風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年2月20日で以って、Kindle本・短編小説「底流」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「柴田哲夫 底流」と検索すれば、すぐに出て来ます。柴田哲夫は、Kindle版・詩集「詩集 日々のソネット」、「改訂版ソネット詩集 光る波」と同じく、僕のペンネームです。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

巻頭言

 11月16日の、第61回 覇王樹全国大会の席上で配られた、歌誌「覇王樹三重」No.125をほぼ読み了える。
 受贈は先の11月24日の記事、贈られた3冊にアップした。

 

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 「覇王樹三重」は、覇王樹の三重支社が発行する歌誌である。No.125は、2019年9月30日・刊。38ページ。
 故・N・志郎氏の巻頭言「牧水と山田など」、歌集未収の「橋田濤聲(東聲)の投稿歌十一首(「山鳩」所載)」に次ぎ、覇王樹賞受賞後作品として、K・恵美さんの「過ぎゆく日々」40首が置かれる。
 次いで橋本俊明氏の研究「坐忘居雑筆 「覇王樹」ゆかりの作家たち(32) 白瀧しほ―人と作品」が5ページに渉る。
 「作品」欄には、10名が数10首ずつ発表している。1ページ23首と、やや込み合っているのが惜しい。費用の面もあるだろうけれど、もう少し余裕がほしい。
 「サロン」と題するエッセイ欄には、9名が思い思いに綴っている。歌だけでなく、散文への欲求もあるのだろう。
 傍系誌のあるありがたさは、僕も季刊同人歌誌に父母の挽歌の連作を載せてもらって、よく知っている。
 「覇王樹三重」の編集発行人は、橋本俊明氏である。研究熱心な、爽やかな方との印象がある。


 以下に4首を引く。
 K・恵美さんの「過ぎゆく日々」より。
ときかけて一汁三菜の夕餉終う昨日もひとり明日もひとり
 O・孝一さんの「逆光」より。
逆光に車椅子押す介護士のシルエットを追ふわれは試歩行
 U・安世さんの「永らへて」より。
拳あげてオレンジ自由化反対を訴へたりしも遥かとなりぬ
 橋本俊明氏の「紅熟」より。
滝底を撃つ巌壁を水落ちて夏の那智滝男と思ふも


 県内の詩人、漢文学研究者の前川幸雄さんが下さった、文学総誌「縄文」第4号をほぼ読み了える。
 受贈は、先の9月29日の記事、入手した5冊(4)で紹介した。2019年8月30日、縄文の会・刊、22ページ。

d・文学総誌「縄文」第4号
 題字が替わり、前川さんの中国留学時代より交流がある、馬歌東氏の作の篆刻である。
 同・第3号の記事が、このブログに見つからないが、同・第2号は昨年4月5日の記事にアップした。



 前川さんの巻頭言「橋本左内と中国の文人たち」は、彼が最近多く研究している県内の漢詩に絡めて、450余首の漢詩を残した橋本左内の中国文献・思想の受容の研究が必要不可欠と説く。

 一般研究では、Y・信保さんの「ナマズの謎を追う(3)」が、「地震とナマズの結びつき」「水神としてのナマズ」「瓢鮎図考」(鮎はアユでなく、鯰のこと)等で、研究を進めている。

 前川さんの2つの講演の記録と、受講生の反応の文章が、B5判2段で5ページに渉る。
 
 Y・絹江さんの7言絶句「懐東篁師弟愛」(東篁の師弟愛を懐う)、「観国宝曜変天目茶盌」(国宝曜変天目茶盌を観る」を載せ、M・善男さんの7言絶句も紹介されている。

 T・義和さん、M・昌人さんの随想が各1ページ、Y・里奈さんの感想文「『田奇詩集』と『赤 私のカラー』の魅力」は、前川さんがかつて邦訳した現代中国詩集を2ページに渉って評した。

 人材、内容、共に力があり、各文にはモノクロ写真を付し、文学総合誌と呼んで良い豊かな雑誌である。




覇王樹4月号
 結社歌誌「覇王樹」2019年4月号を、ほぼ読み了える。
 到着は、先の3月27日の記事、同・4月号が届く、にアップした。
 リンクした記事の中のリンクより、過去号の感想、4月号の僕の歌6首・他、結社のホームページ「短歌の会 覇王樹」4月号版へ至れる。
概要
 概要は、3月号とほぼ同じなので、リンクを辿ってください。
 力詠15首が、指定された人の不都合か、通常2名のところ、今月号で1名である。
 また「受贈歌誌抄」は、2冊、各5首の紹介になっている。
 これまで書かなかったが、毎号、表紙裏には巻頭言、当誌5欄の1つずつに先々月号の作品批評欄がある(1欄1ページ)。また「私の選んだ十首」として先々月号の作品より、会員4名が10首ずつを挙げている(出稿自由、選択掲載)。
感想

 引用4首に添いつつ、感想を述べる。
 巻頭「八首抄」より、T・香澄さんの1首。
子の一人密かに離れゆく気配よいぞ綿毛がたんぽぽを去る
 親離れ、子離れの場である。歌意とは別に、2句から3句への句またがりに、微かな躊躇いがあるか。蒲公英は多年草と知り、ホッとする。
 「爽什」のK・南海子さんの「冬点描」6首より。
幾つもの日向のような記憶持ち吾の晩年少し彩る
 老年の幸せである。僕は幸せな記憶もあるが、辛い記憶が多過ぎるようだ。
 「游芸集」のM・睦子さんの「彷徨う日々に」6首より。
泣くほどの一つ一つはあらねども今宵の月に不意に泣きたし
 小さな幾つかの、あるいは薄く続いた、無念が作者にあるのだろう。
 「大翼集」のY・恵子さんの「初詣」6首より。
笠地蔵今は昔の話なり青きシャポーにケープ着こなす
 昔噺の「笠地蔵」にある地蔵様も、今はモダンな服装を贈られている。重ねたカタカナ語も新しい。




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 結社歌誌「覇王樹」2018年12月号を、ほぼ読み了える。
 
到着は今月2日の記事で報せた。リンクより、過去号の記事へ遡り得る。
概要
 2018年12月1日付け・刊。
 代表・発行人、佐田毅氏。編集人、佐田公子氏。
感想
 36ページの中に、社員の元気が漲っている。通常の歌ページでは、会員・準同人が8首出詠・6首掲載、同人が6首出詠・6首掲載と、同人誌に近い掲載方法にも因るのだろう。
 巻頭の8首抄、爽什6首×10名、師走10首詠×4名、力詠15首×2名、入門の覇王樹集、紅玉集にはそれぞれ1名の特選など、名誉ある欄があり、励みになる。
 またホームページには、今月の選歌1首30名があり、ネットを観る者にはとても励みになる。ホームページは毎月の更新が迅速で、通常ページも覇王樹・史、歌集・紹介など充実している。
 代表・発行人の今号の巻頭言では、今年の全国大会日が台風24号と重なり、参加者は多くなかったようだ。
 来年の大阪での全国大会には、是非参加したい。再来年の100周年記念全国大会は、東京で催されるだろうが、参加したい。僕のひどい地理オンチと方向オンチ、腰の弱りを越えて。



 

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