風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケが、2017年10月17日付けで、AmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)を発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 再任用・リタイア前後の、庶民の日々の悲喜哀歓を綴った4章48編と、巻末に哲学風小連作・2章7編を収めます。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「柴田哲夫 詩集 日々のソネット」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。
 また、ブログの右サイドバーの上部、アクセスカウンターの下に、Amazonアソシエイトのリンク画像「あなたへ詩集をAmazonで」を貼りましたので、画像をクリックしてくだされば、購入サイトへ飛びます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。よろしくご購入をお願い致します。

暗喩

 福井県俳句作家協会「年刊句集 福井県 第56集」(2018年3月・刊)より、7回目の紹介をする。
 今月9日の記事、
同(6)に次ぐ。
概要
 今回は、161ページ~186ページの26ページ分、52名の520句を読んだことになる。
 南越地区(越前市、南越前町)の、すべてである。
感想
 俳歌で新と真を求めると言っても、レトリックの新として、比喩(暗喩を主とする)は、たくさんだという気がする。戦後詩において、暗喩を主とする比喩は大掛かりに追及され、その時代も過ぎてしまった。むしろ直叙や対句、リフレイン、オノマトペ等の古典的レトリックに、新しい技法を求めるべきだろう。また新しい題材も、無限にある。
 俳歌の真といっても、人情の真は、古代よりあまり変わらないように思える。その真の心情の発露は、無限の形を取るけれども。
引用
 以下に3句を引用する。
 T・房子さんの「小夜時雨」10句より。
ねむる児に母の団扇と童歌
 K・秀峰さんの「笑ふ絵馬」10句より。
もて余す串刺し鯖や半夏生
 (注:福井地方では半夏生の日を「はげっしょ」と呼んで、その日に焼き鯖を食べる風習がある)。
 K・蒼美さんの「初鏡」10句より。
身に入むや今のままでと願ひをり

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写真ACより、「おもてなし」のイラスト1枚。



ひとさらい
 先の11月27日の記事で到着を報せた、笹井宏之の歌集2冊の内、第1歌集「ひとさらい」を読み了える。
概要
 夭逝の歌人、笹井宏之(ささい・ひろゆき、本名・筒井宏之、1982年~2009年、享年26.)は、難病の「重度の身体表現性障害」(著者あとがき、より)を患い、初め楽曲制作等を行っていたが、よりエネルギーの少なくて済む短歌創作へ移っていったようだ。
 21歳の頃から歌を創り始め、「第4回歌葉新人賞」受賞、結社「未来」への参加、と2度の転機があったようだ。
 「ひとさらい」は、「未来」入会前、2005年3月~2006年4月までの作品を、歌人の加藤治郎・荻原裕幸が携わって纏めた。2011年1月、書肆侃侃房・刊、2015年9月・3刷。
感想
 1代限りの、前衛短歌の復活だろうか。岡井隆の重厚、塚本邦雄(少ししか読んでいない)の華麗に対し、命懸けの軽業(綱渡り、梯子乗り、等)だろうか。
 「八月のフルート奏者」の感想(初めの「笹井宏之の歌集2冊」より辿れる)で、ポップ感と書いたけれども、それは佐賀新聞文芸欄を読む祖父母を意識したもののようで、この歌集ではファンキーな感覚である。ファンキーとは、あるサイトに拠ると「いい意味で、型にはまっていなくて、一風変わっているさま」の意である。
 引用歌にあるが、暗喩の中庭で歌意を拾い上げ、生の真実を表わす。
 これも引用歌に、昭和戦後の庶民の像も、捉えている。
引用

 以下に7首を引用する。
風という名前をつけてあげました それから彼を見ないのですが
父さんが二百メートルほど先のいくさで子猫ひろって帰る
羊歯のふり巧みになって帰宅する農家の人とすこししたしい
野菜売るおばさんが「意味いらんかねぇ、いらんよねぇ」と畑へ帰る
「ねえ、気づいたら暗喩ばかりの中庭でなわとびをとびつづけているの」
安物の衣類をまとい夕暮れと夜のさかいに立ち尽くす主婦
食い荒らし食い荒らされて生きてゆく にんげんたちの一夜の宴




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