森絵都のYA(ヤング アダルト)小説「カラフル」を読み了える。昨年暮れに、メルカリより350ポイントで買っている。
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 文春文庫、2015年37刷。単行本:1998年、理論社・刊。産経児童出版文化賞・受賞。

 死んだ筈の魂が、ボス(万物の父)の抽選で、プラプラという天使の案内と助言で、服毒死した小林真の体に、試験的に舞い戻る。神を想定する所から、現代ファンタジー風になっている。
 父は利己的、母は不倫経験あり、片思いをよせるひろこは愛人に貢がせている。兄も意地悪そうである。しかし小林真は、それぞれの人物の真実を知ってゆき、世界に馴染んでゆく。
 そして魂の僕が、小林真自身であった事を思い出し、ジ・エンドとなる。大団円は月並みだけれども、ハッピーエンドである。
 1度でも死にたいとか、自分は居ない方が良い、とか思った事のある人にはお勧めである。YA小説の隆盛によって、読書離れと言われる若者が、本に戻って来れば幸いである。