風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 このブログを運営している新サスケは、2017年10月17日付けでのAmazonのKindle本、第4詩集「詩集 日々のソネット」(縦書き)の発行に続き、第5詩集「改訂版 ソネット詩集 光る波」(縦書き)を、2018年5月31日、Kindleストアにて発行しました。著者名は、柴田哲夫(僕のペンネームの1つ)です。
 2011年10月1日・刊の紙本「ソネット詩集 光る波」に、数十ヶ所の加筆をし、編集しました。
 販売ページは、Amazonの「Kindleストア」カテゴリーで、「ソネット 光る波」と入力して検索してくだされば、即で見つけられます。右サイドバーのバナーよりも着けます。
 kindle版で540円(税込み)、kindle unlimited版も発行しています。

書肆侃侃房

春戦争
 先の3月28日の記事、「歌集2冊をダウンロード(4)」で報せた内、陣崎草子・歌集「春戦争」kindle unlimited版を読み了える。
 Amazonの諸版の発行時期、価格等について、そこで述べたのでご覧ください。
概要
 昨日の記事、天道なお・歌集「NR」と共に、書肆侃侃房の「新鋭短歌シリーズ」の内の1冊である。
 陣崎草子(じんさき・そうこ)は、1977年・生まれ。大学美術科・卒業後、デザイン会社等に勤めるも、23歳で独立。
 絵本絵、絵本、小説、短歌を発表している。いわゆるフリーランサーか。
 歌集の巻末に、東直子・解説「生き延びるための覚悟」、著者・あとがき「以来ずっと」を収める。
感想
 20代の末に、穂村弘の短歌に衝撃を受け作歌を始め、2008年、歌人集団「かばんの会」入会。
 やや頼りない歌、頼りない生き方である。「こんなにもだれか咬みたい衝動を」と肉食系ながら、「この道がまちがった場所につづくこと」と結婚に行き着かない恋をし、生きゆく費用を算段したりする。
 「短歌は自己救済の文学である」と言われるから、力を与えてくれるけれども、無理な使い方をすると見放されるかも知れない。
引用

 以下に7首を引く。
こんなにもだれか咬みたい衝動を抑えて紫陽花の似合うわたしだ
どうやって生きてゆこうか八月のアイスクリームの垂れざまを見る
整理して出ていく誰もいない窓 なのに見送られているふりを
すっきりとした立ち姿を見てってよこれがあなたがたの生んだものです
この道がまちがった場所につづくこと知ってるぼくらのほどよい笑い
「思索型、と、いうらしい」関節の目立つこの手と長いつきあい
忘れたいことがあふれてくる夜更け首輪のにおいを嗅いでは祈る



 

NR
 先の3月28日の記事「歌集2冊をダウンロード(4)」で報せた内、天道なお・歌集「NR」を読み了える。
 Amazonでの諸版の発行時期、価格等については、そこで述べたので、ご覧ください。
概要
 天道なおは、1979年・生まれ、高校生時代より作歌を始め、早稲田短歌会を経て、(1時期「波濤」に在籍したようだが)、2003年より「未来短歌会 彗星集」に所属する。
 第1歌集「NR」には、250首、加藤治郎・解説「帰ることなく」、著者・あとがきを収める。
感想
 大学卒業、就職(営業職だったか)、結婚、出産を経て、退社。
 順調な生活に読めるかも知れないが、仕事は厳しく、第1子出産後も働こうとするが、止むなく退社したようだ。
 企業が、娘さんの若さと体力を搾り取って、放り出す典型である。
 現在はJCDAのキャリアカウンセラーとして、働いているようだ。
 短歌を支えに、時には武器として、これから先を歩んでほしい。
 なお解説名の「帰ることなく」は、春日井建の歌集名「行け帰ることなく」に誘発されたようだ。
引用

 以下に7首を引く。
約束をやぶってごめん惨惨とやさしい雨が降る場所にいる
懐かしいあの夕闇に立ち戻り立ち戻りして生きるのだろう
炎だつExcellグラフいくつかの受注決まりし五月、六月
ひっそりとヒトのかたちにしずもりて熟れゆく果実わが宮にあり
山間部および都市部はおよそ雨、NR(ノーリターン)とあるホワイトボード
コットンのねむりの中でおさなごがやさしく握る虹の先っぽ
新姓を貼り付けられて生き延びるこのベランダは終着点なり



NR
 記録に拠ると今月23日に、Amazonのkindle unlimited本の歌集を2冊、ダウンロードしている。
 今月14日の記事、
「歌集2冊をダウンロード(3)」に次ぐ。
 1冊は、天道なお(てんどう・なお)、「NR」。
 紙本版、2013年8月1日・刊、1836円。
 kindle版、2015年3月30日・刊、800円。

春戦争
 もう1冊は、陣崎草子(じんさき・そうこ)、「春戦争」。
 紙本版、2013年9月30日・刊、1836円。
 kindle版、2016年5月19日・刊、800円。
 2冊とも、書肆侃侃房、新鋭短歌シリーズの歌集である。
 どうも読書が押して来ているようだ。



