風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

歌集

 今日2回めの記事更新です。
 昨年末12月21日~26日に、僕のKindle本、詩集「鳶の歌」と小説「底流」の、クリスマス無料キャンペーンを催しました。

 その後、僕は入院し、退院しても家のネットが繋がらなく、結果がわかりませんでした。
 1月20日にネットが繋がり、キャンペーンの結果がわかりました。期間中の無料ダウンロードは、7冊でした。多くはありませんが、実力の所でしょう。
 これに引かれたのか、1月19日、Kindle Unlimitedの228KENPがあり、はっきりしませんが、3冊分くらいでしょうか。あるいは以前の詩集「日々のソネット」「改訂版 光る波」のダウンロードではなかろうかと、都合よく考えています。
 次のKindle本の歌集を出版すべく、既に歌稿より、自選を始めています。

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写真ACより、「ウィンターアイコン」の1枚。


 短歌結社「覇王樹社」代表・編集発行人の佐田公子さんが、同人になって間もない僕に、第5歌集「夢さへ蒼し」を贈ってくださった。入院中のベッドの上で読み了える。
 受贈は、今月17日の記事、届いた3冊を紹介する(9)にアップした。
 
 上リンクには、第4歌集「さくら逆巻く」へのリンクが貼ってある。

「夢さへ蒼し」
 2020年12月28日、いりの舎・刊。2011年3月~2016年末までの458首、著者・あとがきを収める。2017年に亡くされた長男さん、2018年に亡くされたご夫君・佐田毅氏(前代表)の思い出は表されても、挽歌を含まない。次歌集に収められるだろう。
 2011年3月11日の東北大震災を詠み(自身も1部被災した)、深夜の執筆に菩薩めく自身を、激務だった娘さんの恋、結婚を詠む。入院中の息子さんとの面会、病臥のご夫君を詠む。医大の動物慰霊祭の珍しい歌、人の深傷に思いを寄せる歌がある。
 題名は「いづこからくる哀しみか やまとうた 二上山の夢さへ蒼し」より採られた。
 昨年の全国大会で、皆さんとお会いしたが、佐田公子さんは小柄ながら豊頬で優しく、芯のある方だった。入会する時より、優しいメールを頂いてもいた。



 以下に7首を引く。
「覇王樹」の再校ゲラを握り締め机に潜り生き抜かんとす
地下五階のボタンを押せばマイナスをプラスに換ふるごとき錯覚
カレーパン食してもよしと許可下りぬ恥ぢらひ食ぶる面会の吾子
いつもより饒舌となる母と子らさくら弁当にさくらが舞へり
さみどりの橡の葉擦れにわたくしを探してといふ声の聞こゆる
会ひたしと思ふ心の募りくる入院の君に二日会はねば
傷深く秘め持つらんか桜木は冬の闇夜にただ黙すのみ




 宇野なずき・歌集「透明な砂金」Kindle Unlimited版を読み了える。
 入手は今月5日の記事、入手した4冊を紹介する(11)にアップした。
 

 また2017年・刊の第1歌集「最初からやり直してください」は、2018年6月15日の記事にアップした。


宇野なずき 透明な砂金
 宇野なずきは、1989年・生、ネットを主に活動している。歌集「透明な砂金」は、2020年11月・刊。20首連作×7編。
 歌の言い回しは上手である。人生の実感を重んじる伝統と合わないかも知れない。
 現在の人に刺さる歌が多い。また現在の風物を取り入れている。

 以下に7首を引く。
はじまりの合図に鳴った銃声が頬をかすめて二の足を踏む
降ってきた 誰かのために走れなくなってそれから煮物がうまい
こうやって思い出さない日が増えて普通に暮らす未来がこわい
燃えている川の流れに逆らうと賢い猿に同調される
アルバムに保存されると過去形になるから置いていかないでください
終電で退職届の下書を引き止めてくるソシャゲの通知
きっとこの努力は報われないけれどバーベキューとか楽しかったね




 最近に手許に届いた3冊を紹介する。
 まず「覇王樹」代表・編集発行人の、佐田公子さんより第5歌集「夢さへ蒼し」を、贈られた。

「夢さへ蒼し」
 2020年12月28日・付け、いりの舎・刊。2011年3月~2016年末までの456首、著者・あとがきを収める。
 なお第4歌集「さくら逆巻く」の感想は、2017年8月15日の記事にアップした。


 「覇王樹」顧問の橋本俊明さんが、編集発行人を務める「覇王樹三重」No.126を贈ってくださった。
覇王樹三重
 2020年9月30日、覇王樹三重支社・刊。44ページ。No.126では、橋本俊明さんが、大逆事件と橋田東聲について、9ページに渉る評論をも寄せている。
 なお同・No125の感想を、昨年12月6日の記事にアップした。


 総合歌誌「歌壇」2021年1月号が、本阿弥書店より届いた。半年分ずつ予約購読である。
歌壇・1月号
 2021年1月1日・付け・刊。169ページ。
 これまでより表紙のトーンが暗い。この調子で1年を通すのだろうか。
 なお2020年12月号の感想は、今月4日の記事にアップした。






