角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、10番目の句集、森田峠「避暑散歩」を読み了える。
 今月14日の記事、成瀬桜桃子・句集「風色」に次ぐ。
概要
 原著は、1973年、牧羊社・刊。阿波野青畝・序、450句、著者・あとがき、火村卓造・解説を収める。1951年~1970年の句を、年毎に年次順に収めてある、第1句集。
 森田峠(もりた・とうげ、1924年~2013年)は大学卒業後、高校教員となる。
 1951年、阿波野青畝「かつらぎ」に入門、1990年、同誌・主宰を継承した。1986年「俳人協会賞」、2004年「詩歌文学館賞」受賞など。
感想
 まず題名(阿波野青畝・命名)から、違和感を持つ。避暑地の別荘を持っていた訳ではないようだが、避暑地の散歩は、僕には馴染まなかった。僕は農家の次男に生まれ、帰郷して働いたが、避暑の余裕はなかった。(子の幼い頃、家族で海水浴へは何年か行ったけれども)。近隣の在が、農家から兼業農家となる貧しさで、誰も避暑地へ行く考えが浮かばなかっただろう。
 1961年、「吟行を専らとする競詠会結成。」とある。時間と金銭の掛かる吟行会を専らとするのは、職業が教師だった余裕だろうか。
 句風は、虚子、青畝に学んだ写生を究めようとしたとされ、風物、吟じかたに新しさがある。
引用

 以下に5句を引く。
(ともづな)のくひこめるまま道凍てて
流失の橋のたもとに麦を干す
教へ子に逢へば春著の匂ふなり
わがためのもの奥にあり冷蔵庫
稿成りて春あけぼのの湯に浸る
0-14
写真ACより、「乗り物」のイラスト1枚。