同じ白さで雪は降りくる
 今月14日の記事、「歌集2冊をダウンロード(3)」で報せた内、中畑智江・歌集「同じ白さで雪は降りくる」を、タブレットで読み了える。
 諸版の発行年次、価格はそのリンクを参照ください。
 今月21日の記事、
田丸まひる「硝子のボレット」に次ぐ。
概要
 歌集は、344首、大塚寅彦・解説「旅のはじまり」、著者・あとがきを収める。
 中畑智江(なかはた・ともえ)は、1971年・生まれ。
 2008年、「中部短歌会」入会。2012年、中城ふみ子賞・受賞。
感想
 解説で述べられているが、短歌の比喩がとても上手である。比喩に賭けているような所がある。それに拘りすぎると、「歌なんてどうでもよくなる時があり」という心境になる。
 様々なレトリックを凝らした短歌を読んでくると、それらでは感動しにくい自分がいる。
 むしろ子育て、夫との齟齬、などの主題が気になって来て、現代的である。
引用

 以下に7首を引く。
レタスからレタス生まれているような心地で剥がす朝のレタスを
アメリカンチェリーの果汁しみるごと美(は)しき依存をしてみたき夏
限りなきひかり寄り添うボトルには水の期限が記されており
学校に行けなくなった子の昼にあかるき秋がすみわたりおり
握力の失せて展きしままにある右手の平はしずかな荒野
離してはいけないはずの手を君は傘の柄くらいに思っていたか
簡単にあきらめるという才能を持つ子が公孫樹の緑陰に入る




同じ白さで雪は降りくる
 3月11日に、Amazonのkindle unlimited本・歌集2冊をタブレットにダウンロードした。
 2月22日の記事、
「歌集2冊をダウンロード」(実は2回目)に次ぐ、3回目である。
 1冊は、中畑智江(なかはた・ともえ)、「同じ白さで雪は降りくる」。
 紙本版:2014年9月15日・刊、1,836円。kindle版:2016年6月4日・刊、800円。

硝子のボレット
 もう1冊は、田丸まひる(たまる・まひる)、「硝子のボレット」である。
 紙本版:2014年9月15日・刊、1,836円。kindle版:2016年6月4日・刊、800円。
 2冊とも、書肆侃侃房の「新鋭短歌シリーズ」で、kindle unlimited版は追加金・無料(会費月額:980円)でダウンロードできる。



歌集 Bootleg
 2月22日の記事で、ダウンロードを報せたkindle unlimited版・歌集2冊の内、土岐友浩「Bootleg」を読み了える。
概要
 出版社、諸版の発行年次、価格等は上述の記事にアップしたので、ご覧ください。
 土岐友浩(とき・ともひろ)は1982年・生。京都大学・卒。精神科医。
 「京大短歌」に所属して活躍した。
 第1歌集に、東直子・解説「不在の中の存在感」、著者「Note」を付す。
感想
 経歴を見ると恐れ入るけれども、表紙イラストのせいか、歌の内容からも、線の細い人に思える。
 恋人に尽くして、かえって追い詰めているのでは、と悩む歌がある。
 第2部の3連作が、小浜在住時代に成ったとするが、福井県の小浜市を指すならと、身近にも感じた。
 題名の「Bootleg」は、海賊版の意味である。
 先の記事で、kindle unlimited版の好みの歌集が残り少ないと書いたけれども、巻末の広告を見ると、書肆侃侃房の「新鋭短歌シリーズ」で、まだまだありそうである。
引用

 以下に7首を引用する。
あたらしくできた日陰で聴いている ここはどこ、から始まる歌を
牛乳を電子レンジであたためてこれからもつきあってください
いまはもうそんなに欲しいものはない冬のきれいな木にふれてみる
一台をふたりで使うようになるありふれたみずいろの自転車
ローソンに寄って帰ると言う父を別れてずっと待っている春
尽くすほど追いつめているだけなのか言葉は君をすずらん畑
おだいじに、というメールが雪の日に届くメロンの絵文字とともに



声、あるいは音のような
 2月20日に、Amazonよりkindle unlimited版の歌集、2冊をダウンロードしタブレットに収める。
 いずれも書肆侃侃房の「新鋭短歌シリーズ」である。
 歌集のダウンロードは、1月6日の
「3冊をダウンロード」以来である。
 1冊は、岸原さや「声、あるいは音のような」である。
 unlimited会員になる前、
100首選をkindle本で購入した事がある。
 完本版の紙本版は、2013年9月30日・刊、1,836円。kindle版は、2016年5月9日・刊、800円。

歌集 Bootleg
 1冊は、土岐友浩「Bootleg」である。
 紙本版は、2015年6月16日・刊、1,836円。kindle版は、2016年6月4日・刊、800円。
 kindle unlimited版の新歌集(僕の気に入りそうな)も、残りが少ないようだ。
 書肆侃侃房と歌人も、どんどん発行して、電子版歌集の普及に尽力してほしい。



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