角川書店「増補 現代俳句大系」第13巻(1980年・刊)より、10番目の句集、上田五千石「田園」を読み了える。
 先の4月29日の記事、
寺田京子「日の鷹」に次ぐ。
概要
 俳句では「年刊句集 福井県 第56集」を読み了えて、「増補 現代俳句大系」に戻った。
 原著は、1968年、春日書房・刊。
 秋元不死男・序文、212句、著者・後記を収める。
 上田五千石(うえだ・ごせんごく、1933年~1997年)は、秋元不死男に師事、「氷海」、「天狼」、「氷海新人会」に参加。1973年、「畦」創刊・主宰。
感想
 この第1句集で、第8回・俳人協会賞・受賞。
 本文を6章に分け、更に1句~4句の節(題付き)に分けている。
 掉尾の節「一行詩」に、「秋の蛇去れり一行詩のごとく」とあるように、俳句の詩性を求めたようだ。
 確かに1行詩を重ねて読むに似る。しかし僕は、俳句に詩性第一と思っていないので、その面からは賛嘆しない。
 純粋戦後派の、向日性の青春吟として、戦前派とは異なる句境を開いたといえる。また俳句に救われる文学経験も好ましい。
引用

 以下に5句を引く。
朝露よばら色の豚小走りに
焚火踏み潰す下界へ還らねば
老螢末期の光凝らすなり
秋の露立志伝みな家を捨つ
かりそめの生のなかばに焚火爆ぜ
0-59
写真ACより、「ファンタジー」のイラスト1枚。