風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

森絵都

 森絵都の紀行文集「屋久島ジュウソウ」を読み了える。
 到着は、今年6月19日の記事、届いた5冊(2)にアップした。しばらくお蔵入りしていた。



 森絵都の本は、「つきのふね」など数冊をブログ記事にアップしているので、関心のある方は検索してください。


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 「屋久島ジュウソウ」は、集英社文庫、2009年2月25日・刊。
 「屋久島ジュウソウ」と14編の「slight sight-seeing」を収める。

 初めの「屋久島ジュウソウ」では、「私」を含めて5名の仲間と、現地のガイドの、3泊4日の旅である。出発以前から不安になったり、ハイとウツを繰り返しながら、縄文杉や黒味岳を堪能する。登頂や美景でハイになり、登下山の苦しみでウツになりながら、無事、エッセイのための旅は了えられる。
 「ジュウソウ」とあるのは、「重装」と思っていたのが「縦走」だったからである。

 「slight sight-seeing」は、彼女の海外旅行の回想記である。
 旅行鞄から始まって、「海外でキレるとき」を含め、彼女の拘り多い各地の海外旅行が語られる。海外旅行の経験が1度もない僕は、わくわくしながら読んだ。彼女の術中だろう。


 森絵都のYA(ヤング アダルト)小説、「つきのふね」を読み了える。
 同・「カラフル」の感想は、今月19日の記事にアップした。




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 「つきのふね」は、角川文庫、2008年、10刷。単行本:1998年・講談社・刊。
 中学生のさくら(話者)と梨利、勝田君、それに優しいけれども現実を離れてゆく智さん、の物語である。
 勝田君が智さんを救おうと、苦し紛れに書いた偽の預言書の預言へ向かって、場面は大団円に向かう。

 最近、紙の本を読む事が多いようだ。Kindle本の出て来た時、紙の本は無くなるんじゃないか、という勢いだった。しかしKindle本に優れた本が現れない。
 著作権の切れた文人の他称・全集が、99円、200円で出回って、マニアを喜ばせただけだ。多くの作家は抵抗し、インディーズ作家も伸びない。
 大家の本がKindle出版される事があるが、高価である。
 ガイド本などが、わずかにKindle Unlimited版で出回って、利用されているだけらしい。
 電子書籍の現れた時の夢は、どこへ行ったのだろう。


 森絵都のYA(ヤング アダルト)小説「カラフル」を読み了える。昨年暮れに、メルカリより350ポイントで買っている。
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 文春文庫、2015年37刷。単行本:1998年、理論社・刊。産経児童出版文化賞・受賞。

 死んだ筈の魂が、ボス(万物の父)の抽選で、プラプラという天使の案内と助言で、服毒死した小林真の体に、試験的に舞い戻る。神を想定する所から、現代ファンタジー風になっている。
 父は利己的、母は不倫経験あり、片思いをよせるひろこは愛人に貢がせている。兄も意地悪そうである。しかし小林真は、それぞれの人物の真実を知ってゆき、世界に馴染んでゆく。
 そして魂の僕が、小林真自身であった事を思い出し、ジ・エンドとなる。大団円は月並みだけれども、ハッピーエンドである。
 1度でも死にたいとか、自分は居ない方が良い、とか思った事のある人にはお勧めである。YA小説の隆盛によって、読書離れと言われる若者が、本に戻って来れば幸いである。




 森絵都の短編小説集「アーモンド入りチョコレートのワルツ」より、先の1月24日に紹介した「子供は眠る」に続く、2編を読み了える。

 リンクより、関連過去記事へ遡り得る。

 今回読んだのは、「彼女のアリア」と、「アーモンド入りチョコレートのワルツ」である。
 「彼女のアリア」には、J・S・バッハ<ゴルトベルグ変奏曲>より、の副題が付く。
 使われない旧校舎の音楽室でピアノを弾く中三の少女と、同級の男子が出会う物語である。えり子は、「僕」の1ヶ月不眠の悩みを聞いてくれ、自分も不眠症だと慰めてくれ、様々に話し合うようになる。
 boy meets girlの物語である。
 ただし、えり子は虚言症であり、他の男子にも優しいと知り、「僕」は無視するようになる。しかし、卒業式のあと、二人は旧音楽室で和解する。

 「アーモンド入りチョコレートのワルツ」には、エリック・サティ<童話音楽の献立表(メニュー)>より、の副題が付く。
 ピアノ教師の絹子先生、生徒の君絵、奈緒(語り手)の間に、フランスから「サティのおじさん」が現れ、愉快に引っ掻き回して去っていく。「アーモンド入りチョコレートのように生きなさい」がサティのおじさんの教えであった。アーモンド入りチョコレートは僕の好物で、惜しんで食べたものだが、ずいぶん昔である。小説では、数年前、との設定になっている。単行本・発行の1996年の数年前なら、僕の好んだ頃と合っているだろう。


