風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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新かな

 短歌結社「覇王樹」の社友、古城いつもさんが贈って下さった第1歌集、「クライム ステアズ フォー グッド ダー」を読み了える。
 到着は今月15日の記事、「歌集が届き、手帳を買う」にアップした。題名について、少し記した。



歌集「クライム ステアズ…」
 今月17日~19日の、検査入院の間に読み了えた。
 コールサック社、2020年11月11日・刊。
 解説の鈴木比佐雄氏は、コールサック社の創業者である。

 古城さんは、1958年・生、武蔵野短期美術大学、千葉大学工学部建築工学科を卒業。建築技術者として働いて来た。
 僕に季刊文学誌「コールサック」を2冊ずつ、2回贈って下さった。

 短歌は新かな、現代文法に拠る。1ページ2首組み。191ページ。
 新しい歌であり、稀に難解な歌があるが、ほぼ理解できる。ほとんど素直な歌とさえ呼べる。マルクスやフロイトの思想の脅威をまだ感じる世代である。「聞かまほし」と古風だったり、「三分セクレタリー」と洋語を使ったりする。
 短歌を創り始めて8年、第1歌集の刊行である。これから老いの歌を深めるのだろうか、新しい歌を創り続けるのだろうか。

 以下に7首を引く。
入浴剤森林浴の深みどり泣かない逃げないみな引き受ける
リビドーの海に漂う若き日を泳ぎきらねば鬼宿るべし
巻貝に恋のまじない封じた日そんなあやふや大人はしない
恋愛の世代を過ぎたこの頃は水を得たうおいやそれ以上
百合と薔薇共に咲くこと教えたる修道院の土曜日のミサ
真間川の桜並木に迷い込み往けず戻れず風景となる
技術者の論文に詩を見ることもありて私の伊達や酔狂




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 結社歌誌「覇王樹」2019年1月号を、ほぼ読み了える。
 到着は、先の12月27日の記事、
「届いた5冊」の内に報せた。
 
同・12月号の感想は、12月14日にアップした。
新かなと旧かな
 「覇王樹」は、新かなの歌人が多い。今、全体は数えきれない。しかし巻頭「八首抄」の栄誉を得た8名中、新かなは6名、旧かなは2名である。
 新かなでも古典文法の歌(「揺るる」など)があり、旧かなでも口語風な歌(「どこか誰かの」など)がある。
 歌壇の流れがあるだろうが、それに先駆ける進取性は「覇王樹」の性格だろう。
ホームページ
 ホームページ
「短歌の会 覇王樹」も、すでに1月号バージョンに成っている。誇らしい思いになる。ホームページでは、創刊者・橋田東聲の3首を作曲した歌曲を聴ける。CDもあるが、ネットにつなげられるなら、ホームページより聴ける。悠悠と佳い歌だった。

 表紙には「第99巻第1号」とある。来年は、第100巻、100周年を迎える。元気に精進して、迎えたい。


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 先の6月28日の記事、「入手した3冊を紹介」で報せた内、結社歌誌「覇王樹」2018年7月号を、ほぼ読み了える。
 
同・6月号の感想は、同じ6月2日の記事にアップした。
概要
 2018年7月1日、覇王樹社・刊。40ページ。
 通常立て短歌欄(1律6首)の他、巻頭の「八首抄」、「文月10首詠」(10首×4名)、「力詠15首」(15首×2名)が、文字大きく掲載される。
 連載評論2編の他、伊勢方信(「朱竹」代表)の「覇王樹ゆかりの歌碑(19)」、年間テーマ「道・路」の評論2編、「他誌拝見」、「受贈歌集歌書紹介」等を収める。
感想
 庶民的ながら、新しさを追求する作品が多い。
 もうすぐ100周年を迎える歌誌だが、新かな表記が多い面にも、その気風は汲み取れる。
 毎号、先々月号の歌を取り上げて、各欄ごとに批評してくださるのも嬉しい。
引用

 「文月10首詠」から、T・恵子さんの「寿メール」10首より。
ひと言も語らぬままに日の暮れて米一合をハミングで研ぐ
 1日語らなくてもめげないのは、短歌が傍らにあるからだろう。
 「東聲集」のT・照子さん「鮒ずし」6首より。
知人宅猫ほめて場の和みたりほんとは私猫苦手です
 こういう、本音を書ける場のある事は、生活の精神衛生にとても良い。


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