風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

新興俳句

 角川ソフィア文庫「西東三鬼全句集」より、第5句集「変身」の前半を紹介する。
 第4句集「今日」は、今月25日の記事にアップした。リンクより、過去記事へ遡れる。



 句集「変身」は、1962年2月、角川書店・刊。その4月1日に、癌のため62歳で亡くなった。
 著者の「あとがき」があり、危篤に陥ったため、友人諸兄の協議により成った、と書かれる。
 1951年より約10年の、1,073句より成り、僕が紹介を2回に分けようとする理由である。
 角川ソフィア文庫の、155ページ~195ページを(1)前半とする。

 新興俳句以来の、前衛の態度を崩さず、第1線を突っ走るには、かなり苦しんだ跡が見える。字余りや、省略など。題材、表現にも、新を求めて止まなかった。

 以下に5句を引く。
鉄道の大彎曲や横飛ぶ雪
病者等に雀みのらし四月の木
河豚啖いて甲板
(デッキ)と陸に立ち別る
癌の兄と別れ直ぐ泣く群衆裡
冬越え得し金魚の新鮮なる欠伸
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写真ACより、「アジアンフード&ドリンク」のイラスト1枚。




 角川書店「増補 現代俳句大系」第14巻(1981年・刊)より、15番目の句集、横山白虹「空港」を読み了える。
 今月20日の記事、
沢木欣一・句集「沖縄吟遊集」に次ぐ。
 実は2冊の間に1句集、安部完市「にもつは絵馬」があるが、飛ばした。定型でない。と言って種田山頭火や尾崎放哉のように自由律でもない。上句・中句・下句の体裁を保っている。破調なのだ。それに逆年順も困る。1句集、1歌集の間に成長を追って読み進むのも、自称「読み部」の楽しみである。
概要
 原著は、1974年、牧羊社・刊。1946年~1973年の句を、年別に、季節順に並べる。
 彼は戦前の新興俳句を出自とし、新情緒主義を標榜した。戦後の1946年から始まっている事は、敗戦を区切りとして好い。
感想

 なぜ28年もの間の句集を出すのか。僕も「コスモス」時代の20余年の歌集を計画しているが、僕のように無名ではないのである。横山白虹(よこやま・はくこう、1899年~1983年)は、1973年、現代俳句協会会長になっているのだ。戦中に心恥じる所があったのか。
 詩性を求めるのか、まれに比喩が見られ(「秋天にあらゆるビルが爪立ちす」など)、俳歌に(近ごろは詩にも)比喩を嫌う僕には、引っ掛かる。
引用
 以下に5句を引く。
木苺の花咲けりわが紆余の道
石鏃と冬日をもらふ片手の中
球撞きの一人一人が雪嶺見る
露霜の一夜に窶れストの旗
秋日没つ麦の穂型の噴水に(モスクワ3句より)

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写真ACより、「乗り物」のイラスト1枚。



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