風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年2月20日で以って、Kindle本・短編小説「底流」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「柴田哲夫 底流」と検索すれば、すぐに出て来ます。柴田哲夫は、Kindle版・詩集「詩集 日々のソネット」、「改訂版ソネット詩集 光る波」と同じく、僕のペンネームです。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

新潮文庫

 綿矢りさの小説「ひらいて」を読み了える。
 入手は、先の3月27日の記事、綿矢りさの3冊、にてアップした。



 この前に読んだ彼女の小説「蹴りたい背中」は、3月22日の記事にアップした。


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 「ひらいて」は、2012年・新潮社・刊、新潮文庫・2015年・刊。メルカリで買った内の1冊だけど、帯を他の新潮文庫から流用された可能性がある。

 女子高生・愛が同級生・たとえを好きになるけれども相手にされず、たとえのガールフレンド・美雪とレズ関係を持って復讐しようとしたり、全裸でたとえに迫っても無駄である。
 人目を惹く女の子である価値を自覚するが、我を通そうとする、ブラック・ハート、ダーク・ハートの持ち主らしい。宗教に逃げ道を暗示し、高校卒業ですべてチャラになる。
 女子高生にそういう人がいるか知らないが、フィクションとしても、あまり好感を持って読めるストーリーではなかった。







 江國香織の小説2編を収めた新潮文庫、「こうばしい日々」を読み了える。1997年11刷。
 読み始めてすぐ、読んだことがあると気づき、今、前のブログ「サスケの本棚」を内部検索したところ、2008年12月27日の記事にアップしていた。


 12年近く前なので、発見がある。

こうばしい日々
 生まれるとすぐ、父母とアメリカに移ったダイ(大介)が、高校まで日本で卒業してアメリカの大学に進んだ姉、ガールフレンドのジル、先生のカークブライド、学校食堂のパーネルさん、姉のボーイフレンドのデイビッド、大学生の友人・ウィル(日本かぶれ)、父の同僚の島田さんたちと織りなす、アメリカ生活の秋から冬にかけての物語が「こうばしい日々」である。

 「綿菓子」は、女子中学生・みのりが、姉のかつての恋人・次郎に思いを寄せて、伝わる話である。姉とその夫は幸せだが、おばあちゃん、友人・みほは、事情を抱えている。「結婚じゃなく、はげしい恋に生きよう。」の1文があって、主人公と共に作者の意気を示すようだ。読者の男性にも女性にもサービスした、結末に至る。
 江國香織が後進の女性作家に拓いた道は測り知れない。


 山田詠美の連作小説集「放課後の音符(キイノート)」を読み了える。
 入手は、昨年9月7日の記事、「同人誌1冊と文庫本3冊」で報せた。


 これまでの画像を、誤まって消してしまったので、画像は出ない。

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 新潮文庫、2013年23刷。
 17歳の「私」を話者として、8編の高校性の物語が紡がれる。
 山田詠美に性を主題にしたストーリーがあり、生徒の苛めを描いたストーリーがある。
 そして高校生のませた恋の物語が加わる。

 今の僕は、女子高生の恋に関心がない。綿矢りさ、金原ひとみが、共に影響を受けた作品として挙げたから、読む気になったのである。
 高校生時代の僕は、部活と後に受験勉強に忙しく、恋どころではなかった。片思いを寄せた女生徒はいたけれども。



 昨年9月7日の記事、同人誌1冊と文庫本3冊、で紹介した内、山田詠美の文庫本3冊から、ようやく小説「蝶々の纏足」を読み了える。


蝶々の纏足・風葬の教室
 新潮文庫、2017年・17刷。
 「蝶々の纏足」、「風葬の教室」、「こぎつねこん」の3編を収める。
 「蝶々の纏足」は、えり子という(えりの漢字は、慎重に外されている)王女タイプの女の子に振り回される、瞳美という(これも珍しい名前であり、両親からきれいな目をしていると誉められる事にもつながる)女の子が、高校生になっても主従関係にあった。瞳美は何とか二人の関係から逃れようとして、内面に憎しみを溜めこんでゆく。
 心身の成熟のアンバランスな少女たち(えり子を含む)の中で、瞳美は自分が性に関して早熟である事を知り、麦生という同級生と性関係を持つ。そして、えり子の軛から離れる。
 瞳美と麦生はやがて別れる。麦生の浮気が元だが、「私たちは、お互いの体にもう飽き始めていたし、体以外を使ってどんなふうに愛し合って行けばよいのか解らなかった。」と述べられる。そのために結婚(一夫一婦制)があるとしたら、悲しいだろうか幸だろうか。


