではない、と信じたい。

 

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