風の庫

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曽宮一念

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 今月13日の記事に、画家・曽宮一念を巡る対談会をアップした。その末尾に、この本を買えなかったと書いた。
 福井市美術館館長との対談は楽しく有益だったが、その時、小遣い財政が逼迫していたからである。
 その後、小遣いも入り、尊敬する福井の文人であり、少しは親しくさせてもらっている(僕だけの思いかも知れないが)増永迪男さんの力作らしい、曽宮一念・伝を買おうと思った。
 今月19日、県内最大の「勝木書店」系の、「KaBoS ワッセ店」へ電話してみると、「当店には置いていないが、本店から取り寄せられる。4、5日掛かるけれども。」という話だった。
 5日目の今月24日に店より電話が入り、25日の午後、他の用事と共に車で外出し、本を受け取った。
 受け取る時、初めて近くで本を見た。大判で(B5判より大きく、A4判より小さい)、表紙などからカラー写真の多い事が窺がわれ、ずいぶんと高価かと怯んだ(値段は聞いていなかった)が、2、600円(税込み)と想定内だった。2018年8月、福井新聞社・刊。
 美術鑑賞に熱心でなく、曽宮一念に思い入れもないが、増永迪男さん(亡くなられた夫人も、1度は伝記を書こうとした)の情熱に満ちた文体を味わうべく、「雲を見る人 孤高の風景画家 曽宮一念」を読み通したいと思う。
 なお「雲を見る人」について…ある人は、「詩人とは異性の顔を見ているより、雲をみている事に惹かれる人だ」と(記憶は曖昧だが)書いていて、詩心を持つ芸術家を佳く捉えている。


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 1月12日(土曜日)~1月20日(日曜日)、福井市美術館3階講堂「アートラボふくい」にて、『「雲を見る人」刊行記念 孤高の風景画家 曽宮一念展』が催されている。
 福井の山岳エッセイスト・増永迪男さんが、著書「雲を見る人 孤高の風景画家 曽宮一念」の刊行を記念して、親交のあった画家・曽宮一念、彫刻家・雨田光平の自身のコレクションより20余点を展示するものである。
 初日のイベントとして、福井市美術館館長の石堂裕昭さんとの対談会「孤高の風景画家 曽宮一念の生き方とその芸術について」が催された。
 写真は4枚のパンフの表紙で、2枚目に出展品1覧、3枚目に増永さんの略歴、4枚目に館長の略歴を載せる。折り畳んだので、皺のある事は、ご容赦願う。
 聴衆は用意された椅子1杯で、若干の補助椅子が出されたようだ。
 お2方共、聴衆を前にしての話は慣れているようで、堂々と対談は進んだ。増永さんの初公開の秘話の2、3や、展示の絵が登山家の目から写生から遠い事を絵の部分を指し示しながら説いた。
 大正13年頃、女流の先輩画家・中村つねとの交流とその若い死を経て、絵に開眼した様が興味深かった。
 晩年に緑内障で盲目となった曽宮一念は、プラスチックの枠を作らせ、その桝にサインペンでブラインドタッチで字を書き、その解読を増永さんがした、という話が面白かった。サインペンのインクが薄れてもわからず、ページを捲り忘れてもわからない、そのような原稿を解読した事で、数冊の随筆集が出版されたという。
 館長は、美術史等の観点から話を盛り上げ、定刻3時半に対談はおわった。僕はその本を買わなかった。近い内に寄付とネットバンク預金の予定があり、ぎりぎりだからだ。


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