風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

意気

 角川ソフィア文庫「西東三鬼全句集」より、第3句集「夜の桃」を読み了える。
 第2句集「空港」は、今月13日の記事にアップした。



 なお句集「夜の桃」について、前のブログ「サスケの本棚」の2013年8月16日の記事で、「増補 現代俳句大系」第7巻より取り上げている。


 「夜の桃」は、1950年、七洋社・刊。「空港」との間には、1945年の敗戦があり、1947年の現代俳句協会・創設、1948年の俳誌「天狼」(山口誓子・主宰)創刊などに、大きく寄与した。

 「夜の桃」は、戦前の50句、戦後の250句より成る。両者は、はっきり分けられている。
 戦後の句には、焦土と共に、再生への意気が読めるようだ。浮浪児も、貧しい享楽も、吟じられている。荒地の希望さえ、あるようだ。

 以下に5句を引く。
寒燈の一つ一つよ国敗れ
中年や独語おどろく冬の坂
おそるべき君等の乳房夏来
(きた)
甘藷
(いも)蒸して大いに啖ふクリスマス
断層の夜明けを蝶が這ひのぼる
0-18
写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。




 江國香織の小説2編を収めた新潮文庫、「こうばしい日々」を読み了える。1997年11刷。
 読み始めてすぐ、読んだことがあると気づき、今、前のブログ「サスケの本棚」を内部検索したところ、2008年12月27日の記事にアップしていた。


 12年近く前なので、発見がある。

こうばしい日々
 生まれるとすぐ、父母とアメリカに移ったダイ(大介)が、高校まで日本で卒業してアメリカの大学に進んだ姉、ガールフレンドのジル、先生のカークブライド、学校食堂のパーネルさん、姉のボーイフレンドのデイビッド、大学生の友人・ウィル(日本かぶれ)、父の同僚の島田さんたちと織りなす、アメリカ生活の秋から冬にかけての物語が「こうばしい日々」である。

 「綿菓子」は、女子中学生・みのりが、姉のかつての恋人・次郎に思いを寄せて、伝わる話である。姉とその夫は幸せだが、おばあちゃん、友人・みほは、事情を抱えている。「結婚じゃなく、はげしい恋に生きよう。」の1文があって、主人公と共に作者の意気を示すようだ。読者の男性にも女性にもサービスした、結末に至る。
 江國香織が後進の女性作家に拓いた道は測り知れない。


↑このページのトップヘ