 妻が最近、某ショッピングセンターに喫茶店付きの本屋が開業して流行っているから、行ってみると良いと僕に勧めた。田舎の都市に珍しい、お洒落な店が開いたようだ。
 しばらく日数が経ったが、時間を作って、車で出掛けた。

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 TSUTAYAの経営する、大規模なブックカフェだった。上の写真は、本屋店舗内である。
 やや照明を落としてある。

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 更に照明を落とした、カフェ部分である。写真の左奥にも、広めの喫茶部がある。
 カップル、待ち合わせらしい人、単身らしい人が、熱心に本に向かっていた。

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 本はベストセラーや時節ものが多く、目立たない本は少ない。文庫本を揃えたコーナーもない。何種類かのベストセラーを除いて。
 僕は新潮文庫で、三浦しをん「風が強く吹いている」を買った。今さらスポ根ものでもないが、背中を押してほしい企画を、僕は幾つか持っている。
 支払いは楽天Edyでだった。なかなか通じなくて、店員さんに面倒を掛けた。

 カフェ部へ行って、アイスコーヒーを買った。冬でもメタボおじさんは、少し動くと暑いのだ。
 テーブルで、文庫本の初めを走り読みして、アイスコーヒーを飲みおえ、店を出た。店を出た所に、テラスというか、広いテーブル椅子の読書スペースがある。まだ1冊、気になる本がある。


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 郵便で、季刊同人歌誌「COCOON」Issue14が届いた。結社「コスモス」内の若手歌人の歌誌である。
 4冊ごとの送金で、振り込みによくわからない点があったが、無事に入金したようだ。
 若手歌人の歌は、叔父さん気分で読めて楽しい。





 9月5日に、同人誌1冊と、文庫本3冊が届いたので、紹介する。
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 県内の詩人・作家・評論家の定道明さんが、同人誌「青磁」第40号を送ってくださった。優しい手紙と共に。
 「青磁」は、県内を主とする、小説・評論の同人誌である。2019年8月29日、青磁の会・刊。
 手間と費用が掛かり、評価されにくい、小説の同人誌を続けることに、敬意を払う。定道明さんの2編、張籠二三枝さんの1編、だけでも読みたい。

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 9月2日にメルカリで、3冊1括450円で注文した、山田詠美の文庫本が、9月5日に届いた。
 「蝶々と纏足 風葬の教室」、「放課後の音符(キイノート)」、「ぼくは勉強ができない」、いずれも新潮文庫である。
 目当ては「放課後の音符」だったけれど、3冊1括で廉価に出品されていたので、注文した。初に読む山田詠美の生徒もの小説など、楽しみにしたい。


 

 綿矢りさの小説「手のひらの京(みやこ)」を読み了える。
 今月6日の記事、入手した5冊(2)の、初めに紹介した。その5冊の内、3冊めのアップとなる。

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 新潮文庫、2019年4月1日・刊。
 定価:本体490円+税39円=529円のところ、楽天ポイント303ポイントを使って、楽天ブックスで実質226円で買った。
 京都の3姉妹の娘さんを描いて、谷崎潤一郎の「細雪」や川端康成の「古都」を連想させると謳われたそうである。「細雪」は読んでいない(全集28巻揃いが鎮座している)し、「古都」は枯れていて印象が薄い。

 これは京都の自然と行事と人情を描いて、濃やかな小説である。
 長女・綾香は次女の紹介した男性と交際を始め、うまく結婚へ進みそうである。次女・羽衣は自認するモテ女だが、「キレ芸」でいけずな先輩や取り巻き、パワハラ・セクハラの上司を撃退するものの、キレたところを恋人に見られて失恋してしまう。3女・凛は理系の大学院修士課程を修了し、両親の同意を苦労の果てに得て、東京都の有名菓子メーカーに就職する。

 僕は2人兄弟の弟なので、家庭内の娘さんの実情を知らない。しかし僕が憧れるほど、京都の娘3姉妹を、京言葉と共に、濃やかに美しく描いている。
 作者の望郷の思いも、籠められているだろう。



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