風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

Kindle本の第1歌集「雉子の来る庭」をKDPしました。右サイドバーのアソシエイト・バナーよりか、AmazonのKindleストアで「柴田哲夫 雉子の来る庭」で検索して、購入画面へ行けます。Kindle価格:250円か、Kindle Unlimitedで、お買い求めくださるよう、お願いします。

 佐佐木定綱の第1歌集「月を食う」を読み了える。
 購入の次第は、今月18日の記事、3冊を買うにアップした。



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 2019年10月31日、角川書店・刊。330首、著者・あとがきを収める。
 俵万智と皆川博子の帯文、島田修三と小島なおの栞文を得ている。
 歌壇の重鎮・佐佐木幸綱の次男でありながら、その威光に頼ることなく、食堂店員、書店員として働いている。しかし職業は、汚いものであったり、意に染まない本を売らねばならなかったりする。
 失恋に泣いたり、幼い恋をしたり、同居(同棲?結婚?)したりする。厳しい生活をしながら、良家に育った上品さは失わない。
 若さゆえに、父の威光を借りることを嫌ったのだろうが、僕は職に関して、借りれば良いと思う。僕の定年・再任用までの職もそうだった。
 なおこの歌集で、彼は第64回現代歌人協会賞を得た。


 以下に7首を引く。
道端に捨てられている中華鍋日ごと場所替えある日消え去る
口の端の薄きしょっぱさ朝焼けよこりゃあなんだよ誰が泣いてる
二十円引きのエクレア買ってきた君はひと口無料でくれる
日本語のない安すぎる缶詰とアサヒビールのプルタブを引く
友だちの受けしパワハラ聞きながら上手にホッケの骨をとれるかな
本や家具、君の笑った声などを詰め段ボール笑いはじめる
買われずに返品されてゆく本が夏の陽射しに熱持ち始む

 ブクログ記事を、短歌誌「心の花」さんがリツィートしてくださいました。

歌壇の重鎮・佐佐木幸綱の次男でありながら、その威光に頼ることなく、食堂店員、書店員として働いている。し...『歌集 月を食う』佐佐木 定綱 ☆4 https://t.co/OGrvgRnNcp #booklog

— 新サスケ (@terayamaf) August 25, 2020 ="https://parts.blog.livedoor.jp/img/usr/cmn/btn_add_twitter.png">



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 昨日の記事、矢野一代・歌集「まずしき一冬」を読む、に継ぎ、「覇王樹」編集部より依頼の3冊めの紹介を転載する。


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 森川龍志歌集「幻の森まで」。
 詩集「バルカロオレ」、「幻を埋む」を持つ著者の、第1歌集。彩雲叢書第8編。栞には、文学博士・比較神話学研究の篠田知和基氏、歌人・美術家で歌誌「彩雲」代表の田中伸治氏、版画家・画家の越智志野氏、3氏が賛辞を寄せている。
 箱入り、1ページに2首、あるいは1首と詞書きのような行で構成され、贅沢な造りである。
 思いを強く打ち出して、描写ではなく、詩人らしい詠みぶりである。旋律と和声を伴った、妙音が読者に奏でられる事を願われている。

早春の暮れゆく先の杣道は少年の日の森へと続く
春惜しむ風の強きに部屋にゐてかすかに揺らぎつつ字引ひく
魔が時の頭上に蝉の時雨るるも井戸の底には滴りもせず
呂の音で始まる歌が氷雪の大地のどこかで燃え出づる頃
光ひとつあら野の中にまたたきて花苑の主の招待を受く
 (書肆 露滴房 2019年11月28日・刊)



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 最近に手許に届いた4冊の本(3回め)を紹介する。
 同(2)は、今年2月16日の記事にアップした。
 入手した本として、先の9月25日の記事、入手した5冊(4)に次ぐ。

春の舞踏 1春の舞踏 2
 まず三浦哲郎の小説「春の舞踏」上・下(文春文庫)である。
 メルカリに2冊セットで出ていて、珍しい本なので購入した。本の説明にあったけれども、1976年の本で、古びており、本文もヤケている。ファンでないと、読まないだろう。
 一旦は文庫本棚にお蔵入りである。

詩集 1
 県内にお住いの詩人、こじま ひろさんが、詩集「逝き咲き」を贈って下さった。
 2019年9月、山吹文庫・刊。3章22編の詩と、著者・あとがきを収める。
 福井県ふるさと詩人会・代表の川上明日夫さんによる、帯文と栞4ページを付す。
 2012年3月2日・刊の「焼夷弾とでんでんむし」に次ぐ、第2詩集である。

詩集2
 県内にお住いの詩人、関章人(せき・しょうど)さんが、詩集「在所」を贈って下さった。
 2019年9月25日・刊。私家版。
 5章31編の詩と、著者・うしろがき、著者・略歴を収める。郷土史家・文学評論家として活躍し、詩歴も長いと記憶するが、過去の詩集の証しは、「年刊 詩集ふくい」の執筆者資料に載せていない。



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デジタル読書の技法
 4月23日の記事「入手した6冊」の最後に紹介した、大山賢太郎「デジタル読書の技法」kindle版を読み了える。
概要
 2015年12月15日、電子書籍の窓・刊。
 著者には他に、デジタル読書関係の著書、3冊(いずれもkindle本)がある。
感想
 4月28日の記事、同氏の
「Kindleストアの歩き方」の感想では、あまり新発見が無いと書いた。
 しかし本書「デジタル読書の技法」では、多くの発見と確認があった。発見事項を箇条書きする。
1・左端の読書メニューの「移動」(Android版)より、位置Noによって、移動できる(位置Noの記録が必要のようだ)。
2・画面下の位置ナビゲーションバーの読書進捗バーにより、直近2つのページへ戻れる。
3・右上バーの検索欄(虫眼鏡マーク)より、語句検索ができ、検索一覧も表示される。語句検索を一瞬ででき、その語句の個所へ飛べる。
4・語句を長押しして、語句の辞書引きができる。
5・AmazonKindleというSNSサイトで、ハイライトやメモの公開・管理ができる(未確認)。
 もちろん、目次よりその章・節に飛んだり、ハイライトとメモ、ページ栞などのできる機能がある。
しまいに
 以上、いずれもリフロー型のkindle本の機能の事で、他の型の本では、使えない機能がある。
 また前書と共に、誤記が多く目に付き、ハイライトとメモを残した。優れたブレーンがいないものだろうか。
 この本はKindle本で、KindleUnlimited本ではなく、10冊の制限に入らないので、今後もタブレットに残して参照したい。




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