風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

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歌誌

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 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の2017年3月号の、発送通知がAmazonより2月14日にあり、2月15日(水曜日)に届いた。
 先の
同・2月号の感想は、今月6日の記事にアップした。
 特集は「短歌の中に残したいことば」。日常では使われなくなった歌語を残そう、という趣旨らしい。古典復帰なら良いが、復古とならぬ事を僕は願う。1時は、カタカナ語の歌語が取り上げられた時代もあったのだが。
 第28回「歌壇賞」受賞第1作30首を、先月号発表の受賞者二人が寄せている。
 評論等の散文も、時間をかけて読みたいが、毎日の小さな用事、ネット、本の読書などに追われて、なかなか読み尽くせない。


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歌壇
 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の、2017年2月号を、短歌中心にほぼ読みおえる。
 同誌の到着は、先の1月16日の記事にアップした。
 第28回歌壇賞は、大平千賀(以下、文中・敬称略)「利き手に触れる」、佐佐木頼綱「風に膨らむ地図」、2編に決まった。
 歌の前線は、このようなものかと思った。新しい人の感情は、新しい言葉で詠まれれば良い。
 候補作品は、初めの2編は読んだけれども、あとは痛々しくて読めなかった。選考座談会の記録も、僕の歌作の参考にはならないようで、殆んど読まなかった。
 連載「短歌の周囲(うたのぐるり)」11回「な・り・た・い」で、藤島秀憲が大西淳子・歌集「さみしい檸檬」他を取り上げて、実感する所を述べている。
 高野公彦インタビュー(聞き手・栗木京子)「ぼくの細道うたの道」第9回は、歌集「甘露」「天平の水煙」と共に、様々な旅・他を語っている。


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 結社歌誌「コスモス」2017年2月号より、「その一集」特選欄を読みおえる。
 
先行する同「月集」の記事は、1月26日付けでアップした。
 「その一集」特選欄は、9選者×各5名×各5首の、計225首である。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。Y・アヤ子さんの「あらうことか」5首より。
夫逝きて四年を過ぎぬ平常心取り戻ししか衝動買ひ止む
 言葉の流れは良くないけれど、微妙な心理を捉えている。
 僕もストレスか、本を衝動的に買う事があるけれども、衝動買いとして意識して買う訳ではない。
 「これを逃がしたら機会がない。今なら支払える」とか、「これは安い。売り切れれば、古本はプレミアムがついてしまう」とか、理由を付けて買っている。この状態が危ないのだろうから、戒めねば。
白鳥8
「Pixabay」より、白鳥の1枚。



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 綜合歌誌「歌壇」2017年1月号を、ほぼ読みおえる。
 購入は昨年12月17日の記事にアップした。
 また
同・12月号の感想は、同・12月4日の記事にアップした。
 新春巻頭作品を読んで思うのだが、綜合歌誌の巻頭を飾る歌人は(あるいは歌集を商業出版できる歌人は)、100人に満たないかと思われる。
 数万人と推測される歌詠みのヒエラルキーの、最上部を占める人たちである。このようなピラミッド体制が、いつまでも続くとは思わないが、いかがだろう。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。三枝浩樹(以下、文中・敬称略)の7首と短文「空間を聴く」より。
空間(スペース)を聴くべくありて からまつは空よりこぼれこぼれては舞う
 「スペース」の語は、「スペースシャトル」のように宇宙を指し、キーボードの「スペースキー」のように電脳空間と繋がり、心の空間も指すようだ。
 「スペース」は、これからのキーワードとなるだろう。
 高野公彦インタビュー「僕の細道うたの道」(聞き手・栗原京子)が第8回で、いよいよ佳境である。
 穂村弘の講演録「言葉の不思議」では、言葉を「日常の言葉」と「詩の言葉」とはっきり分けるのは、相互接触の場で短歌とソネットを目指している僕には、完全には肯えなかった。


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 昨日に続き、結社歌誌「コスモス」2017年1月号より、「その一集」特選欄の読了を報告する。
 「その一集」は、1ページ12名くらいで、59ページあるから、特選欄を足して、約750名である。
 特選欄には、45名の各5首が、今号よりそれぞれ選者による題名が付され、外国・北国より南下する順に載る。
 2年間に8回以上、特選になると、「月集シリウス」へ昇級出来るが、難関である。
 付箋を貼ったのは、次の1首。K・師子さんの「勁き意志」5首より。
曼珠沙華の赤を厭ひしははそはの母は戦地で夫を亡くせり
 母の夫とは父であり、曼珠沙華の花の赤が、人の血を思わせるので母は厭うたのだろう。
 枕詞を用いるなど冷静な詠みぶりだけれども、熱い思いを内に包んだ1首である。
火鉢
フリー素材サイト「Pixabay」より、火鉢の1枚。



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 結社歌誌「コスモス」2017年1月号より、「月集」を読みおえる。
 同号の到着は12月17日であり、12月20日付けの
記事(←リンクしてあり)で報せた。
 「月集」とは、毎度書くけれども、「月集スバル」(選者(現在23名)及び選者経験者よりなる)の「今月の四人」(4名×5首)と一般の「スバル」会員欄(35名×5首)と、「月集シリウス 特別作品」(12名×5首)、「シリウス」一般欄(127名、4首or5首)を指す。人数を書き上げた事に、特別の意味はない。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。選者の小島ゆかりさんの5首より。
「何者」と問ふ若者に「只者」と応へ立ち去る秋の妄想
 小島さんは、只者ではない。有名な有力な歌人である。1滴の、只者への郷愁があるようだ。
キャンドル
フリー素材サイト「Pixabay」より、キャンドルの1枚。



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 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2016年12月号を、短歌作品中心に読みおえる。
 本の到着は、先の11月19日の
記事(←リンクしてあり)、「歌誌12月号2冊」の内にアップした。
 「コスモス」関係では、巻頭20首に桑原正紀(くわはら・まさき、以下文中敬称略)「鯉(カープ)物語」が今年の広島カープ優勝とその歴史を詠んで、御同慶の至りである。
 特集「今年を象徴する百首」では、鈴木竹志が10首の選者となった。
 また吉川宏志・歌集「鳥の見しもの」の書評「『はるかなもの』を見るために」を小島なおが、時評「新しさとは何か」を福士りかが、作品評10月号「時代を映す鏡として」を木畑紀子が、それぞれ担当して大活躍である。
 栗木京子の高野公彦へのインタビュー「ぼくの細道うたの道」は、第7回に至った。
 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。上田一成「渚」12首より。
サボテンの小さく咲きたる赤花をしばらく見守る火種のやうに
 「白檀」等の小花は、火種のようだったな、と思い返す。赤いサボテンの「紅玉」も、火種のようだった。

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