句集を読むのは、今年6月6日に読了を記事アップした、角川ソフィア文庫「西東三鬼全句集」以来である。


七番日記(上)
 一茶の「七番日記」(上)は、岩波文庫、2003年・初版。長く蔵して来た本で、僕は2008年まで喫煙していた事もあり、本文がかなりヤケている。ただし読むに不都合はない。
 今回は、初めより88ページまで、文化7年正月~6月までを取り上げる。
 体裁は句日記だが、旅行の記録、世事(火事、盗賊、殺人)などの記事を交える。
 毎月100句程を記録しており、別案も混じる。
 一茶の句は、庶民の情景をやや戯画化した所に、特徴がある。継母、継弟との折り合いが悪く、父の没後、ようやく遺産分けをしてもらい、家に寄り付かなくなる。
 朝日古典全書で「一茶句集」を読んだ記憶がある。


 以下に5句を引く。
(おい)が身の直(値)ぶみをさるゝけさの春
朝陰や親ある人のわかなつみ
朔日や一文凧も江戸の空
(かへる)(かり)我をかひなき物とやは
それなりに成仏とげよ蝸牛