 小島ゆかり・第14歌集「六六魚」を読み了える。
 古書店よりの到着は、今月5日の記事、入手した4冊を紹介する(11)で報せた。




小島ゆかり 六六魚
 2018年9月1日、本阿弥書店・刊。448首、著者・あとがきを収める。
 僕は彼女の歌集を、ほとんどすべて読んで来た。僕はもう短歌結社「コスモス」を放れ、彼女の歌にケチを付けたかったが、ケチの1つも、作品上は付けられない。

 自分を戒める娘に反発をして強がりを書き、次女のできちゃった婚を受け入れ、「われはもや初孫得たり」と「われはもや安見児得たり」をもじり、基本的に前向きである。人間の貪欲、貧しい政治を嘆くけれども。彼女の初期からある、草木鳥獣との交流感は健在であり、シュールな面を見せる。
 「われのみの歩み」とも詠んで、歌の覚悟を示すようだ。忙しく活動する彼女が「怠けきつたる日」と詠むのは、意外で怖い。彼女の歌には、何でも身に引きつけて詠む点があり、リアルさを保証している。
 華甲(還暦)を越え、過労気味の心身を労り、これからも歌に邁進してほしい。


 以下に8首を引く。
「昔は」と言ふたびわれを戒むる娘はむかしわれが産みたり
水際に立てばすぐさま押し寄せる鯉の貪欲にんげんに似る
下の子はけふ母になり とほざかる風景のなか夏の雨ふる
見つめ合ふうち入れ替はることあるをふたりのみ知り猫と暮らせる
「何者」と問ふ若者に「只者」と応へ立ち去る秋の妄想
老境も佳境に入るかこのごろの母はホントのことばかり言ふ
なにもかも怠けきつたる日の夜は丁寧語にて猫にもの言ふ
みづからをまづいたはれと言ふごとく胸に抱ふるパンあたたかし



 最近に手許に入手した4冊を紹介する。

宇野なずき 透明な砂金
 AmazonのKindleストアを「歌集」で検索すると、宇野なずき・歌集「透明な砂金」がKindle Unlimited版であり、タブレットにダウンロードした。
 彼女の歌集「最初からやり直してください」は、2018年6月15日の記事に、感想をアップしている。(画像が失せています)。


 記事に拠ると、共に自力出版らしい。
 「透明な砂金」は、20首連作×7編。Kindle版:700円。Kindle Unlimited版:追加金無料。



完全攻略マニュアル
 「Kindle出版 完全攻略マニュアル」。新しいKindle出版のガイド本を探していて、Kindle Unlimited版を見付けた。Kindle本の作成法ではなく、売れるKindle本を作る方法の本らしい。自力出版2冊の僕としては、1考に入れるべきなのだろう。

現代万葉集
 短歌研究社より、「2020年版 現代万葉集」が送られて来た。日本歌人クラブ・編、2020年11月30日、短歌研究社・刊。
 短歌結社「覇王樹」からの誘いもあり、僕も意向があったので、3,500円を添えて、3首を送った。簡略に計算すると、約1,500人の約4,500首を収める。


小島ゆかり 六六魚
 小島ゆかり・歌集「六六魚」(2018年、本阿弥書店・刊)が、古書店・文雅新泉堂の広告メールにあったので、機会と思い購入した。本代:2,000円+送料:300円。
 この本の古本を探していたのだが、Amazonで高く、メルカリになかった。歌集はほぼすべて読んでいるように思う。前の歌集「馬上」の感想は、2016年9月10日の記事にアップした。(画像が失せています)。






 俵万智の最新・第6歌集「未来のサイズ」を読み了える。僕は彼女の歌集を、すべて読んで来た筈である。
 入手は、今月10日の記事、届いた2冊を紹介しする(17)にアップした。入手の経緯は、リンクを参照してください。



未来のサイズ
 2020年9月30日、角川書店・刊。418首、著者・あとがきを収める。
 全体は3章より成り、Ⅰ 2020年はコロナ禍の現在を、Ⅱ 2013年~2016年は石垣島時代を、Ⅲ 2016年~2019年は宮崎県での、詠んだ歌となる。
 Ⅰでは、コロナ禍を怖れつつ、自粛期間を楽しもうとする歌がある。以下に2首を引く。
朝ごとの検温をして二週間前の自分を確かめている
ほめかたが進化しており「カフェ飯か! オレにはもったいないレベルだな」
 Ⅱでは、大事な人の見送り、島での心豊かな生活、社会への嘆きに似た怒り、などを詠む。以下に2首を引く。
見送りは心ですますと決めたから畑にニラを摘む昼下がり
どこんちのものかわからぬタッパーがいつもいくつもある台所
 Ⅲでは、宮崎県に移り、中学校の男子寮に入った息子、ホームの父母、父親となった弟らに気を配る。以下に2首を引く。
日に四度電話をかけてくる日あり息子の声を嗅ぐように聴く
草食系男子となりし弟がそこそこ進むイクメンの道

 なおこの歌集には、社会批判・政治批判を詠んだ歌があるが、僕の希望としては、散文で展開してもらいたい。


 

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