風の庫

読んだ本、買った本、トピックスを紹介します。純文学系読書・中心です。

 お報らせです。2020年9月6日で以って、Kindle本「少年詩集 鳶の歌」を自力発行致しました。原稿は自分で作成し、表紙はデザイナーさんにお願いしました。上梓は自力で行いました。
 Amazonの「Kindleストア」カテゴリで、「少年詩集 鳶の歌」と検索すれば、すぐに出て来ます。右サイドバーのバナーよりも至れます。僕のペンネームは柴田哲夫です。価格は500円ですが、Kindle Unlimited版を追加金無料で購入できます。多くの方のご購読を願っております。

歴史

 先の9月29日の記事、入手した5冊(4)で紹介した内、渡辺茂子・歌集「湖と青花」を読み了える。
 読み了えた単行本歌集として、9月21日の記事、大野英子・歌集「甘藍の扉」を読むに次ぐ。
 共に贈呈を受けた本である。

a・湖と青花
 渡辺茂子さんは短歌結社「覇王樹社」の同人である。
 「湖と青花」は、2019年9月14日、不識書院・刊。覇王樹叢書第219編。
 先の1997年、第1歌集「未完の譜」(日本歌人クラブ近畿ブロック賞・受賞)があり、2019年にエッセイ集「落とし文」がある。

 「湖と青花」は、1ページ3首、1首が2行にわたっている。
 比喩の歌、それも暗喩の歌が多い。ロマンがあり、歴史にも視線が行く。(僕は日々の生活の歌で、精一杯である)。
 気丈であるだけに、内に鬼が棲むとも詠む。しかし穏やかな夫君と仲良く、立派に息子さんも育ち、元気なお孫さんを恵まれ、ペットの犬を可愛がっている。
 家の新築、姑の死、自身の大手術なども歌材と成す。琵琶湖に近く住み、たびたび訪れて歌に想いを放っている。


 以下に7首を引く。
かなしみを研(と)がむと湖に来たる日よ淡き水色のスカーフ巻きて
鬼瓦の眼より漏れくる日の光われに屹立の歌あらしめよ
駆けゆきてまた戻りくる犬の仔よ虹たつ原のメルヘンとなる
「ばあば見たか」声をはづませ幼児は象に驚く獅子に驚く
幼顔はるかとなして髭面にボージョレー・ヌーヴォーぬつと提げくる
過ぎし道振り返るまじ夫とゐる居間あたたかくコーヒー香る
時々は夫の書斎に寛げる犬とわたしと夏の木漏れ日




cocoon 08
 今月16日の記事、「歌集1冊と歌誌2冊を入手」で報せた内、季刊同人歌誌「COCOON」Issue08を読み了える。
 
同・Issue07の感想は、今年3月26日の記事にアップした。
概要
 おもな概要は、上の「入手」の記事に挙げたので、ご覧ください。
 今号で1名が去り、新しく3名が加わった。同人歌誌に、歴史が生まれる。
 結社「コスモス」内の同人誌であり、シニア誌に「灯船」がある。
感想
 政治の歪んだ社会では、文学は圧されるのではなく、自壊するかのように見えて倒れる。それは若い人において著しい。
 新古の古典を学び、信念を持って進んでほしい。
引用
 N・まさこさんの「ドラゴンライダー」12首では、副詞の多用が目立ち、後退の顕われのように思える。
歩き出すことのできない桜たち ざわりざわりと花びらを蒔(ま)
 O・達知さんの「きらびき」12首では、家庭、仕事を大事にしながら、壮年にかかる孤独もある。
聞いてやるただそれだけのやさしさを亀のミニラはよく知っている
 O・和恵さんの「忘れない夏」12首は、新しく優れた、父への挽歌である。
再起動できるものなら一夜明け夢だつたよと誰か笑つて




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