岩波文庫のリルケ「ドゥイノの悲歌」を読み了える。
購入は、先の9月30日の記事、岩波文庫2冊を買う、に報せた。
手塚富雄・訳注・解説。233ページ。訳詩は86ページまでで、それ以降は訳注と解説に当てられている。もっとも、そう多くは参照しなかった。
僕は「ドゥイノの悲歌」を、ほぼ理解したように思う。ただし訳詩の範囲で、である。
弥生書房の7冊本・全集でも、他の本でも解らなかった。翻訳は替わっていない。文庫本の余裕ある編集と、僕の境涯が変わった、2つのせいだろう。僕は7年前に再任用職を退職し、ネットと読書と創作の日々を送っている。
現職のあくせくとしていた頃は、この思索と詩作の詩人が解らなかった。日本の戦後詩人の多くは、サラリーマン生活を送るか、翻訳などの副業で、収入を得ていた。
霊感の嵐によって、「ドゥイノの悲歌」と「オルフォイスに寄せるソネット」が、数日の間に完成されたという伝説(書簡によると本当らしい)に恐れをなさなければ、この詩集は難解ではない。
冒頭の天使と美の同一視は、対象とその放つもの、と理解すれば良い。第十の悲歌に2度表れる「原苦」の語も、小池光・歌集「バルサの翼」の「生きて負ふ苦」や、「世界苦」という思想語に慣れていれば、感受できるだろう。
購入は、先の9月30日の記事、岩波文庫2冊を買う、に報せた。
手塚富雄・訳注・解説。233ページ。訳詩は86ページまでで、それ以降は訳注と解説に当てられている。もっとも、そう多くは参照しなかった。
僕は「ドゥイノの悲歌」を、ほぼ理解したように思う。ただし訳詩の範囲で、である。
弥生書房の7冊本・全集でも、他の本でも解らなかった。翻訳は替わっていない。文庫本の余裕ある編集と、僕の境涯が変わった、2つのせいだろう。僕は7年前に再任用職を退職し、ネットと読書と創作の日々を送っている。
現職のあくせくとしていた頃は、この思索と詩作の詩人が解らなかった。日本の戦後詩人の多くは、サラリーマン生活を送るか、翻訳などの副業で、収入を得ていた。
霊感の嵐によって、「ドゥイノの悲歌」と「オルフォイスに寄せるソネット」が、数日の間に完成されたという伝説(書簡によると本当らしい)に恐れをなさなければ、この詩集は難解ではない。
冒頭の天使と美の同一視は、対象とその放つもの、と理解すれば良い。第十の悲歌に2度表れる「原苦」の語も、小池光・歌集「バルサの翼」の「生きて負ふ苦」や、「世界苦」という思想語に慣れていれば、感受できるだろう。