 ワルツは3拍子だから、3編を収めたのだと、途中で気づく僕の迂闊さである。3編とも、美しく終わる。それは別荘での夏の終わり、卒業、帰国など、強制的な終わりのあるストーリーだからでもある。
 夫婦、親子など死ぬまでの関わり、そうでなくとも数十年の職場関係の、悲喜は語られない。後に彼女は、大人の小説を描き、人の一生を感じさせる作品を書くようになる。
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写真ACより、「ケーキ」のイラスト1枚。


 森絵都の短編小説集「アーモンド入りチョコレートのワルツ」3編より、「子供は眠る」を読み了える。
 購入は、昨年12月10日の記事、届いた3冊を紹介する(7)で報せた。



 また彼女の「風に舞いあがるビニールシート」を取り上げた読書会は、昨年12月11日の記事、和田たんぽぽ読書会(2)にアップした。



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 「アーモンドチョコレート入りのワルツ」は、3曲のクラシック曲より紡がれる、3編の小説を収める。角川文庫、2007年7冊。
 初めの「子供は眠る」に、ロベルト・シューマン<子供の情景>より、の副題が付く。
 章の父の別荘に、章を含め5人のいとこが、夏休みに集まる。章はクラシック曲を好み、毎晩LPレコードを聴かせ、その他の面でも暴君である。他の4人は我慢して、英語発音に堪能なことや、背丈が章を越えたことや、水泳で負けないことを隠す。ひょっとしたことから、それらの偽りがバレる。そして中学生5人は和解する。
 僕「今年のぼくは、卑怯だったよ」。
 章「おれなんか、昔から卑怯だよ」。
 子供の純真さから、少年へ移る悲哀があるようだ。
 しかし、彼女の和解、挫折してもこうあるべきだ、には理想主義の匂いがする。


 12月10日(第2火曜日)午前10時より、和田公民館での和田たんぽぽ読書会の12月の会に参加した。2回めの参加である。
 1回めの参加は、先の11月13日の記事にアップした。



 僕は手土産に「決定版Ⅷ 方言集 ―福井市とその近辺ー」プリント綴じを6部持ってゆき、会員に配った。また家うちにあった、永田和宏・河野裕子の「たとへば君」「家族の歌」「歌に私は泣くだらう」を持ってゆき、前回の課題図書に絡めて示した所、前2冊は読んで下さる方が見つかった。

 今回の課題図書は、森絵都の短編小説集「風に舞いあがるビニールシート」である。
 内容については、Wikipedeiaの記事をご覧ください。


風に舞いあがるビニールシート
 さりげない話から、読書会に入り、ATさんより順に話すことになる。ATさんは、アフガニスタンでの中村医師・死亡の事件があり、表題作「風に舞いあがるビニールシート」を再読したと語った。「鐘の音」では、かつての芸術家肌の仏像修復師が職を変え、後に普通の結婚生活を送るオチが気に入ったようだ。
 IYさんは、作家が多くの文献を読んで、奥深い世界を現したと述べた。「鐘の音」は、映画化したら素晴らしい。「風に舞いあがるビニールシート」は、緒方貞子さんに関わって読んだ。「ジェネレーションX」は、O・ヘンリの小説を思い出したと述べた。

 MMさんは、10余年前の刊行当時に読みたかった。今の中村医師や緒方貞子さんの死の前で、その感慨はないけれども。中村医師の奥様は立派である、恵まれた出会いだったとも述べた。
 僕は、今月5日の記事と自分の経験を絡めて述べた。


 初にお会いしたTRさん(別の読書会の文集「えがりて」第33号、2019年9月1日刊、を下さった)は、朝鮮より幼児のまま引き揚げた(30人の幼児の内、日本に着けたのは自分1人だった)経験から、戦争でまず犠牲になるのは、子ども、女性、老人であると述べた。また「犬の散歩」について、自分も保健センターより犬を引き取って育てており、癒されると述べた。
 AKさんは、弱者、下積みの者への視点が暖かい。その道で亡くなる男性は幸せである、とも述べた。
 OTさんは、古文書を読む作業に忙しく、この本は未読。
 あとは作品に絡めて、思い思いに語った。12月11日の、中村医師の葬儀に、日本の閣僚がどれくらい参列するか、注視したいとも。
 しまいに、TRさんの選んだ1月読書会の課題図書、青山真治「ユリイカ」を受け取り、掃除を1部の方にお願いして、12時に散会した。


 

 最近に手許に届いた3冊を紹介する。
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 同人詩誌「青魚」No.91が届いた。2019年12月5日、鯖江詩の会・刊。
 B5判、33ページ。頒価:500円。

 同・No.90の感想は、今年6月15日の記事にアップした。



 同・No.91に、僕は6編のソネットを寄せた。作品は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」の12月9日の記事、ソネット「遅刻」より、毎日1編ずつ連載するので、横書きながらお読みください。



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 森絵都の小説、2冊を買った。いずれも角川文庫。メルカリで、2冊セット:449円だった。僕はわずかなポイントも使って支払った。
 今月5日の記事にアップした、彼女の短編小説集「風に舞いあがるビニールシート」の印象が良かったからである。



 身の回りに、最近に買った本、受贈した本が多いようだが、1冊ずつ読むのみである。


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