岩波文庫の一茶「七番日記」(上)より、3回めの紹介をする。
 同(2)は、先の8月30日の記事にアップした。



 今回は半年区切りでなく、文化8年正月~12月まで、135ページ~215ページの、81ページを読んだ。旧暦なので、正月に梅の花の句があったりする。
 上段の日記には、社寺の催し、火事の記事が多く、信仰厚く、火事の多かった時代が、偲ばれる。
 一茶は、寺社の住職の知り合いも多かったようだが、俳句を読むと熱心な信者ではなかったようだ。小鳥や虫に親しむ傾向がある。
 年末の項に、「年尾四百七十二句也」とあり、多産である。文化7年は「年尾惣計六百七十九句也」とあるけれども。

 以下に5句を引く。
例の通
(とほり)梅の元日いたしけり
人のいふ法ホケ経や春の雨
名月や門
(かど)から直(すぐ)にしなの山
腹の虫しかと押
(おさ)へてけさの雪
しぐるゝや軒にはぜたる梅もどき
梅の花
写真ACより、「梅の花」のイラスト1枚。