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 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2018年10月号を読む。
 Amazonよりの到着は、先の9月21日の記事、
「頂いた本など9冊より(2)5冊」の2番目で報せた。
概要
 2018年10月1日付け・刊。169ページ。
 原資の値上げ、消費税増税に耐え、定価を据え置くご苦労を思う。綜合歌誌も諸誌多い事でもある。
特集
 「短歌の名鑑賞」は、それぞれ感銘深い文章である。しかし何か不満が残る。
 1首~数首の鑑賞では、歌人は語れない。歌集論、歌人論まで至らなければ、歌論と言えない。時代の歌壇論とまでは言わないけれども。
巻頭20首
 佐藤モニカ「夏の市場」20首より、次の歌が気になる。
トランプをきりつつ思ふ若き日のおほかたの夢手放ししこと
 短歌での成功と、貧しくない幸せそうな家庭を得ながら、それでも夢は他にあったのだろうか。
戦争と歌人たち 第55回  篠弘
 戦争に関わった歌人を徹底的に追求し続けている。今回は匿名の「桐谷侃三」の暗躍を取り上げている。彼は「きりがやつ・かんざん」と訓んでいる。その卑劣さが暴かれている。
 いま、たやすく「非国民」などと詰る者は、後世の追求を恐れるべきである。

 僕は短歌指導書をわずかだが読んだけれども、それで眼を開かされた、という経験がない。多くの歌を読んで、効率悪くとも、学んで行くしかないのだろう。