風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

文春文庫

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 川上未映子のエッセイ本「きみは赤ちゃん」を読み了える。
 メルカリからの購入は、先の4月28日の記事、歌誌と歌集とエッセイ本にアップした。リンクより、川上未映子の関連の記事を遡れる。
概要
 初出は、「出産編」が「本の話Web」2013年7月~11月・連載、「産後編」が書き下ろし。
 単行本は、2014年7月、文藝春秋・刊。
 文春文庫は、2017年5月10日・第1刷。
感想

 35歳になった女性作家が、妊活をして妊娠し、出産を経て、息子が1歳になるまでの育児も語られる。基本、望み通りで、ハッピィな語り口である。
 世の中には結婚しない人、結婚しても子供が出来ない夫婦、別れてしまう夫婦もいる。川上未映子は、再婚であるが故にか、乗り切って育児に至っている。
 妊娠を産婦人科で夫(作家、あべちゃんと書かれている)と確認した時の喜び、つわりの苦しみ、突然のつわりの解消、マタニティブルーの苛立ちも、率直にユーモアのある口語調で書かれている。
 そして無痛分娩の筈が、難産で帝王切開となるいきさつが描かれる。子が生まれての、号泣など、ここでも率直である。
 産後は母乳授乳を選んだので、2時間ごとの授乳等でほとんど眠れない日が続く。夫が睡眠、執筆を続けるので、産後クライシスにもなるが、2人は徹底的に話し合って、危機を回避する。
 自然に卒乳し、お気に入りのベビーカーで(それにも救われ)散歩し、息子の1歳の誕生日祝いの場面でおわる。初めての経験尽くしの妊娠、出産、育児を、ごくたいへんな事も、関西弁交じりの明るい文体で述べられて、幸せ感が伝わって来る。


「覇王樹」5月号
 所属する結社の歌誌「覇王樹」2019年5月号が、4月26日に、ゆうメールで届いた。
 5月1日付け・刊。来年8月・刊の100周年記念号に向けて、原稿募集等が本格化した。
 先の歌誌「覇王樹」4月号を読むは、今月5日の記事にアップした。
 5月号の僕の歌6首(8首より選)他は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の4月27日付け記事より、順次少しずつアップするので、横書きながらご覧ください。

あやはべる
 4月24日に、米川千嘉子・第7歌集「あやはべる」(迢空賞・受賞)が、Amazonのマーケットプレイスより、ゆうパケットで届いた。価格:2,090円(送料・税・込み)。短歌研究社、2013年3月・重版。
 今月22日の記事、同・第8歌集「吹雪の水族館」が届くに次ぐ。

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 川上未映子のエッセイ本「きみは赤ちゃん」(文春文庫、2017年5月・刊)を、メルカリより330ポイントで注文し、4月24日にローソン某店で受け取った。
 作家・川上未映子の妊娠・出産・子育てをめぐるエッセイ本である。
 彼女の本は、小説「すべて真夜中の恋人たち」を、昨年10月31日に記事アップして以来である。
 蔵書は読みきれない程あるのだが、最近の新しめの本もつい読みたくなり、買ってしまう。



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 今月12日の記事、「0円で紙本を2冊入手」で報せた内、先の川上未映子の小説「乳と卵(ちちとらん)」を読み了える。
 メルカリで320ポイント(送料込み)で買ったが、帯、カバー、本文ともきれいで、当時のチラシ、栞が残っていた。
概要
 文春文庫、2010年1刷。芥川賞・受賞作「乳と卵」と、短編「あなたたちの恋愛は瀕死」を収める。
 初出は順に、「文学界」2007年12月号、「同」2008年3月号。
 川上未映子(かわかみ・みえこ、1976年~)は、CDアルバム、詩集(受賞歴あり)、小説と多才な人である。
 「乳と卵」は、大阪の母娘連れが、東京の妹を頼って、3日間滞在する話である。
感想
 言葉を発せずノートに書く娘、豊胸手術に執りつかれたホステスの母が、互いに生卵を自分に打ちつけながら本音を言い合い、和解する場面がクライマックスである。
 これだけだと悲喜劇だが、文体が変わっている。「です・ます」調があり、「~した」と叙述体があり、大阪弁があり、娘の書くノートの文面が挟まれる。このような文体は、アマチュアからプロへ脱皮する過程だったのだろう。
「あなたたちの恋愛は瀕死」は、善意と悪意と切羽詰まったストレスの、交錯するストーリーである。
 彼女はこのあと小説のみでも、芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部賞、谷崎潤一郎賞、渡辺淳一文学賞、と受賞を重ねている。

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 対談集「阿川佐和子のこの人に会いたい」を読み了える。
 阿川佐和子(あがわ・さわこ)はエッセイストであり、作家・阿川弘之の娘である。
概要
 初出は、週刊文春の1993年5月~1997年1月まで。
 181人の登場の内、22人分を収める。時間は毎回2時間。
 文春文庫では、1997年第1刷、2000年第7刷。403ページ。
感想
 2018年現在、約21年~25年を経ており、読後感は重い。
 対談に登場する人物は、各界の大物である。
 また既に亡くなった方、現役を引退したイチロー(当時・オリックスで活躍中)、若乃花(当時・大関)、曙太郎、小室哲也ほかの人物の、その後の人生をわずかながら僕が知っている為でもある。
 あとがきに「会って一生懸命話を伺えば、必ずおもしろい発見があるものだ。」とある通り、相手は威厳がありながらリラックスして、時には無邪気に語る。人には自分を語りたい欲求があるものの、話を引き出す阿川佐和子の才能でもあるだろう。


東京ベースボール 
 福井県内にお住まいの詩人・青山雨子さんが、最新詩集「東京ベースボール」を贈ってくださった。
 2016年12月、私家版。19編の詩を収める。
 彼女の7冊目の詩集である。

たとへば君
 今月1日の記事、「永田和宏・歌集「饗庭」を読む」で、「文庫本を注文する」と書いた、河野裕子・永田和宏「たとへば君」が届いた。文春文庫、2014年・刊。
 単行本を読んだのだが、手放してしまっていた。
 青磁社「永田和宏作品集 Ⅰ」を読み進むのに、貴重な補助線となる。


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